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#29 ヨーガの生き方

ナマステー。

ヨーガの生き方(カルマヨーガ)とは、ダルマ(宇宙の秩序との調和)を最優先に選ぶ生き方です。

この宇宙は既知と未知の法則・秩序に満ちており、一切の支離滅裂はありません。

どれほどの権力者であっても重力の法則からは逃れられず、高いところから落ちれば怪我をするように、生きとし生けるもの全てに法則は完全に平等に働いています。

ダルマは、良心・善悪のセンスとして私たち一人ひとりにも生まれつき備わっています。

すべきでないことをしたり、すべきことをしなかったり、ダルマに反した行いをすれば、後悔・罪悪感という形で現れ、自分が自分に居心地悪くなります。

すべきでない方法によって、一時的な快楽を得たり、周りから称賛されたとしても、自分が自分を卑怯者だと感じていれば、自己尊厳・肯定感を持つことはできず、「自分は取るに足らない、つまらない存在だ」という自己評価に苛まれます。

良心に反しない生き方、ダルマとの調和なしに幸せに生きることはできません。

100%のダルマという選択は実際には難しく、ベストではなくベターであっても、その時の自分の知識と能力の及ぶ範囲での最善を選ぶことがダルマを選ぶことです。

自分にはどちらがダルマかわからない状況では、日々ダルマを生きている先生や先輩など、お手本になるような人に相談することで、正しい選択ができる可能性が高くなります。

どちらがより思いやりのある行いだろう
こんな時、◯◯さん(尊敬できる人)ならどのように振る舞うだろう
自分の良心に反しない選択はどちらだろう

こうした基準で選択をすることは、「言いたくないけど伝えた方がよい」「したくないけどすべき」といった葛藤や、時に相手との一時的な感情の気まずさなどもあり、勇気のいることかもしれません。

けれど、個人的な好き嫌いを超えて、自分がすべきこと、全体にとってよいと思えることを選べた自分には、「これでよかったのだ」という満足感・自己肯定感があります。

ダルマが最優先の選択基準になると、「望んだ結果が叶ったかどうか」はそれほど大切ではなくなってきます。

叶えばもちろん嬉しいし、叶わなくても自分はすべきことをしたという充実感があるので、満足か大満足、成功か大成功しかなくなっていきます。

ダルマとの調和の心地よさ、喜び、安心を知るほど、自然とダルマを選びたくなり、すべきことがしたいことに、すべきでないことはしたいとも思わないことになっていきます。

ヴェーダの教えでは、「それが人生の成功の意味です」と言われます。

掃除をする前は面倒くさいと思っていても、掃除をした後に「しなければよかった」と後悔することはないと思います。

好き嫌いを超えて、ご機嫌に、すべきことがまさに自分のしたいことと思えるようになることが人生の成功の意味で、家庭や社会での役割を通してそのことを練習するのがヨーガの生き方です。

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ओम् ईश्वराय नमः

私が優しさ、丁寧さ、思いやりを選べますように

愛のある選択、傷つけない選択ができますように

ダルマを選ぶための謙虚さ、賢さ、落ち着き、朗らかさ、勇気、感謝を持てますように

与える手として、受け取れる手として

正しい時に正しい場所に運ばれるための足として

愛のある真実の言葉として

素直に聞き入れられる耳として

イーシュワラが私に現れますように

ओम् शान्तिः शान्तिः शान्तिः

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