【スノーピーク騒動で思うこと】「ファンを裏切るぐらいなら会社をつぶすほうを選ぶ」と山井太さんは言っていたが・・

アウトドアブームの終焉が加速?


「まさかそんなことが・・」

一報を知って思ったことはそれです。

昨日すごい勢いでブログ訪問者数が増えたのでいったい原因は何かを調べたらこのニュースでした。

騒動内容そのものに関しての私見は控えます。事実を知らない人間が憶測をしてもまったく意味がないことですから。

それよりも、このニュースが世間に流れたことで、一つの懸念が生まれました。

もしかするとこの事件により、アウトドアブームの終焉が加速してしまうのではないかと。

いや、そういう流れがそもそも根底にあり、一つの負の連鎖として起きたのかもしれないと。

ブームの終焉とだけ言ってしまうと過激すぎるかもしれないので、言い換えれば過熱ブームのフェイズが終焉したということです。

昨年、一昨年の過熱度真っ最中、キャンプ場の予約が本当に取れない時期がありました。

しかし今はもう違います。むしろ連休なのに予約が埋まらないという状況も見え始めています。

ただし今年の場合は天候要因もあります。でも、キャンプ場オーナーさんたちに聞いてみるとそういう感じだけではない、確実に何かが変化している、と言っています。

確かに異常とも思える過当競争時期は抜け出しました。ようやく「自分のキャンプ場」を見つけ、余り浮気のないリピーターになったという流れもあるでしょう。

すでに加速度は減少したことだけは事実で、このブーム禍でほんの一時キャンプにはまった人たちは、もうすでにほか興味にに心揺らいでいるはずです。

某メーカーの方の話によると、一時追いつかないほどのキャンプ用品の生産ラインは落ち着き始め、昨年の勢いをそのまま信じたメーカーはこのままだと在庫過多になる危険性があると指摘しています。


2014年のスノーピークの上場こそがその後の市場を開花させた


そう思うと、まさにスノーピークが8月に2022年12月期の業績予想を下方修正し株価が急落したのも、そういった空気感の先駆けだったのかもしれません。

そして1か月後にこの騒動。

キャンプ用品のメーカーとしてだけではなく、ある意味倫理観にも通ずる「人間性の回復」を使命感として謳ってきたスノーピークにとってこれほどの追い討ちであり打撃はありません。

それはスノーピークという企業だけではなく、キャンプというものにまでミソをつけてしまったと言われてもしょうがないでしょう。その地位にいて、これだけのフィロソフィーを推進してきたのですから。

私は、そもそもこのキャンプブームを加速させた最も大きな要因、いや功績は、世間でよく言われるユーチューバーがどうとか芸能人がどうとかではなく、2014年のスノーピークの上場こそがその後の市場を開花させた真の牽引車だと信じています。

まさにあれはパラダイムシフトであり、キャンプというものが真に世の中に認められる土壌に上がった瞬間であったと確信しています。

そういう意味でスノーピークの功績は果てしなく大きいものです。


果たしてまたそ「社長」として再び「夢を描いて」いけるのか

そんな折、当時の山井太社長は某インタビューでこう述べていました。

私は社長である一方、大のスノーピークファン。ですからスノーピークの価値を毀損することは、自分をふくめ多くのファンをがっかりさせること。“社長という地位にいるから”ではなく、ファンとして絶対にそれはしたくない。「人間と自然をつないでユーザーを幸せにする」という存在理由を達成できなくなるとしたら、会社をつぶすほうがいいとすら思っています。もちろん、上場企業の責任の重さは十分にわかっていますから、そんな状況にしないよう最大限の努力をしています。しかし究極的には、どの会社も、自分たちが描ける「最高の存在理由」に向かって挑戦するのが本来の姿。それが描けないのなら、存在すべきでないと思うのです。


今の山井太会社兼社長、いや若い時の言い方を借りて、*thoruさんはこの現状の中、こう以前言い放ったことをどう思うのでしょう。

だったら責任を取ってスノーピークを無くせ、と言っているのではありません。

当時はその覚悟で上場をし、その覚悟なり深い思いを新社長である梨沙さんを信じて引き継いだはずで、太さん自身の信念は今も変わってはいないと思うのです。

後半部分にある通り「自分たちが描ける「最高の存在理由」に向かって挑戦する」ことへの再出発を、苦難はあれど再び太さんが原点から担うことになったということです。

「outdoor life creator」「人生に、野遊びを」

人生にまで言及したメーカーであるのなら、あとはまたこれからの「生きざま」で信頼を取り戻すしかないはず。

スノーピークの跡取りとして生まれていなかったら、何をやっていたか? きっと起業して社長になっていたと思います。人から言われたことをやるのではなく、自分の夢を思い描いて、実現していく。私は社長という仕事が、大好きなんですよ。


果たしてまたその「社長」として「夢を描いて」いけるのか。

ほんのちょっとだけ交流のある*thoruさんに、その期待を込めた秘かなエールを送りたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?