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着物がこころ残り

「置いてきた着物が気になるの。」
何度となく聞く、入居者様の言葉です。
嫁入りに持たせてもらった大切な着物。

若い頃は忙しくて、ハレの日にも着れず、しつけのついたままの着物。
 施設に入った今も、桐のたんすに入っている着物の行方が気になるのです。
 それは残念ですが、たいていご家族がすでに処分してしまっていることも、よく聞く話。

 そうなる前に、世に送り出してあげませんか?タンスの中の着物たち。

 

練習用の小紋の着物をカットして、20枚のふくさをつくりました。
模様の入り方も、サイズも違いますが、いかがでしょうか?

 お年玉や、お祝儀袋、ちょっとしたおこずかいや、手紙を添えても。

 ああ、暗いたんすから飛び出た着物。

 誰かのもとへ、幸せと一緒に旅立っていけたら。

 所有していた私も、なんだか、ほんわかうれしい気持ち。

 洋服は処分できても、なかなか手放せない着物。

 誰かにゴミ袋に入れられてしまう前に、自分ではさみを入れてみては
いかがでしょうか?

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