見出し画像

去る男はフツー。残る男には矜持がある。

またゴーン事件について書きたい。
お前は犯罪者だから犯罪者の味方をするんだな。と思われるだろうけど。日本のメディアの偏りが酷すぎる。推定無罪原則も捨て、卑怯者だの守銭奴と揶揄している割に、本来の起訴内容を多くの人は把握していない。
そもそも最初の逮捕に繋がった80億円の報酬は、退職後のポストへの報酬で、退職していないから契約も成立してないし、当然まだ受け取ってもいない。そういう計画があった。というだけの話で、その話を報告しなかった。という罪状なのである。

逮捕直後は「これは形式犯だから、逮捕じゃなくて、任意での事情聴取で対応するべき」という声も微かにあった。形式犯ってのは、例えば運転免許証不携帯とかだな。免許を所持してなくても、運転の危険性が増すわけではないが、決められた事をやんなかった点で「犯罪」みたいな解釈かな。

基本的に、そういう場合の罪は軽い。検察は「その計画を隠蔽した」と決めつけたが、本気で隠蔽したいのなら、契約書なんか残っちゃいない。隠蔽したのなら残らないはずの契約書と、クーデターサイドの供述が、証拠という奇妙な逮捕要件なのだ。

クーデター?あれはゴーンの言い訳でしょ。

そういう空気があるが、仏大統領マクロンに脅されたゴーンが経営統合に傾き、それを恐れた日本人が追い落としを謀り、でもゴーン怖いから検察使った。くらいの筋書きは、あんまり考えなくてもわかることだ。

だいたい司法取引という別種の逃亡をした西川氏が、その後不正な役員報酬を受け取ったということで、事実上解任されている。そういう人間がいけしゃあしゃあと「あの程度の内容日本で言えば」なんてコメントし、正義の味方ヅラしてて、それに多くの人が賛同しているのは見るに耐えない。

そして、多くのメディアが「ゴーンのニュースはイラン問題に潰されてニュースバリューがなくなった」「海外では誰も同情していない」などと大本営発表みたいなことをやっていて、そんな中で、ようやくまともな記事を見つけた。同じく逮捕されたケリーさんのインタビューだ。

犯罪者の言い訳かよ。と思うかな。僕はそうは思わない。
「彼はゴーンの子分で見捨てられた可哀想な人」というイメージがあるが、ゴーンが引っ張ってきた人間じゃなくて、北米で実績積んだ叩き上げだ。子分でもなんでもない。元々弁護士だから、法律にも詳しく、下手な事はしない。証拠隠滅するならきっちりするだろうね。

この記事には、西川氏の不正な役員報酬操作や、「吐くまで出さない」という人質司法の問題点など、ゴーンサイドの見解が多く含まれているが、内容は冷静で、僕はケリーさんを応援したくなった。

「彼を無罪にすればゴーンが高笑いする」ということで、日本は彼をなんとしても有罪にしようとするだろうが、なんとしても戦い抜いて欲しい。良からぬ輩もいるだろうから、どうか身の安全には気をつけて下さい。

自分が海外で、へんてこな罪で逮捕されて、裁判はいつまでかかるか分からない状況で、逃げるチャンスあるというのなら、僕は逃げるなぁ。だからゴーンはフツー。けれどケリーさんは残って戦うんだ。凄いよ。

だいたい、日産がピンチの時に助けてくれたのがルノーで、一緒になるのが嫌なら「あんときは世話になったけど別れたい。すまん。金は払う」と切り出すべきで、ボス逮捕させて、どさくさに紛れて離れようなどというのは、ゲスの極み。

ウォール・ストリート・ジャーナルの記事によると、奥さんは日本語学校に入学して、学生ビザをとり、日本に来てケリーさんを支えているそうな。どっかの議員の奥さんとはえらい違いで、良い話やなぁ。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
73
自分としては「ボーダー」を歩んでいるつもり。友人からは「アウトロー」な生きざまと言われ、悪い人からは「カタギ」扱いなので、やはりどっちでもないカオスな人生なのでしょう。現在は「ウォーキングバディ」でデレクターをやっています。https://in12.site/walking/

こちらでもピックアップされています

#みんなの文藝春秋
#みんなの文藝春秋
  • 79本

「私は頼まれて物を云うことに飽いた。自分で考えていることを、読者や編集者に気兼なしに、自由な心持で云ってみたい」。「文藝春秋」を創刊した理由として、作家・菊池寛はこう言いました。つまり、「文藝春秋」とはクリエイターによるクリエイターのための雑誌だったのです。その精神を引き継ぎ、noteクリエイターによるnoteクリエイターのためのマガジンをここに作りました。「#みんなの文藝春秋」でどしどし記事をお書きください。記事の感想でも、コラムでも、小説でも、「文章」であれば、なんでもあり。編集部がピックアップしてこちらにまとめます!

コメント (6)
ですね…
吠えているのは後ろめたいことはない聖人君子なのでしょうか?甚だ疑問であります
叩きやすいものを叩いているとしか見えないです
おかげさまで良い記事を読めました!ありがとうございます。
ケリー氏は理路整然と語られていて、やはり日本サイドの動きがおかしいと感じました。
ゴーン氏はもうどうでもいいけど、彼には負けないでほしい!
@たぐみやかんぱにーさん。保釈保証金の捨てプリや巨額の逃亡費用を考えると、ゴーンが私腹を肥やしていたのは事実だと思います。しかしそれは法律の範囲内で「上手いことやった」だけの話で、それは彼が行ったリストラと同じく、罪に問えることではないのです。
欧米の企業統治が万能ではありませんが、例えば取締役会がきちんと監視して、公私混同を止めるなり、職を解くなり、社内で解決しなければいけない問題なのに、公権力に頼って解決を謀ったのが卑怯であり、それに乗っかった司法にも問題がある。そこが完全にスルーされているのが歯痒い。
多くの人は「梯子に登らせて引き摺り下ろすゲーム」を楽しんでるだけでしょうけど。
@タダノヒトミさん。ケリーさんこそ「サムライ」に思えてなりません。逃亡劇よりも、ケリーさんの話の方が、深く味わいのある映画になると思います。
お家騒動に幕府巻き込んで。まるで山本周五郎「樅の木は残った」の原田甲斐を彷彿させます。奥さんの献身もありますしねぇ。それがアメリカの人という。あゝ日本人情けなや。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。