見出し画像

『睡眠に関する研究をしている人たちは寝不足になったりしないんだろうか』の回

みなさまは日々快適な睡眠生活を送れているでしょうか? わたしの方は、いつからか分かりませんがスッキリ目が覚めるなんてことは全くできなくなりました。ほとんどとかではなく、全くです。なので、スッキリ目が覚めるという感覚を完全に忘れてしまい、子どものころもスッキリ起きれていたのかどうか思い出せません。スッキリ目が覚めるってどんな感じだったっけ?

わたしの周囲の人間に聞いてみても、快適な睡眠ライフを送れている人は全然いない。みんな寝不足。のきなみ寝不足。一体全体、どこの誰が質のいい充分な睡眠を摂取し、日中覚醒状態で活動しているのだろうか。おれも覚醒してぇ。誰かクリリンを爆発させてくれ。桑原の胸に指突っ込むでも可。

そこでふと思ったのが、睡眠に関する研究をしている学者の方々は、充分な睡眠を摂れているのだろうかということだ。わたしが知っているぐっすり眠る方法なんて、よく運動して、よく日光に当たって、眠る3時間前に入浴するといったことぐらいだ。しかしそこは専門で研究をなさっている学者さんたち、わたしなんかよりも数倍、いや数万倍も快適に眠る方法を心得ていることだろう。だから、日中は常に覚醒して研究に没頭しており、ガシガシ進捗が進んでいるに違いない。実験が失敗して眠れない夜が来ても、対処法を知っているに違いない。そうすると、睡眠に関する研究者たちが集う学会の講演会では素晴らしい光景が広がっていることだろうよ。聴講者はみな、背筋を伸ばして座っており、誰一人として机にうつ伏せで眠っている人などいない。あくびなんてもってのほか。だって参加者全員、睡眠に関する研究者たちなのですから。仮に寝ている人がいるとしたら、講演者の発表が相当面白くなかったときだけだろう。

まあ実際にはそんな研究者たちにも時折り眠れない夜が訪れるとして、慢性的に寝不足の状態であるといったことは流石にないと思いたい。もしも彼らがわたしと同じように常に睡眠不足を感じているのだとしたら、こちらの絶望感もすごい。『そっちで無理なんやったら、こっちなんかもっと無理やん』って思ってしまう。イチローが打てないのにわたしに打てるわけがない、武豊が乗りこなせないのにわたしに乗りこなせるわけがない、松っちゃんが面白くできないのにわたしに面白くできるわけがない。それと同じように、睡眠に関する専門家が眠れていないのにわたしに眠れるわけがないと思ってしまう。だからこそ、専門家であるならば、ある程度は快適な睡眠生活を送っていてほしい。説得力。それを求めてしまうのが、わたしの悲しい性である。

逆に、睡眠に関する研究を行なっている人たちは日々すごいプレッシャーにさらされているかもしれない。寝坊なんてした日には研究室の教授から「君さあ、言っても睡眠に関する研究を行なっている者の端くれではあるわけやん? そんな人が寝坊するって。全く・・・。少しは睡眠に関する研究者としての自覚を持ちたまえ」とか言われるかもしれない。「そんなん言うて、さっき教授が腕で顔を隠しながらあくびしてたの、わたし見てましたよ」「いや、ちゃうから。お昼に食べたミートパスタのソースが口に付いてたのをちょっと拭いただけやから」「袖汚れるからそんなことしないでしょ。じゃあ袖見せてくださいよ」「いい加減にしたまえ! 君! わたしは教授やぞ!」「教授やぞ!って、パワハラですか?」なんて展開になっているかもしれない。とはいえ、ミイラ取りがミイラになるという言葉があるように、寝坊してしまうこともあるのだろうよ。

この先、人類は寝不足を解消するような世紀の発見をすることができるのだろうか。いや、そもそも快適な睡眠は、丁寧な暮らしの積み重ねの先に実現されるものであるはず。わたしは夜更かしもするし、夜食も食べるし、寝るギリギリまで布団の中でスマホもいじる。それなのに、何かたったひとつのことをするだけで、簡単に眠れるようにならないものかと思ってしまうわたしは愚かだ。そして気づけば、人生においても一発逆転できる裏技のようなものばかりを期待するようになってしまった。こんなことではダメだ。毎日を真面目に丁寧に生きることが、明るい未来、快適な睡眠生活に繋がっているはず。よしっ、明日から頑張って行こう。取りあえず今日はもう寝よう。とはいえ研究者の方々、もし、もし仮に簡単にこれさえやっとけば気持ちよく寝れるよってことが分かれば、教えて頂けると幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?