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大多喜無敵探検隊【昭和の本編】

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本編をまとめたマガジン。この物語は昭和の田舎で育った当時の私の日常や遊びを振り返って綴った趣味の児童文学(注:自称)!昭和51年4月~昭和53年3月(1976年~1978年)、私…
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2021年11月の記事一覧

act:9-オレのなつやすみ 夷隅川の川下り【出航編】

 世の大多数の子供がそうであるように、夏休みはオレにとってまたとないボーナスステージ!大嫌いな学校の宿題は8月最後の週に押しやって、それはそれは朝から晩までフリーダムに、興味向くまま気の向くまま、勝手気ままに元気に陽気に大多喜の山野で遊びまわっていた。 朝はラジオ体操ついでにカブトムシやクワガタを捕まえにいき、林の中で鮮やかピンクのスズメガやオオミズアオ、巨大な蛾のクスサンにビビり、昼ご飯のあとは近所の『大多喜無敵探検隊』メンバーとワイワイガヤガヤ町なかを定期パトロール、夕方

act:10-オレのなつやすみ 夷隅川の川下り【冒険編】

前回までのお話 ↓  ゴムボートはゆっくりと岸を離れる、いよいよこの夏休みをかけた冒険の火ぶたが切って落とされた!どこに危険が潜んでいるかもわからない、予想外のアクシデントがあるやもしれぬ、オレは御禁止川の流れに沿い慎重に川を下りることにした、見上げるとそこは、川を挟みこむように左右とも30mほどの崖になっている、その崖の表面には草木が生い茂っており、さながらアマゾン川のジャングルクルーズな様相なのである。 不意に鯉だろうか?川面を大きな魚が飛び跳ねる!すかさずオレの脳内で

act:11-権現坂のヘビと大多喜女子高生

 権現坂は、青龍神社辺りが起点の坂道、元々この界隈は大多喜城の敷地内で、当時は『根古屋』と呼ばれた地区にある緩い坂だ。 この坂道は役場のすぐ脇を抜ける道で、そして女学生が国鉄木原線で周辺の町や村から通う女子高までの通学路でもあり、朝夕は人や車がそれなりに行きかう道である。 人の往来あれば助けを求める声あり、我々はこの権現坂の安全・安心のため人知れずこの坂の番人となり、日夜悩める人々を救済しているのであった。何を隠そうこの坂の起点の青龍神社は、大多喜の愛と平和を影ながら見守る我