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-衝動-
人間は理性的な動物である。
先々のこと、相手のこと、色々計算をして行動をすることができる。
しかし時に、内からの欲求を抑えることができずに行動を起こすことがある。
それは非日常的なことであり、非日常であるべきだ。
冷静になった時に、やらかした感は否めない。
飲食中にエロの衝動を抑えきれなかったことがある。
ホテルに行く間も惜しんで、いや、会計を待つとか、帰る身支度をするとか、行為に至るまでの全てが、その時の私達にとっては無駄な時間であり無駄なことでしかなかった。
キャパは広く、賑やかなレストランだった。
男性と女性が共用だったため、トイレで私達はヤッたのだ。
そしてコトの後には、二人で何事もなかったかのように席に戻り、笑い合った。
今ではどこで知り合ったかも、名前さえも覚えていない彼に対し、猛烈なまでのセックスアピールを感じたわけでもなかったと思うのだが、その時の私は、止めようがなかった。
あれは一体なんだったんだろう…。
説明のつかない感情で繋がった彼と、その後どうしたかも覚えていないが、彼の存在を忘れた頃に「元気?」と名前の表示されないメールを送ってきているのは、きっと彼なんだろうと思う。
あの野生的な夜をもう一度、とでも考えているのだろうか。
私は別に、そういう場所でセックスをすることに興奮を覚えるわけではない。
願わくばベッドで、優しく愛でていただけるだろうか。
私に幸あれ。
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