見出し画像

夜中の23時にケークサレを焼く

子の離乳食の後半には、ホットケーキミックスでさっとできる蒸しパンもどきが大活躍だった。
朝、粉と牛乳を適当に混ぜて、粉チーズでも振りかけて、レンジでチン。
まだ赤ちゃんのぎこちない手指と口の動きで、ポロポロこぼしながら毎朝食べてた。

我が家の朝メニューは固定だ。
レタス、ハムorソーセージ、パン、ヨーグルトとカフェオレ。
バタバタと忙しい朝だから子供も同じメニューにしたいのだけど、比較的なんでも食べるうちの5歳児でさえ、葉物そのままは食べない。
それより好き嫌いの激しい2歳児は、もっと食べない。
それでも、少しでもお野菜を食べて欲しくて、冷凍庫にストックしてあるMIXベジやらほうれん草やらを混ぜた野菜入り蒸しパンもどきを出すようになった。
子どもは変わらず、にこにこしながら食べた。
良かった、これなら食べてくれる。

それこそ上の子がようやく離乳食を卒業するくらいの頃から、もう1年以上それを出し続けている。
…薄々気付いていたのだけど、このお野菜蒸しパンもどきを、毎朝、出社のタイムリミットがある中でバタバタと作るのが、地味に辛い。
作り置きできると楽そうだなぁ…と思って、ふと、ケークサレを作ってみた。

+   +   +

レシピはこちらを参考に、タネは半量、具はおなじみ冷凍野菜各種。
1回目は、レシピにほぼ習って塩味のみで、お野菜も律儀に炒めて味付けした。
焼き上がりを味見したら本当に塩味だけで(当たり前)、恐る恐る出してみると、5歳児は「おいしい!」と勢い良く食べてくれたけど、2歳児には不評で、"いつもの蒸しパンをよこせ"とキッチンを指差してイヤイヤ…。

その反省を踏まえて2回目は、お砂糖を指3本分、塩を指1本分、炒める時に塩を入れず、粉チーズとオリーブオイルを控えて入れたところで、思いついてオレガノもひとふり。
焼き上がったのはハーブ香るちょっぴり大人なケークサレだけど、ほんのり甘くて、これなら2歳児にも合格。笑顔で食べてくれた。

おかげで今週、朝ご飯の準備が、
  冷凍野菜を出して解凍する→粉をスプーンで計る→牛乳を計る→混ぜる→レンチン
から、
  作り置きを出す→レンチンして温め直す
だけで済むようになった。うわぁ、楽!

そして今日、それも朝に食べ切ってしまったので、夜中の23時から、明日の分を焼いている。
3回目は、粉を混ぜる1工程を忘れてすっ飛ばした。
野菜は一応炒めたけど、水分調整すれば何とかなりそうなので、次はきっと炒めない。
オリーブオイルと粉チーズはもはや目分量。
前回、生地の中から見つけて嬉しそうだったなと、ウケの良かったソーセージとカボチャも入れた。
焼き始めてから最後にチーズをかけるのを忘れたのを思い出し、途中で1度出して追加して戻したり。
焼き上がりを待ちつつ、あくびしながら、これを書いている。

あーぁ、こんな夜中に、何やってるんだろうなぁ。
保育園で栄養バランスばっちりの食事を頂いている子どもたちに、たかだか小鉢1杯くらいの野菜の有無が健康に大きく影響するわけでもなく。
家事を効率化して楽に過ごそう、その分イライラせずに子どもと笑顔で過ごしたいと言いつつ、こんなものを夜中に焼くなんて。
ママ友と「朝ご飯なんてパンとバナナとヨーグルトでOK!」なんて笑ったこともあったっけ。

…ああ、これは、ただのワガママだ。私の。
早く手放せば楽になれるだろうに、こんな小さなこだわりなんて。

+   +   +

「ピーッピーッピーッ」
とオーブンレンジが焼き上がりを知らせる。
取り出して、ふわんと香るオレガノの香り。
切り分けて、断面から覗くカラフルなソーゼージとカボチャとほうれん草。

うん、まぁ、これも苦しくなるまでは続けてみようか…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?