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中国思想から世界遺産を考える

という本でありました。間違っても、私自身は思想から遺産を考えられる人間ではありません。

湯浅邦弘著『中国の世界遺産を旅する』を読んでの感想です。名だたる遺産を前に「すご〜い」としか言えない私にとっては、ナゼ・ナニにはきちんとした理由があるんだよと優しく教えてくれる、有り難い本でした。

中国に世界遺産は数多ありますので、その中から筆者は7つを選んで、主に思想の視点からその価値を解説しています。

そもそも、筆者は中国哲学の専門家であり、中国の思想史、儒教や道教などの歩みがそれに当たります。

ただ、この中国哲学とやらは外国人には理解が難しく、それそのものだけではなかなか頭に入って来ませんが、こうして今も残る遺産と関連付けて説明してもらえると、儒教や道教がどのような形で息づいていたのか、人々の生活に根付いていたのかを知ることができます。

誰が・いつ・何をしたという、主語と述語の相関ばかりに注力してきた私には、新鮮な感動がありました。

◇ ◇

さてさて筆者は、中国の世界遺産として、殷墟、孔子廟、万里の長城、秦の兵馬俑、泰山、敦煌莫高窟、明の十三陵の7つを挙げていました。皆さんなら何を選びますか。私なら、

北京と瀋陽の故宮
長城
兵馬俑
莫高窟
雲崗石窟
麗江古城
ポタラ宮

でしょうか。なかなか贅沢な選択ですが。
#世界遺産 #中国