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創作の原点になったかもしれない一冊


初めて読んだのはおそらく、小学校の3・4年生の頃だったと思う。
それは少し不思議で、それでいて幻想的な話が連なる短編集で。
その中の物語のひとつに、当時の私はとても魅了されてしまったのでした。
すごく気に入って、図書室から何度も借りて来て読んだ。

「ミドリノハリ」

あらすじは簡単にはこんな話。

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松の林の近くに住む男の子の所に、ある日ミドリノハリと名乗る男がやって来て、少しの間、松林に隠れさせて欲しいと頼んでくる。
男の子はミドリノハリを匿うのだが、やって来た彼の追っ手に家の中を捜索され、めちゃくちゃに荒らされてしまう。
家を荒らされ、途方に暮れた男の子と家族の元にミドリノハリが来て、匿ってくれたお礼をするという。彼は裁縫師だった。それはとびきりの腕前の。彼は破かれたカーテンや絨毯を繕っていく。その腕前は素晴らしく彼が縫えば、そこにみずみずしい花々や生き生きとした鳥や虫たちが生まれ、荒れた家はとても素敵に生まれ変わり、男の子は家族と幸せに暮らした。

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ミドリノハリの手から鮮やかに生み出されていく花々や植物、鳥や虫たちの刺繍を想像して、当時の私はうっとりした。
同時にこんな風に人の心を動かすようなものを生み出せる人になりたい!と強く思ったのだった。

大人になって話の大部分は忘れても、ミドリノハリが家の中を縫っていくシーンはずっと頭の片隅にあって、絵を描いたりといった制作をする時には自分もそういう風に創作したい、そう思っている。(最近あまりやらなくなってしまっているけど・・)

最近、ふと思い出してAmazonで探したら本を見つけたので購入しました。
30年以上も前!!に出版された本でしたが、やっぱり色褪せない、変わらず魅力的でした。

ちなみに短編集のタイトルにもなっている「魔法使いのチョコレート・ケーキ」の話も面白いですよ。

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