鮫島卓 Taku Sameshima
観光学者の独自視点で世界を旅した紀行文。「世界をB面から歩けば、世界はもっと魅力にあふれている」をテーマにしたちょっぴり知的な旅のエッセイです。通勤中に、休憩時間に、ちょっとした空き時間でも読めるように、1記事1分もあれば読める長さです。(番外編だけはちょっぴり長めです)絶景、グルメ、買い物など自分の欲求を満たす旅だけではなく、ちょっとだけ世界のことを考えてみる、ちょっとだけ自分をふりかえる、そんな旅のエッセイです。旅って、意外といいな。旅って、意外と深いな。そう思ってもらえるとうれしいです。
『世界のB面を歩く~観光学的旅行ガイド』へようこそ!観光学者の鮫島です。「世界のB面を歩けば、世界はもっと魅力にあふれている」をテーマにしたちょっぴり知的な旅のエッセイです。 通勤中に、休憩時間に、ちょっとした空き時間でも読めるように、1記事1分もあれば読める長さです。(番外編だけはちょっぴり長めです) 絶景、グルメ、買い物など自分の欲求を満たす旅だけではなく、ちょっとだけ世界のことを考えてみる、ちょっとだけ自分をふりかえる、そんな旅のエッセイです。 旅って、意外といい
『観光マーケティング入門』第4章 ポジショニング―選ばれる「強み」と「差別化」― 1.ポジショニングと差別化(1)ポジショニングの定義と戦略 市場調査が終わり、ターゲットのニーズの特徴がつかめたら、次に行うのがポジショニングである。ビジネスは基本的にはどんな事業でも競争相手がいる。自社商品の強みや独自性を顧客に認めてもらうことで、競合製品に対して優位に立つ必要がある。ポジショニングとは、ターゲット顧客の頭の中に、競争環境において自社商品の独自の地位を考えて、差別化を図るため
『観光マーケティング入門』第2章 観光のニーズとウォンツ―なぜ人は旅行をしようと思うのか― 1.ニーズとウォンツ(1)人間の購買行動の背景 観光マーケティングとは、観光産業や観光地がマーケティング活動を効果的に実施するための法則や理論を体系化したものであり、その定義は、観光者に価値を提供し、観光者に顧客満足を与えながらお金をはらってもらう仕組みのことである。観光者に価値を提供して満足を与えるには、観光者が何を求めているかを理解するのが出発点である。人は、なぜ旅をしようと思
『観光マーケティング入門』 第1章 観光マーケティングとは何か ―ディズニーリゾートの取組みから― 1.観光産業の定義と範囲 観光産業とは何か。実はこれを理解するのは簡単ではない。というのも、日本政府が統計上利用している「日本標準産業分類」に観光産業はないからである。具体的には、①宿泊業、②交通運輸業、③お土産・道の駅など小売業、④ガイド業・エンタテイメント業、⑤施設・テーマパーク、⑥旅行業、⑦ガイドブック出版・観光メディアなどである。しかし、これらの事業は、「日本標準産業
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第21回はマカオ。 マカオは、いまやラスベガスを超えるカジノの街。煌びやかなネオンが眩しい。30を超える奇抜な統合型リゾートがひしめく眠らない街だ。 年間3000万人の観光客のうち6割が中国本土から。急速に中国化が進んでいる。 日本との関係にも長い歴史がある。マカオを植民地化したポルトガル人は、キリスト教、鉄砲、パンなど多くのことを日本に伝えた。
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第21回はベトナム。 「ピッピー!」 カフェの店主の吹く笛が鳴り響く。線路で思い思いに楽しんでいた旅人や売り子らが線路側に下がり、一斉に旅人がカメラを向け、異様な興奮に包まれた。
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第20回はミャンマー。 7年前、私はバガンにいた。今でも住民が仏塔に供え物を絶やさない生きる遺跡。
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第19回はブータン。 8月だというのに、標高2300メートルの首都の早朝は、キリッとしい。 天を貫く白い仏塔は、メモリアル・チョルテンと呼ばれる。首都ティンプーのシンボルだ。 多くの人が、お経を唱えながら仏塔をぐるぐる回っている。チベット仏教国であるブータンでは日常の風景だ。
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第18回はカタール。 立っているだけで汗が噴き出す。夏のドーハは気温40度、湿度70%を超える灼熱世界。 そんな砂漠地帯にも関わらず、世界最大の天然ガスのおかげで一変。街は超近代的ビルの摩天楼がそびえ、建設ラッシュが続く。 そんな沸騰する近未来都市にも、昔ながらの風景が残るスーク(市場)がある。
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第17回はパレスチナ。 刑務所を思わせる威圧的な有刺鉄線のある壁と監視塔。 パレスチナのヨルダン川西岸地区を覆う高さ8メートルの壁は、分離壁と呼ばれる。壁の長さは450キロもあり、万里の長城には及ばないが、ベルリンの壁の3倍にもなると言われる。
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第16回はケニア・タンザニア。 沈む夕陽が巨大な山塊を赤く染めていく。山頂の氷河がひときわサファイアのように輝いている。 徐々に自分と自然の境界線が消え、自分も風景の一部となって溶け込んでいく。不思議だが、音がよく聞こえ、いっそう色が鮮やかに感じられる。
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第15回はケニア・タンザニア。 ケニアとタンザニアの国境のサバンナで、一頭のキリンと目が合った。 風が止み、緊張が張り詰める。敵か味方か、じっと推し量っているのがわかる。不思議な感覚だが、自分にも野生の勘が戻ったようだ。
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第14回はヨルダン。 夏の盛りで気温は40度を超え、歩くだけで汗がほとばしる。 砂漠の大地に潜むシークと呼ばれるうねった峡谷の道を歩くこと30分。 念願のペトラ最大の岩壁遺跡「エル・ハズネ」が現れた。
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第13回はタタールスタン。 ロシア連邦にはロシア人以外の民族が多数派を占める22の共和国が存在する。 そのひとつタタールスタンを訪れた。日本では情報がない。 モスクワ旅行中に偶然知ったのがきっかけだ。ロシアにありながらトルコ系タタール人のムスリム国家ということに興味が沸いた。
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第12回はロシア。 サンクトペテルブルグの地下鉄に乗るには、コイン型の乗車券を買い、それを改札で通す。なんだか遊園地に来たような気分だ。 地中深く潜り込む長いエスカレーター。いったいどこに連れて行かれるのだろう。ギシギシ音を立てながら猛烈な速度で進んでいるが、全く終点が見えない。
観光学者の独自視点で迫る短編紀行文。シリーズで巡る世界一周。世界各地のオリジナル写真も掲載し、世界を学ぶ旅をお届けします。第11回はドイツ。 小川のせせらぎと小鳥のさえずりが実に心地よい。 川岸の草花を揺らすそよ風が心を軽くする。 歩く人々もゆっくり。ときに立ち止まり、自由でスローな時間が流れる。目を閉じて身を委ねると、感覚が研ぎ澄まされていくのがわかる。