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157夜 TAPESTRY REVISITED ・ TRIBUTE TO CAROLE KING

こういうトリビュート・アルバムが出ていることを最近になって知ったのですが、Spotify で見つからなかったのでCDを購入してみました。

キャロル・キングさんの「TAPESTRY(つづれおり)」は、名盤ですし、個人的にも折に触れ聴き直すほど好きなアルバムです。
トリビュートに参加されているアーティストも好きな人が多くいましたので、けっこう期待して聴いたのですが、これはダメでした。
もちろん、これが好きだという方のことは否定しませんし、アーティストはそれぞれの持ち味を出していると言えるかもしれません。
ただ、ごく個人的には、これはキャロル・キングさんの「TAPESTRY(つづれおり)」とは別の世界観で作られた企画ものだと感じてしまいました。

トリビュートというのは、原曲に対する思いや敬意がなければならないと思うのですが、それがあまり感じられません。
ここで披露されているのは、良い曲を自分の得意な方法で現代的にアレンジした結果、原曲の持っていた空気感を台無しにしてしまった、という残念な音楽でした。
原曲に関心が無く、それぞれの参加アーティストが好きな方にとっては、悪くないのかもしれません。
しかし、私のようにキャロル・キングさんの世界観に染められてしまったリスナーには、この表現は受け入れ難いものでしたし、原曲を超えて新しく生まれ変わったと思われるものもありませんでした。
これはプロデューサーの責任だろうなぁ。。。

あまり良くない感想をこれ以上書くのもアレなので、似たようなトリビュートで、とても気に入っているものを聴き直すことにしました。

ジョニ・ミッチェルさんの名盤「BLUE」のトリビュートです。
原曲に対して現代のアーティストが個性を出して新しい解釈をしているのは同じなのですが、各アーティストがちゃんと曲と向き合っているような感じがして好感が持てますし、出来も良いのです。
早朝や夕暮れ時の散歩でBGMにしたら、はまりました。
こちらは超お勧めです。