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オタクは平安時代から #37

「更級日記」

菅原孝標女(すがわらのたかすゑのむすめ)が書いた作品である。

物語の冒頭部分のあらすじを簡単に説明する。

田舎(北関東)で生まれ育った菅原孝標女は、田舎臭い娘だった。
そんな菅原孝標女は、源氏物語というものがあるのを知り、それを読みたいと思っていた。
それは何故かというと、暇な時に姉や義母が、源氏物語を語ってくれたから。

菅原孝標女はその物語を最初から最後まで聞きたいのだけど、姉も義母も内容をしっかりとは覚えていない。
物語を読みたい菅原孝標女は、薬師如来像(仏様)を人に作らせ、「早く京に上らせてください。京で物語を読ませてください」と祈る。

菅原孝標女が13歳の時、その願いが叶い、父の任期満了により、京に上ることになった。
そして、源氏物語を読む事になり、源氏物語に没頭する。

なかなかこのあらすじだけでは伝わりにくいが、菅原孝標女は文学オタク。源氏物語オタクだった。

物語を読みたいがために、仏様を作って願う。そんな人、なかなかいないですよね。
しかし、実際に自分の願いを叶えてしまう。
「念ずれば花開く」を体現したのです。

オタクは底知れないパワーを持っているとは思っていたが、この物語からそのパワーを垣間見ることができる。

平安時代から存在した、菅原孝標女という源氏物語オタク。
彼女が日本初のオタクのルーツだと、私は勝手に思っている。

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