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幣もとりあへずな酒好きOLの2泊3日奈良一人旅〜1日目〜

はじめに 目的地を決めよう

働き方改革が叫ばれて久しいこの頃、私の会社でも飛び石連休では中日の有給取得が奨励されることがあります。11月の勤労感謝の日に挟まれた月曜日がまさにそうで、めでたく4連休に。よくつるんでいる友人たちは有給取得が難しいとのことだけれど、久しぶりの非緊急事態宣言下での祝日、せっかくならば一人でも少し遠出したい。海外はまだ行けないので、国内で紅葉狩りでもしようと思い立ちました。行き先を考えているときに、ふと思い浮かんだのが百人一首のこの句。

このたびは幣もとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに

そうだ、手向山、行こう。…で、手向山ってどこにあるんだ?
調べてみたら奈良県でした。修学旅行でしか訪れたことのない奈良県をGoogleマップで見ていると、ちはやふるの句で有名な竜田川も発見(なんとなく京都の川だと思いこんでいた)したので、今回は手向山と竜田川をメインの目的地に決定。とりあえず手向山八幡宮の近い近鉄奈良駅、竜田公園の近い王寺駅に宿を予約して、あとはノリと勢いで決めた旅程だったものの、結果楽しい旅になったので記録してみようと思います。紅葉シーズンも終わった今、誰の参考にもならないだろというツッコミはさておき。

大まかな行程はこんな感じ。
9:00 東京発
11:30 京都着
13:00 長谷寺着
17:00 チェックイン
17:30 夕飯
19:00 夜のお寺散策

京都を経て奈良へ

いきなり上で決めた目的地から外れますが、インスタきっかけで知った長谷寺を経由して奈良の中心に行くことに決めました。一番の懸念であった休日早起きチャレンジにも無事成功し、すっかり行楽ムードの東京駅でコーヒーとパンを買って新幹線へ。綺麗に陳列された缶ビールが視界に入って少し揺らいだけれど、さすがに朝だし長谷寺は結構歩きそうだし、ということで遠慮しました。えらい。それにしてもいくつになっても新幹線ってワクワクしますね。

京都駅から近鉄京都線で大和八木駅、そこから近鉄大阪線に乗り換えて長谷寺駅へ。約1時間半の道のりということで、特急券が必要(=絶対座席に座る)だった近鉄京都線の車内では駅構内で買った柿の葉寿司を食べました。恥ずかしながら、今まで「葉っぱに巻かれたお酢強めのお寿司」と認識していた食べ物に柿の葉寿司という正式な名前があることを今回初めて知りました。一般常識が欠如している。秋限定の秋刀魚が特に美味しかったです。ここでもビールを我慢してえらい。

長谷寺参り

長谷寺駅から長谷寺までは20分ほど歩きます。草餅が有名らしく至る所で売られているのですが、私の目を引いたのはこの子。

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看板には赤飯饅頭とあります。そのままのネーミング。大のおこわ好き、かつ食べたことのない食べ物は試してみたい派の私としてはスルーできませんでした。
冷めないうちにその辺のベンチに座っていただくと、一体感というよりも饅頭とお赤飯、という感じでしたが、ふわもち食感に甘じょっぱい味で美味しかったです。関東育ちの私は初めましてでしたが、調べたら長野や京都ではそれなりに市民権を得ているお菓子のようです。この時の私はまだ知りませんが、この後結構歩くことになるのでボリュームたっぷりなおやつを食べておいたのは賢明でした。

さて本題長谷寺です。紅葉シーズンの日曜昼過ぎなので拝観券購入には多少並んだものの、人が多くて歩きにくい、というほどではありません。
本堂に行くまでに、登廊(のぼりろう)を上がっていきます。登廊があるお寺に来たのが初めてだったので、風情があっていいなと思いました。結構な距離を歩くので、本堂に着く頃には少し汗ばむほど。だからこそ、本堂からの景色の良さといったら!平地にあるお寺も参拝しやすくていいですが、個人的には少し小高いところにあるお寺が好きです。残念ながら快晴ではありませんでしたが、それでも綺麗な紅葉を堪能できて大満足。

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御朱印は通常版と秋季限定版の2種類をいただきました。全体的に限定モノに弱いので、期間限定公開されていた本尊の大観音もしっかりお参りしてきましたよ。これまで馴染みのある寺社仏閣は比較的こじんまりしたものが多かったので、「大観音」の名に恥じないスケールの大きさにびっくり。なお拝観する場所の天井がかなり低いので、背の高い方は頭上注意です。

上の写真には映っていませんが、舞台からも見えた五重塔の近くの紅葉の木がとても綺麗に紅葉していました。

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一通り敷地内を回って、場所の確認も兼ねて入山時にもらったパンフレットをよく読むと、なんと「人はいさこころも知らずふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける」の句は、ここ長谷寺が舞台なのだそう。まったく知らずに選んだ目的地でしたが、偶然百人一首で繋がった旅程になっていた訳です。紀貫之もこの登廊を登ったのかなとか、当時の参道はどんな風だったのかなとか、考えるとちょっとワクワクしてしまいます。

同じエリア内にある同じく紅葉の名所、談山神社もリサーチはしていたのですが、既に時間は15時半。帰りのバスがなくなる懸念、これまで2泊分の荷物を背負って歩いていた疲労もあって、大人しく宿へ向かうことにしました。

夜ご飯・夜のお寺散策

宿が奈良駅と京終(きょうばて)駅の間くらいに位置していたので、名前の珍しい京終駅から歩いてみることにしました。京終に限らず、関西は難読駅名が多く路線図を見ていて飽きなかったです。帯解(おびとけ)、巻向(まきむく)、放出(はなてん)などなど。きっと音が先にあって、後から漢字を当てたのでしょうね。

今回は移動が新幹線なので、宿はリーズナブルにはる家 ならまちのドミトリーに。なんと一泊2100円!リュックを置いたら夜ご飯を求め街へ繰り出します。事前に一人でも入りやすいとリサーチ済みだったお好み焼き屋さん「おかる」で生ビールとモダン焼きをいただきました。新幹線で我慢した甲斐あって、生ビールがうまいのなんの。そして初めて食べたモダン焼き、とーってもおいしかった!特にカリカリになったそばと、真ん中の卵が最高。店員さんが焼いてくださるのですが、マヨネーズ苦手民なのでソースとマヨネーズをかける前に確認してくださるのがありがたかったです。ドンピシャ御飯時だったので少し並びましたが、待った甲斐がありました。

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お腹も満たされたところで、やってみたかった夜のお寺めぐりへ。事前に興福寺の五重塔、浮世堂は夜間ライトアップがされていることをリサーチ済みだったので、商店街を抜けて奈良公園エリアへ。

え、暗い。想像の3倍暗いし、思ってた5倍人がいない。興福寺の方はまだジョギングをしている人などもいて安心して見られたのですが、その後鳥居を抜けて浮世堂まで行く道が本当に真っ暗で、周りに人もおらずお化け屋敷が無理な私にはかなりドキドキでした。どんぐりが落っこちる音や鹿が動く音(翌日明るい時間に行ってこんなにたくさんいたのねあなたたち!?と驚くことになる)にいちいち肝を冷やしながらなんとか浮世堂へ。周りが暗い分、池の上に浮かぶ姿はなんとも幻想的。 ビビりながら足を進めた甲斐があったというものです。

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特に一人で夜に行かれる際はくれぐれも周りに気をつけて!

おまけ・バーと銭湯

酒飲みなので宿の近くに気軽なバー的な場所があることも事前にリサーチしていて、浮世堂の帰りにルンルンで訪れたのですが、一人で行く感じのバーではなく、グループでわいわい楽しむ感じのお店で、あまりの場違い感にバイスサワー一杯で退散、大人しく宿に戻りました。

宿のドミトリー共通のシャワーもあるのですが、せっかくなので近所の花園新温泉という銭湯に行くことに。歩いて10分程度の距離に銭湯があるっていいですよね。で、ここの銭湯がすごかった。オシャレな昭和レトロ風♡じゃないんです。昭和39年創業、生活に根付いたレトロ。造りや内装がドラマに出てくるような銭湯(リアル「でっけぇ風呂場で待ってます」の鵬の湯じゃん、と思った)で、周りのお客さんもいかにも常連さんな感じ。現代っ子の私としてちょっとしたタイムスリップ気分でした。

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共同で使う備品に黒いマジックで使い方が直接書かれている様が、昔のおばあちゃんの家を彷彿とさせてほっこり。おばあちゃんって黒マッキー好きですよね。

お風呂から出てもまだ21時ですが、街はすっかりおやすみモード。まっすぐ宿に戻り、布団の中で明日のプランを考えてさっさと寝ました。果たして寝落ち以外で0時前に寝たのは何年ぶりか…

1日目はざっとこんな感じでした。果たして2日目、3日目まで書ききることはできるのか!?乞うご期待!!


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