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娘のお買い物

この間、成人式を迎えた娘がまだ、小さかった頃のお話。
毎日のようにお散歩がてらスーパーで買い物をしていた。
寂しいことに、最近では一緒に買い物に行くことがめっきり減ってしまった。まぁ、それはさておき…

私のお買い物は、買う物が決まっていてあまり重たくならないようにチャッチャと終わらせたい。
逆に娘はアレやコレやと悩んで時間をかけるタイプ。
これで少々イライラしてしまうこともしばしば…

その娘が3〜4歳の頃だっただろうか。
とにかく可愛い可愛い時期の頃。
スーパーへお買い物に行くと、すぐにお菓子のコーナーへ走って向かう娘。常連客なのでどこに何があるというのも分かっている。
「お菓子は一つまでよ」と声をかけるも聞いているかは定かでない。
私は、野菜売り場から順番に見ていき、鮮魚精肉を通ってからお菓子の売り場まで来る。
陳列棚の前でちっちゃく膝を抱えてじーーーっとお菓子をどれにしようか選んでいる娘の姿は、可愛らしかった。
小さい背中が丸まって膝を抱えているあの姿。
なんとも愛くるしい姿だった。
さっさと帰りたい私もこの時ばかりは、その姿を後ろからじーーーっと見て待っている時間が好きだった。

ようやく決めたお菓子をカートに入れてレジに向かう。
私の横にぴたっとくっつきながらも、目線はお菓子に釘付け。
名残惜しそうに後ろ髪を引かれながら、お菓子の陳列棚を横目に歩く。
レジに向かっている途中でも、顔だけ後ろを振り返りまだ見ていたい様子。
「また明日来るから、お菓子一つ買おうね」
と言うと娘はニヤッとした顔で
「あしたはアンパンマンのをかう〜」
もう明日買うお菓子を選んでいた。

とは言うものの、明日も膝を抱えてじーーーっとお菓子を選ぶのだろうと思うと微笑ましくなった。

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