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はれときどきぶた #30

はれときどきぶた
通称『はれぶた』

小さい頃に読んでいた絵本で、今でも面白かった印象がある。
なぜか、ふと思い出したのでどんな話だったのかを紹介していく。

小学3年生の畠山則安。
あだ名は「十円やす」
みんなからそう呼ばれていた。
則安は小学2年生の頃から毎日、日記をつけており、担任の先生に日記を見せていた。
ある日先生から、
「日記は人に見せるものではないから、先生に見せなくていい。その代わり、本当のことを書きなさい。」と言われる。
その日から則休は、いいことばかりではなく、失敗したことや間違ったこと全てをちゃんと書くことにする。

しかし、学校から帰るとお母さんが勝手に則休の机の引き出しの中から日記を取り出して見ていた。
誰にも見せないため、恥ずかしくても本当のことを書いていた則休は、お母さんが読んだらびっくりするようなことを書こうと思い立つ。

そこで、”明日の日記”を書くことにする。
明日の日記に、
「トイレに大きなヘビが現れた」
と書いたところ、翌日、日記に書いたことが本当となり、トイレにヘビが現れる。
その日の夜も明日の日記に、
「お母さんがえんぴつの天ぷらを作り、お父さんがそれをおいしいと言って食べた」
と書くと、それも本当になってしまう。

何を書いても全て本当になってしまう日記。
則休の日記はどんどんエスカレートしていく。

とうとう
「明日の天気は、晴れ時々ブタが降る」
と書くと、日記に書いた通りブタが空から降ってくる。
町中がブタで溢れ、恐怖を感じた則休は急いで今まで書いた日記を全て消しゴムで消す。
すると、ブタは全て消え、町中の人もブタのことなど忘れ、何事もなかったかのように普通の日常生活に戻った。

子どもながらに、この展開に面白さを感じた。
この絵本は、販売当初は大人に批判をされていたらしい。
「ただ面白いだけの話が、児童文学ではない」と。

しかし、子どもの人気を得てベストセラーにまでになる。
今考えてみると、少しデスノートに似ている。デスノートの作者もこの『はれぶた』を読んでいたのかもしれない。

この『はれぶた』シリーズ。
個人的には絵も好きだ。

久しぶりに昔読んだ懐かしい絵本に触れることで、たまには子ども心を思い出すのもよいかもしれない。

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