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【鳥肌実毒炎会ニイタカヤマノボレ0204】ネタバレ無しレポート(とは?)

 去る2022年2月2日〜2月6日の5日間。両国サンライズに於きまして、我が最愛の軍装妄想芸人鳥肌実様の毒炎会が行われたのであります。(営業妨害を避ける為と記憶が朧げ過ぎるので、ステージの内容は秘密。見に来てね。)
 本日は毒炎会に当たり右往左往する1人の新参者のライブレポートでございます。

 公演予定が出たのはいつだったか。両国5daysに2月4日が含まれている。平日である。が、外す訳にはいかない。何を隠そう我が推しの生誕祭である。ノーモーションでチケットを予約。翌日、会社に有給を申請。仕事終わりに電車に飛び乗れば19:00の開演にぎりぎり間に合うが、相手は推しである。推しとは、仕事着のジーパンとフリース、ぼさぼさ頭で会ってはいけない人。ライブは見るだけじゃなくて見られる(自意識過剰)もの。最高の状態で参戦するべきという信念の下、休みを取る。申請理由の記載は必要無いが、同僚には「カウンセリング」と言っておく。ライブは広義でのカウンセリングだし、予約制で動かせない予定として牽制する効果もある。
 ややあって。勤務調整の結果、午後休が精一杯となる。まずい。時間が足りない。はげるかもしれないけど前日にネイル。直前にシャワーを浴びたいが着替えとメイクを含め間に合うか。最前列確保の為、開場30分前にはライブハウスに着いていたい。その前に生花店で薔薇の花束を(誕生日だからね!!!!)。
 逆算して何度もシュミレーションしたお陰で、無事予定の電車に乗ることができた。早くも動悸息切れ救心である。推しの誕生日にライブ。来年もあるかどうか確証は無い。なんとしても行かなければ。直接「誕生日おめでとう」を言える機会が来るなんて、奇跡以外の何物でもない。恥ずかしながら未だかつてそんな経験はしたことがなかった。メジャーバンドのアリーナツアーではメンバーに会うなんて不可能である。だがそこはお笑いライブ。圧倒的に距離が近い。サイン会や握手会(コロナ禍により自粛中)で僅かながら会話もできる。期待と緊張で胸が高鳴り胃が痛い。持ってくれ、我が精神と肉体よ。そんな私を乗せて各駅停車はもどかしく走り続ける。
 両国駅に着くと、一目でファンだと分かる黒服(若しくはコスプレ)の集団…などいるはずも無く。事前に目星を付けておいた花屋へ向かい大輪の赤い薔薇で花束を作ってもらう。「贈り物ですか?」「はい…お誕生日に…(恥らい)」お花屋さんのご主人はまさか今日が鳥肌実様のお誕生日だとはご存じないだろう。素敵なリボンをありがとう。手早くラッピングをしてくれる間に息を整える。
 いざ。この角を曲がれば会場がある。(じつは去年も一度この場所には来ているのに全く記憶が無いのでGoogleマップと共に。)時計は17:40を差していた。遅かったか…?ん?誰もいない???恐る恐る入り口を見下ろすと、階段下に男性が1人。よかった。お客さんだ。気合の入ったお客さんだ。同志だ。鳥肌実いいですよねえ!!!話しかけたい。ハイタッチしたい。階段を駆け下りそうになるが不審者になるので自重する。
 18:00ちょうどに開場。一番乗りの男性は当日券を購入する様子で、窓口のスタッフさんが前売りを持っていた私を先に入れてくれた。検温と手指消毒。連絡先記入。ドリンク代を払いチケットを貰う。(アルコールは1杯。ソフトドリンクは2杯分。)半ばスキップで最前列中央を確保。中のスタッフさんの「いらっしゃいませ」の声に、既にハイテンションの私は思わず「こんにちは(ニコッ)」と返してしまう。優雅か。上着と荷物を置いてお財布を握りしめ玉砕ショップ(物販)へ。
 客席後方にバーカウンターと物販スペースがあり(販売を担当されているのはお笑い芸人の亀子のぶおさんであるという情報をtwitterで入手していた)、サイン色紙とネットショップでは完売していた全軍突撃Tシャツ(アイボリー)を購入。ライブ後のサイン会でサインを入れてもらう気満々。特にサイン色紙は毎回お願いしていて、ライブの回数分コレクションしている。宛名も書いて頂けるので、嬉しきことこの上無い。ほくほく顔でカウンターでドリンクをもらって席に戻る。ぼちぼちお客さんが入ってきていて、隣には一番乗りの男性の姿が。無事に最前列が取れたんですね!!!と、心の中で握手。
 SEはもちろん軍歌。合間に実様の演説が挟まる。「目には目を!ミサイルにはミサイルを!全弾撃ちち尽くしでございます!!!」男性客が多いものの、女性の姿もある。年齢層は幅広く、実様と同年代位の方から未成年と思われる若い方もいた。一見なんの共通点も無く、なんともカオスである。全員と友達になりたい。この思いを共有したい。落ち着け落ち着け。会場を荒らしてはいけない。
 スタッフさんより公演の途中の質問コーナーについてのお願いがアナウンスされる。同じ内容がステージのスクリーンに投影されている。「1人1問、政治、宗教、芸能、なんでも構いません。タブーはございません。」毎回悩みどころである。せっかくなのでお誕生日に絡めた質問を考える。
 19:00を少し押して。不意に大きくなるSE。三島由紀夫の演説。スポットライト。いよいよ開演である。

〜中略(筆舌に尽くし難い抱腹絶倒最高のステージをどうぞ生で見に来てね)〜

はい。名残惜しくも約2時間のステージが終了。物販とサイン会のアナウンス。既ににやにやが止まらない。今の今まで目をハート形にして見つめていた推しに直接お会いしてお誕生日おめでとうを伝えなければ。何の為に会社を早退してここまで来たのか。念願の邂逅である。「サイン会参加の方はこちらにお並びくださいー」グッズを手にしたお客さんが列を作る。会場のほぼ全員と言ってもおかしくない。熱い。愛である。そんな様子を暫し後方から眺める。狙うは最後尾。次の方を待たせないで(気持ち的に)少しでもゆっくりお話しする為。なんて姑息な手。ドリンクをお代わりしたりトイレに行ったりしてわざとらしくタイミングを合わせ、悠然と最後尾へ。と思ったら数名が後に続く。お。今までどちらにいらっしゃいました。まあ、こういうこともある。そして。菊紋パジャマに着替えた実様の登場。普通に客席を歩いて物販ブースへ。パジャマの裾をズボンにインしていらっしゃる。ふとましい。かわいらしい。菊紋の妖精。抱き締めたい。いや落ち着け、警察沙汰は勘弁である。
 暫し順番を待って。「お誕生日おめでとうございまーす!!!」オーバーアクションで花束をお渡しする。「ありがとうございます!」しっかりと目を見て(目を見て!!!)受け取って下さった。はあはあ。過呼吸である。抜け目なく色紙とTシャツにもサインを入れてもらう。この時即座に机の前にしゃがみ、椅子に座っている実様と目線を合わせるという小技を繰り出す。あざとい。色紙に名前を入れてもらい、個体識別を夢見るのも一興。なんと健気なファン心理。
 こうして一連のイベントが終わり、三々五々(お客さんの殆どが単独参戦だが)帰路に着く。ここでも出口で「ありがとうございました!」と元気よく挨拶をしてしまう。良い子か。
 夜風が火照った体に気持ち良い。できるならこのまま帰り路すがらファンの人を捕まえて(!)今日の日の感想を語りながら一杯と行きたいところだが、世は時短営業。おとなしく駅を目指し、興奮冷めやらぬまま家路に着いたのでした。

おしまい。
 (ちなみにこの翌日、更に最終日と3公演連続参戦したのはまた別のお話)

 

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