見出し画像

Affordable Art Fairで人生初のアート作品を購入してみた

ロンドンのBattersea parkで開催されているAffordable art fairにいってきました!こちらは前回のLondon Art fairよりもお手頃な値段設定でカジュアルな雰囲気のアートフェアです。

Bettersea Power Stationに到着し、気持ちの良いリバーサイドを15分ほど歩いていくとBattersea Parkの入口へつきます。

そこからさらに公園の中に入ると、仮設のイベントブースが設置されていました。

リバーサイドのゆっくりとした時間の流れや公園の自然に癒されてリラックスできて、アートフェアがより楽しみになってきます。
駅からは少し離れているのですが、天気が良いとこの歩いている時間もすごく気持ち良いので、場所も素敵だなと思いました。


そう考えると東京でも上野公園や木場公園の中など、公園の中・近隣にある美術館は多いですよね。自然とアートって相性がいいんだなとふと改めて納得…

中に入るとライブペインティングしたのかな?という作品がお出迎えしてくれました。勢いがありますね

さてさて、展示スペースに入っていくと結構賑わっておりました。私は土曜の13時ごろに入場したのですが夕方になるにつれてどんどん人が増えて通路を歩くのも人をかき分けていく必要が出てきました。
ゆっくり見たければ、午前中目指していくのが良いのかもしれません。

お子さん含め家族連れも多かったです。顔にペインティングをしてくれるブースなどもあり、子どもたちがスパイダーマンなどの絵を書いてもらっていました。
親御さんと一緒に絵を見て、私この絵がすき、これなんだろう?と気軽に話している姿もたくさん見かけ、周りみんながほっこりという場面も。
公園の中でワンちゃんと一緒に来ている方も多かったです。


購入するかも、という気持ちで気になる作品を探してみる

入場口横には、500£以下で購入可能だよという絵もまとまって展示されています。購買意欲が刺激されますね…笑

今回はロンドンぽい風景や、イギリスの画家さんの絵で気にいるものがあれば購入したい…という気持ちで参加していたので、まずは1周しようとざっと見ることにしました。いつもは鑑賞メインなので、よいものがあれば作品を購入するぞ…という観点で展示を見るのは初めてでワクワクしました。

1.From this land 17

最初に目に止まったのは、Lucinda Dalton Galleryさんで展示されていたMelanie Comberさんというロンドンのコンテンポラリー画家さんの”From this land 17”という作品(写真一番上、下の二つも素敵です…)

ざらざらしているのに青みが綺麗な作品に惹かれたのですが、650£とちょっとお値段が予算オーバーだったのとロンドン感があまりないな…という感じもしてちょっと保留に…

調べてみるとFrom this landというのはシリーズ作品のようでした。こちらにもすごくまとまっているので備忘
https://www.galloper-sands.co.uk/pdf/Melanie-Comber-2022-From-this-Land-Catalogue-0922.pdf

結局購入はしなかったのですが、ネットで見ていたところかなり値段も幅広く数千ポンドにもなるような作品もあるようです。
以下のサイトにあったRambler5という作品も気になります。(ちなみに以下のCampden Galleryはコッツウォルズあたりのよう。建物の素敵だけど、めちゃくちゃ行きにくそうです…泣)
今後チャンスがあれば購入も考えたいです。

2.Moon daisies

次に目が止まったのがThe Hunter Galleryさんで展示されていたDaisy Claytonというイギリス人女性のアーティストさんの絵です
Moon daisiesという作品がお花っぽくて(Moon Daisyというのはフランスギクという白い花)、花柄好きの私はビビッときてしまいました。

気になって座り込んで見ていると、ギャラリーのお姉さんが一緒に座り込んで目線を合わせてこのシリーズについて色々解説してくれました。彼女のこの作品群には、絵の具の一部にゴールドが使われておりきらりと光るのが特徴だそうです。
私の中でもこの作品をひとめみたときにきらっとなにかが弾けた、スパークした感覚があって惹かれたので、なんだかなるほどと思ったり。
このシリーズのどの色味も本当に美しく、お姉さんと話が盛り上がりました。私がMoon Daises以外に特に気になったのは、Buttercupsという青色背景に黄色のお花のもの、Wild Flowersという白のお花のものです。

いったんぐるっと会場を一周してから戻ってこようと決めて、(もしそれまでに売れてしまっていたら残念だけどそれもご縁と思い)後ろ髪をひかれつつブースを離れました。

3.Reflections of the Thames

次に目を惹かれたのがForest Galleryさんで展示されていたAndrew Grant kurtisさんの作品。

テムズ川越しのロンドンの風景を描かれており、印象派のようなタッチと雰囲気がめちゃくちゃ好みで一瞬でこれだ、と思いました。目の前で動けず眺めていると、ギャラリーの優しそうなお兄さんがサンセットと夜バージョンどちらが好き?と話しかけてくれました。どちらもものすごく素敵なのですが、サンセットが特に惹かれる旨をお伝えして、印象派の絵ぽくてすごく好みだと話すと作者さんがイギリス人の画家でクラッシックな技法を学んでいるから、と説明してくれました。部屋に置くと夕陽の光のタッチが部屋の光を集めてくれるのでいい感じにになるよ、とも言われて本気度が高まります笑
第一候補!と思いつつ、お値段もそこそこするのでちょっとぐるっと会場をすることにしました。

実際に購入へ

会場をぐるぐるとしましたが、やはりAndrew Grant kurtisさんの作品が頭から離れません。ゆっくりと会場を見たい気持ちはありつつも、売れちゃったらどうしよう…という不安から、そわそわしてあれ以上にあまりピンとくる作品がないのです。ざーーーーっと会場を1周したあと後、やはり!と思い、Forest Galleryさんに戻りました。

先ほど接客してくれたお兄さんは電話中だったので、別の女性スタッフさんに作品を購入したいんだけど…と話しかけてみました。
1点気になっていたのが、フレームです。かなりゴージャスなフレームなので、自分の住んでいるフラットに合うか不安なのだけどフレームを変えたり、外したりすることはできるかな?と相談してみました。担当してくれたお姉さんによるとリフレーミングは可能だが、追加費用がかかるとのこと。フレームを外すこともできるが作品がキャンバスに描かれており、破れてもいけないので一旦家に持ち帰り、このままのフレームで飾ってみて、どうしても違和感あるようであれば後日ギャラーに連絡をくれたら、リフレーミングができるからそちらでどうかという提案をしていただきました。お姉さんもあなたの気持ちはわかるし、結構みんなよく相談することなんだよね、ただ家に飾ってみると案外良い感じになることもあるんだよ〜、と説明してくれて、そういうものなのか…ふむふむとなりました。そしてなんと、リフレーミングするとなるとまた追加でお金かかるし…ということで少しお値引きもしてくれました(びっくり!話してみるものですね笑)

お支払いを終えて作品を受け取る時には笑顔でCongratulation!といってもらえて、初のアート作品購入がとっても幸せな経験になりました。
ものすごく嬉しかったです。
作品を軽く梱包してもらい、本格的な梱包については専用のコーナーを案内されてそちらで手慣れたお兄さん方が梱包して持ち運びやすいようにしてくれました。
袋に微妙に入らなかったので、横に袋をくっつけて手持ちできるようにするというナイスなアイディア!

一度こんな素敵な経験をしてしまうと、先ほどのMoon daisiesもやはり気になってきてしまいます。
ただし2作品を購入するとなると予算オーバー…いったん落ち着こうとカフェでコーヒーブレイクをすることにしました。
(パンオショコラがおいしかった…)

色々考えはしたのですが、やはり日本ではなかなかできない経験でReflections of the Thamesとはまた全然違った雰囲気の絵だから、よいんではないだろうかということで、Moon daisiesも購入を決意しました。
作品解説の文章を写真とっていたものをカフェで改めて読んでいたのですがそこに書かれていた、作者さんのバックグラウンドがpsychology(心理学)で、彼女の絵は見る人の心に感情をどう呼び起こさせるかを意識して描かれているというのがさらに興味をそそられましたし、葉に金色の絵の具を使用するのも、深みを感じさせたり、見る人の記憶・感情を呼び起こさせようという作者の意図があり、自分もまさにそう感じたので感動したというのが決め手でした。

ブースに戻り3つの中からやはり最初に見て印象的だったMoon daisiesを購入手続きをしていると、すぐ後に、となりで同じくフレーミングされて置かれていたWild Flowersも優しそうなカップルのもとにお嫁入りしていました。なんか姉妹が別のところにもらわれていくんだなぁと感慨深かったです。

ひと段落して他の作品もゆっくり見る

気になっていた作品を一通り購入できたので、また目線を変えてゆっくり他の作品を見たい欲がむくむくとわきあがってきました。
よくよく見てみると、いろんな国のギャラリーが来ていたりしてとってもインターナショナル。スペイン語や他のヨーロッパの国言葉もちらほら聞こえてきます。

バンクシー作品のパロディ?左下のお馬さん、ピカソのぽいなぁとか思ったり笑

このNigel Woodさんの木の絵、スンって感じの存在感がすごく素敵でした。みんな立ち止まってた。

ロンドンの風景をおしゃれなタッチで描かれたSimon Wrightさんの作品も素敵でした

Kym Haversonさんの山のシリーズも気になりました。お値段がかなりしたのでなかなか手は出ないですが、金箔が頂上に貼られており、陽の光で山がきらりとする瞬間を捉えたみたい、とこんな表現方法を思いつく感性に感動しました。

最初に通った時から温かい雰囲気の絵でほっこりとした感情が湧き起こるようなMassimo Danielisさんの絵。こちらのブースでは優しそうなおじいちゃんが定期的に絵を掛け替えており、たびたび通りかかるとあれ、さっきと違う絵がかかってる〜!と嬉しくなりました。素敵な絵だから、いろんな人に見て欲しいのかなとなんだか温かい気分になりました。特に黒背景の絵が印象に残っていて、黒なのに優しい雰囲気がする絵って不思議だな、すごいなと…

このあたりはロンドンアートフェアでも見た作品のような気がしました。名言っぽいものがおおく、なるほどとおもったり、ふっと笑ってしまうものもあり、みんな立ち止まって写真を撮ったり、書かれている言葉について話している人もいました。

黒の背景に山が白色で描かれている作品。
そろそろ帰ろうかな、と思ったら梱包スペースでこのシリーズの絵を持っているお姉さんがいて思わずどこで購入したのかと聞くと、お客さんではなくギャラリーの方だったらしく、同シリーズの絵を見せて色々説明してくれました。購入には至りませんでしたが、素敵だったので備忘…

International Women’s Dayの展示

会期中である3/11はInternational Women’s Dayなので、女性アーティストをとりあげた展示ブースもありました。Shiomi Nanaさんという日本人女性作家さんがヴァージニア・ウルフというイギリス人女性作家の「自分だけの部屋」(創作において成功を求めるのであれば、経済的な独立と自分だけの創作に没頭できる部屋を持ちなさいという内容)というエッセイに影響を受けて作成した作品も展示されていました。

余談ですが、このヴァージニア・ウルフさん、以前エノーラホームズの事件簿2が出た時に、イギリスでの女性の権利向上とかの話を調べてた時に出てきてなるほど〜!と思っていたので繋がって嬉しかったです。
少し前にも、国境を超えて女性たちが繋がっていた、影響を受けていたということに少し感動。

アートを所有するということ

Own art というキャッチフレーズが会場では何度か見かけたし、あなたのお家にぴったりな絵を選ぶお手伝いをしますよ〜というコンサルティングサービスも提供されていました。
私が訪れた会期中最後の土曜の午後、体感としてはお客さんの3割〜4割弱の人が何かしらの作品を購入している印象を受けました。やはりお手頃な価格ということで、お家のインテリアとして購入する人が多いようで、両手を目一杯広げないと持てないような大きな絵を購入している方も数人見かけました。

実際に自分がアートを所有してみると、何度も絵を見つめられる、その度に新しい発見と感情が湧き上がってくることの喜びを感じます。

購入した2つの作品をお迎え

購入した当日は歩き回ったこともあり、本当にバタンキューでアンパッキングをする余力がなかったので、翌日お迎えの儀をとり行いました。
実際、お家に飾るとどんなふうなんだろう?浮いたりしないかな?という不安もあったのですが、Reflections of the Thamesについてもフレームが浮くという感覚はなく、お部屋にフィットしてくれています。

Reflections of the Thamesは、主役感もあり、部屋の光を集めてくれるのでいったんリビングに飾ってみることにしました。改めて彼の作品群を見ていると、夕日の光の入り方がちょっとターナーさん感もあるのかもしれません。重ねられた一つ一つの色を間近でみるとその度に発見があったり、新たな感情が湧き上がったり。キッチンから遠目に見ると、また印象も変わります。赤や黄色で表現されることが多いサンセットを紫色ベースで描いているのも珍しく、何度見ても飽きません。

Moon daisiesは、遠目から見るとお花感があったり、背景の水色から紫色?のグラデーションが美しいのですが、近くで見ると一つ一つのタッチに魅せられる感覚もありなんとも不思議な感覚がする絵です。手にとってじっくり眺めていると、金色の絵の具をはじめとして色とりどりの絵の具が、私の感情にもポン、キランと色味をつけるような感覚を味わえます。光の当たり方によっても金色の絵の具が目だったり、目立たず全体に目がいったりといろんな顔を持つ絵だなと。

これからも時間帯や季節による部屋への光の入り方、絵を置く場所や私自身の人生のフェーズの変化でこの二つの絵たちがどんな表情を見せてくれるのか、感情を湧き起こしてくれるのかすごく楽しみです。有名な名画を購入できるというわけではないけれど、折りを見て好きな絵を購入するということを人生の中で細々と続けていけたらいいなと思います。

ちなみに、今後ちらっとやってみたいこととして、Moon daisiesの作者さんがインスタを結構な頻度で更新されているようだったので、あなたの作品購入したよ、素敵な作品で癒されているよありがとうとインスタでDM送ってみようと思っています…

私にとってはちょっとお高めのお買い物だったこともあり、興奮してめちゃくちゃ長々と書いてしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?