見出し画像

ナスダック100(QQQ)がどこまで下落するか数字でシミュレーションしてみました

 大方これから下げ局面が続くと予想されているようですが、下落時こそ仕込みのチャンスですよね。

 だからこそ買っていきたいのですが、買ってすぐ含み益になるような上昇局面とは違い、逆張りゆえに買うとしばらく含み損になってしまいます。

 どこまで下がるかわからないから、チャンスとわかっていても下落局面で買うのは難しい。でも大きく取るためには下がっている時こそ買わなければなりません。

 そこで、今回下げの大きいナスダック100がどこまで下がりうるのか、数字で検証してみたいと思います。
 お付き合いお願いいたします。

QQQの長期チャート

QQQ週足チャート

 それぞれ、チャート節目となるような価格に水平線を引いています。

PERから下値メドをつける

 今回は、どこまで下がるかのメドを測る指標として、PERを使いたいと思います。

現在のナスダック100のデータ確認

現在のナスダック100のEPSとPER

 現在のナスダック100のEPSとPERを確認してみましょう。
 データはこちらのサイトを参照しています。
 【株式マーケットデータ】 

EPS

ナスダック100指数

実績PER

指数≒11638
実績EPS≒475
実績PER≒11638÷475=24.5

予想PER

指数≒11638
予想EPS≒525.5
予想PER≒11638÷525.5=22.1

今回は実績PERを使う

 さて今回の計算には実績PERを使おうと思います。
 
 その理由は、景気後退が予想され、予想PERが徐々に引き下げられており、EPSはほとんど伸びないのではと感じるからです。

QQQのEPSを求める

 実際の売買にはQQQを使いたいので、ナスダック100の実績PER=24.5 の値を使ってQQQのEPSを求めます。

 9/21日のQQQ終値 283.56 を使うと
QQQのEPS=$283.56÷24.5≒11.6

となるので、QQQのEPSは11.6と計算できます。

QQQチャート節目のPERを求める

 さてここからは下落した時のQQQのPERを求めていきます。

コロナ前の高値水準

コロナ前の高値まで下落したと仮定します。

 現在からの下落率はおよそ16%になります。そのときの株価はおよそ$237です。
 このときのPERは
 コロナ前水準PER=$237÷11.6=20.4

2019年のサポートライン水準

 さて次の節目は、2019年の高値抵抗線となっていた、$195あたりでしょうか。

 現在からの下落率は約32%です。ここまで行くと阿鼻叫喚ですね。

 この水準でのPERを求めます。

 2019年の高値水準PER=$195÷11.6=16.8

コロナ安値水準

 さて、次はコロナ暴落の安値水準の$165です。
 個別銘柄では、ここまで下がっている銘柄も珍しくないので、QQQもその可能性はあるかもしれません。

 現在からの下落率は約42%です。

 これはまぁ何とも凄いですが、QQQは過去にドットコムバブル崩壊時には80%の下落を記録しているだけに、ないとは言い切れませんね。。。

 この水準でのPERを求めます

 コロナ安値水準PER=$165÷11.6=14.2

2018年の利上げショック水準

 次の水準は2018年末の利上げショックの安値$145です。
 たった4年前と思うと全然ありうる気がしてしまいます(笑)

 下落率は約48%。ここまでくると誤差(笑)
 この水準のPERを求めます。

 2018年利上げショック水準PER=$145÷11.6=12.5

最後はドットコムバブルの高値水準

 さて最後はドットコムバブルの高値の水準$115です。
 流石に20年の巻き戻しは勘弁してもらいたいところです。。。

 現在からの下落率は約60%。流石にないと思いたい。
 この水準のPERを求めます。

 ドットコムバブルの高値水準PER=$115÷11.6=9.9

 ついにPERが一桁に。

PERまとめ

  • コロナ前水準PER=$237÷11.6=20.4  下落率16%

  • 2019年の高値水準PER=$195÷11.6=16.8  下落率32%

  • コロナ安値水準PER=$165÷11.6=14.2  下落率42%

  • 2018年利上げショック水準PER=$145÷11.6=12.5  下落率48%

  • ドットコムバブルの高値水準PER=$115÷11.6=9.9  下落率60%

過去のPERから妥当水準を考察

過去の実績PERチャート

 次は、ナスダック100(QQQ)の妥当なPERはどこなのか、過去から検証してみます。
 出典は先ほどのサイトです。

ナスダック100 実績PERチャート

 これを見るとコロナ後の相場がどれだけ割高だったのかがよくわかりますね。
 「割高すぎるというほどではない」と言っていたインフルエンサーがいた気がしますが、明らかに割高でした(笑)

 しかし、PERが上昇する局面で割高だからと言って株を保有して資産を増やすことができません。
 むしろ割高になっていく局面(PERエクスパンション)でポジションを多く持っていくことが儲けるためには大切なことなのです。そこに株式投資の難しさがありますよね。

現在のPER24倍の水準は平均レベル

 さて、話を戻します。
 チャートを見ると、現在のPERの水準は実は割といいところまできているように思います。
 コロナ前の平均レベルはこれくらいのようです。

暴落局面の水準はPER20倍程度

 下落局面をみて、どこまでPERが縮小するか考察します。

 チャートを見てみると、コロナの安値でPERはおよそ22〜23

 2018年の利上げショックの安値がPER約20ですね。

 残念ながらそれより以前の指標が見つかりませんでした。

過去と同じ相場観の延長だとするとPER20倍ほどまでの下落を想定

 これから起こることが、ここ数年レベルの過去と同じ相場観だとすると、PERは20程度、19くらいを見積もっておくと良いかもしれません。


利上げによりナスダック一人負けシナリオ

 次にナスダック一人負けシナリオを考察します。
 今回は今までにない大規模な利上げで、利上げにより一番ダメージを喰らうナスダックが一人負けするパターンです。

S&P500と同レベルのPERに収束すると仮定

 現在ナスダックはS&P500に比べると高PERを維持しています。
 それがナスダック一人負けによりS&P500と同水準まで下落する場合を考えます。

S&P500のPER

参照するサイトによって若干の違いがあるのでどのデータが正確かは正直わからないのですが、現在は20倍程度のようです。

S&P500の暴落局面と同水準でPER17〜18倍

 S&P500の暴落時のPERを見てみると、およそPER18程度まで下落しているようです。
 ナスダック一人負けシナリオだとこの程度を考えておくと良いかもしれません。

リーマン級でPER14〜15倍

 こんなサイトを見つけました

S&P500のPERのチャートです。

 これをみるとリーマンショック後、業績の大幅ダウンによって一時的PERが急上昇(EPSの急低下)した後に業績が先に回復してPERが低くなった2011年ごろ(?)でPER14〜15倍まで低下しているようです。

 さすがにそれ以前の値は世界経済や相場環境が違いすぎるため、参考にはならないでしょう。
 現在の米国の強さがあれば、他国比較から相対的に割安感が出て買いが入ると思います。

下落時の想定PERまとめとQQQとの対応表

 さてシナリオごとのPERが出揃ったので、シナリオとQQQの株価を対応させていきましょう。
 もう一度QQQのチャートです。

PERと価格の対応

  • 近年のナスダックの暴落と同水準
        PER20倍  コロナ前高値$237 下落率16%

  • ナスダック一人負けシナリオ
        PER17〜18倍 2019年の高値$195 下落率32%

  • リーマン級(過去30年で最低)水準
        PER14〜15倍 コロナの安値$165 下落率42%

 流石にこれより下がることはないのではないかと考えます。

どのシナリオが現実的か。PER17倍まではありうる

 さて、ここまででデータの検証はおしまいです。ここからは私の主観です。不要な人はそっ閉じしてください。

 まず、現在の置かれている状況から

  • 近年のナスダックの暴落と同水準
        PER20倍  コロナ前高値$237 下落率16%

 はまではとりあえず下げるのではなないかと思います。

 さらに、金利上昇というのが今回の下落のポイントだと考えると、これまでのナスダックがS&P500をアウトパフォームしていたことに対する訂正が入ると考えられるので

  • ナスダック一人負けシナリオ
        PER17〜18倍 2019年の高値$195 下落率32%

 は十分考えられるシナリオだと思います。

 PERが17倍程度になれば、流石に割安感が出てくるので、買いが入りこれ以上は下げづらくなるのではないかと思います。ですので

  • リーマン級(過去30年で最低)水準
        PER14〜15倍 コロナの安値$165 下落率42%

 まで下落することは、まぁ無いかなぁと考えています。

最後に私の戦略

 最後になりましたが、私の戦略を書いて終わります。

 ここから年末にかけては、株の強い時期なので上昇することも考えられますから、今の水準で少し買います。
 15%程度取れたら利確します。

 次の水準が下落率16%ですので
 -8%、-16%と2回に分けてナンピン買いします。

 その次の水準が下落率32%ですので
 -24%、-32%とさらに2回に分けてナンピン買いします。

 万が一、コロナ安値のPER14倍の下落率42%まで落ちることがあれば、最後に大きく買います。

 ナンピンは良く無いと言いますが、指数のナンピン戦略はかなり使えます。
 今年の2月から今までの下落の中でナンピン買い→利確の流れを既に2回実行し利益を出しています。

 もちろん、下落が小さくナンピンできなかった場合の利益は小さくなりますが、そもそもコアとは別のトレードなのでそれで十分です。

 日本株のナスダックETFを使えば、売買手数料無料で信用取引が使えるので現金余力がなくてもナンピンしていくことが可能です。

 ナンピンする際は資金配分が大切なのでどの価格でどれだけ買うかはシミュレーションしてあらかじめ決めておくことが必要です。

 私はここからもしナスダックが下落していけば、かなり確度高く利益が出せると思っているので楽しみです。

 まぁ他の保有している株で含み損が出るんですけどね(笑)

 参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?