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【ラノベレビュー 34】 『サンタクロースを殺した。そして、キスをした。』

こんにちは、Kanonです。今回は…

犬君雀先生の『サンタクロースを殺した。そして、キスをした。』の感想記事です。

あらすじ

クリスマスを消すため僕は少女の恋人になる。
聖夜を間近に控え、街も浮き立つ12月初旬。先輩にフラれた僕は、美しく輝く駅前のイルミネーションを眺め、どうしようもない苛立ちと悲しさに震えていた。クリスマスなんて、なくなってしまえばいいのに……。そんな僕の前に突如現れた、高校生らしい一人の少女。

「出来ますよ、クリスマスをなくすこと」

彼女の持つノートは、『望まない願いのみを叶える』ことが出来るらしい。

ノートの力で消すために、クリスマスを好きになる必要がある。
だから――

「私と、疑似的な恋人になってください」

第14回小学館ライトノベル大賞、優秀賞受賞作品。
これは、僕と少女の奇妙な関係から始まる、恋を終わらせるための物語。

『サンタクロースを殺した。そして、キスをした。』 犬君雀 ガガガ文庫
2020年6月23日 発行 より引用

感想

後半の怒涛の伏線回収が気持ちいい

序盤では、"先輩"・"後輩"との関係があえて曖昧に描かれます。

この手の作品はタイトルからも察せるかと思いますが、往々にして終盤にかけて伏線を回収することが多いですよね。

この作品も例に漏れず、ページを半分ほどめくったあたりから急激に物語が展開していき、伏線回収がとても気持ちいいです。

物語の最初から描かれている、主人公の心がどこか充足しない感覚の正体が判明した時は「なるほど〜」となります。

ラストについてはご想像におまかせしますエンドですが…

タイトルにある、「サンタクロースを殺した。」の部分までは作品の中で明確に描かれます。

しかし、「そして、キスをした。」の部分については明確には描かれていません。

そうすることで読後の余韻があって、「きっと…」という期待感を読者に抱かせてくれます。

総評

この作品はクリスマスに読もうと思っていたのですが、そのようにして大正解でした。

もし未読の方がいらっしゃったら、ぜひ幸せそうなカップルが周りにいっぱいいる中でこの本を読むと、臨場感があって作品に没入できると思います。


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