-男性を求める性(サガ)-
noteには、自分の過去の恋愛遍歴を赤裸々に書いている。
その内容は、私にとってはただの黒歴史でしかない。
それでもまた、新しい出会いを求めてしまう。
私だって、友人のように恋愛してハジメテの相手と結婚して家を建てて子育てに一生懸命になりたい。
そう思い出したのは30を超えた辺りから。
それまでは結婚願望なんてなかったし、sexなんて減るもんぢゃないと思ってた。
でも、最近になってようやくわかった気がする。
自分を大切にしていない人を、他人(ひと)が大切にしてくれるわけがないということを。
ある日のバスの中で、3人の女子高生の内1人が他の2人に話していたのが聞こえた。
「私、マジでエンコーしようかと思ってるんだよね」
「エンコー?」
「おじさんたちとヤってお金もらうやつ」
「えっ?マジやめた方がいい!」
「そうだよ、絶対やめなよ」
「でもさ、父親から言われたんだよね」
「なんて?」
「そんなにお金ほしいならエンコーでもしろって」
「えっ・・・?」
「・・・」
私の降りる停留所に着いてしまい、その後の会話もエンコウ発言をする彼女の行く末も知る術はない。
ただこの田舎で、学校の制服を規定通りに着用している黒髪二つ結びの垢抜けない少女が、公衆の面前で友達にエンコウ相談をするというこの日本という国の未来を憂慮する。
そして、娘に対してお金を得るための手段としてエンコウを勧める父親の下衆っぷりに呆れる。
そんな父親なんて死ねばいいのに。
エンコウをほのめかす彼女はきっと、本気でエンコウを考えているのだと思う。
その日一緒にいた友人たちはちゃんと止めてくれたけど、付き合う友達や生活環境が変われば彼女はすぐに染まるだろう。
そしてきっと男性を見下す反面、男性の優しさを求めて足を開いていくのだ。
それが多分、男性の愛情を10代までに注がれなかった女の性(さが)だと思う。
私は、生まれながらにして父親が嫌いだった。
父親を嫌悪する母親の感情をもろに受け取っていたからかもしれない。
父親に抱かれると途端に泣き出す赤ん坊の私。
幼稚園に入ると、お姫様の絵ばかりを描いていた。
大人になったらパパのお嫁さんになる!なんて微塵も思ったことはない。
まったく私の思い出にはいない父親の記憶は、私が中学生の頃にだけある。
会社をいつの間にか辞めて家にずっといる父親は、昼夜働き続ける母親を経済的にも精神的にも身体的にも傷つけていた。
父親を殺すなら少年法に守られる今しかないと、妹と殺人計画を立てる日々。
「女が大学に行くなんて贅沢だ。新聞配達でもして家計を助けろ」と働いてもいない父親が言う。
今ですら父親の死を本気で望んでやまない。
そんな劣悪な環境下でも私達姉妹はグレることもなく、それぞれ奨学金で大学も卒業することができた。
だが大学生となり、一世一代の恋と思っていた彼との恋愛を終えて、私はタガが外れてしまった。
決してsexに対して奔放ってわけではないけれど、常に男性からの愛情を求めている。
求められることで自分の存在意義を認める。
妹はなんて要領がいいのだろうと思う。
あれだけ憎んでいた父親に、アラフォーとなったいまでも毎年誕生日にお小遣いをもらう。
私には連絡すらよこさない。
私も結婚相手を父親に会わすことなく離婚してしまった。
私が離婚したことを知っているかもわからない。
父方の祖父も妹のことが大好きだった。
お小遣いはいつも絶対に妹にだけ渡す。
妹は伯父からお金を借りて留学まで果たした。
身内の男性に愛されずに育った私は、大人になって男性を求めているのだろうと思う。
私の潜在意識に眠る「私も男性に愛されたい」という痛烈な叫び。
自分を愛することから始めよう。
バツイチ、アラフォー、私に幸あれ。
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