見出し画像

双子の明暗を分けた“細菌感染“。禁断の力を手に入れた彼女たちが望んだモノは…。同じ“希望“も角度を変えれば、それは光にも闇にもなる。

「海の闇、月の影」 篠原千絵 全18巻

PAKU★☆☆☆☆ POKU★★★☆☆ BLACK★★★☆☆

謎の細菌に感染した双子が、超能力にも似たような力を手に入れる。仲の良い双子だった流水と流風。「最高の1日」と「最低の1日」を過ごしたそれぞれの精神に、細菌は作用し心を蝕んでいく。

公式ジャンルでは、「スーパーミステリー」となっている。なんだろう「スーパーミステリー」って…。

登場人物がどんどん死んでいくという少女漫画とは思えない暗い展開。絵も、ぞくっとするくらい怖い。

ポイントは、彼女たちの日常を壊したのが“細菌“であること。彼女たちはあくまで“細菌感染“であって、いわば病気なのである。彼女たちが追うのは自分たちを直す「処方箋」。

自分たちを治して日常を取り戻すのか、細菌の力で世界を支配するのか。彼女たちが求めるものは同じだったはずなのに、ズレていき変形していく様がなんとも悲しい。最後まで全く展開が読めない名作だと思う。

この記事が参加している募集

マンガ感想文

よろしければサポートをお願いします。サポートは、活動費として漫画の購入にあてます。よろしくお願いいたしますっ!