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【#私の仕事】ジュエリーブランド「SAN」ふたりのデザイナーに聞いた、制作のこだわり

わたしたちは、東京発のジュエリーブランド「SAN(サン)」です。 “あらゆる「あなた」と「わたし」で共有したい” をコンセプトに、国・世代・性別のボーダーを越えたジュエリーを提案しています。

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今回はSANのふたりのデザイナーに、制作にまつわる話を聞きました。

2021年から、拠点をオランダに移して活動する予定のふたり。今後は日本だけでなく、海外にも展開していく予定です。

ふたりのプロフィール

不破 大睦(Daichi Fuwa)
埼玉県出身 (1989)
多摩美術大学  美術学部工芸学科ガラス専攻 (2009-2013)
Gerrit Rietveld Academie the Large Glass Department ・オランダ (2020-)
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New Glass Review 35 入選 / Corning Museum of Glass ・アメリカ (2014)
伊勢丹新宿店本館ウィンドウ展示 / 新宿伊勢丹本館 (2017)
西坂 紗希(Saki Nishisaka)         
東京都出身 (1989)
多摩美術大学  美術学部工芸学科金属専攻 (2009-2013)

Q. 制作をする上でのこだわりや、考えていること

不破 大睦(以下、不破)
素材の面白さを大事にすることです。

私が専門で扱っているガラスには、温度が高いと柔らかくなり、低いと硬くなる性質があります。温度や重力、空気、圧力によってさまざまに形を変えるガラスは、目には見えないものを形にするのに向いている素材だと思っています。

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 ▲ somehow soft and hard (2013)

私の作品に、石とガラスを組み合わせたものがあります。これは子どもが川で面白い形の石を拾う感覚と一緒で、コンセプトよりも素材それ自体の面白さを表現しました。ただその辺りに落ちているものを拾い上げただけでも、異なる素材と組み合わせることで特別なものに見えませんか?

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▲ especial (2017)

西坂 紗希(以下、西坂)
私も同じで、「素材がよりきれいに、可愛く見えるようになったらいいな」と思いながらデザインや形を決めています。

代表的なのは、石が動くリングです。動くものって、愛着が湧きますよね。石も、ただ止まっているより動いていた方がキラキラします。このリングを身につけている自分も、ふと目にした人も、つい目で追ってしまう。もっと可愛がってもらえるような気がして、こういうデザインをしました。

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▲ 石が動くリング

Q. 作品づくりの中で、感情が動くのはどんなとき?

不破
いちばんは、作品が出来上がったときですね。「よし」「いいな」って、自分で思えたとき。その次に、人から「いいね!」「素敵だね!」と言われたときです。制作中は、どちらかというと気持ちが落ち着いています。
西坂
思い描いていた通りのものが完成したときです。お客様に「いいね」と思ってもらえることもうれしいですが、そのあと実際につけてくださっているのを見たときはもっとうれしいですね。日々身につけてくれていることで、ほんとうに可愛いと思ってくれているんだ、と思えるので。

Q. 仕事をする上で、苦しいことはある?

不破
販売するものをつくるときは、自分の作品を制作しているときとは少し違いますね。SANで販売するものには “身につける” という制約があるので、技術面でもコスト面でもいつも難しい部分があります。西坂と意見が合わないことも出てきます。
西坂
どうしてもお互いに意見が合わないときがあって……そういうときは苦しいですね。ふたりでやっているからこその苦しみだと思います。

また、私はフェミニンなジュエリーを好んでデザインすることが多いのですが、SANでは “ボーダーレス” というブランドのコンセプトのもと、ジェンダーを超えたデザインを目指しています。「苦しい」とはすこし違いますが、難しさは感じますね。

Q. これからやっていきたいこと、つくりたいもの

不破
まずは、オランダでの生活に慣れることが第一ですね。そのあとはジュエリーに限らず、うつわなど、生活に馴染みやすいものもつくってみたいです。反対に、家に置くことを想定しないようなインスタレーションなども手掛けていきたい。いろんなアプローチから制作を重ねていきたいと思っています。これまでは感覚的に制作していたけれど、コンセプチュアルな作品や、枠の中でつくるものがあってもいいなと思っています。
西坂
10月からは、SANで不破の作品も販売し始めます。ジュエリーをメインに、 “ボーダーレス” というコンセプトで、自分や自分の大事な人たちが少しでも楽しくいい日常を送ってもらえるようなものを提供したいです。

私は幼い頃から身近にジュエリーがあったので、まずはジュエリーを提案することが第一歩でした。最近では日々の暮らしや食べ物、インテリアなどにより興味が出てきて……部屋の中に作品があると、その空間がいいものになったり、自分自身で素敵な家だと思うことができますよね。そういう心境の変化もあり、今後はジュエリーを中心に、ライフスタイルを豊かにするものも提案していきたいと思っています。

たとえば、「香り」は大事な要素ですよね。香りがあることでより記憶に残ったり、その場所の居心地がいいと思えるか思えないか決まる。SANでも今後、お香などオリジナルの香りをプロデュースして、匂いと一緒に記憶に残るような商品を発表できたらいいなと思っています。みなさんが自分自身でいいと思える暮らしをできるようなお手伝いがしたいですね。

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SAN Web - http://san-tokyo.com/
Online Shop - https://santokyo.buyshop.jp/

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