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『パリの男性がパリジャンやったら、名古屋の男性も名古屋ジャンって言うん?』の回

イケてるパリの男性、パリジャン。実は日本人であるわたしも、前世はパリジャンだったんじゃないかなんて思う。ていうか多分そう。十中八九そう。なぜならオランジーナがめちゃくちゃ好きだから。フランスではコカコーラよりも人気があるという国民的炭酸飲料、オランジーナ。わたしもコカコーラよりもオランジーナ派。ってことはよ、もはやわたしの舌はフランス人みたいなもんであり、日本人であるにも関わらずフランス人の舌を持っているということは、わたしの前世はパリジャンに違いない。これはもうこの一連の演繹法によって証明されたようなものではないでしょうか。フランスからいきなりパリまで飛んだけれど、そんなことは関係ない。メルシー。

まあ、おふざけはこの辺にして、実際にパリジャンって単語は、聞いただけでなんとなくシュッとしたお洒落な男性を連想させる。パリにジャンでパリジャン。パリのイケてる男。一方、パリにジェンヌでパリジェンヌ。パリのイケてる女。ということは、このシステムを駆使すれば、例えば東京のイケてるメンズは東京ジャンになるんだろうか。ってことで、暇すぎたのでパリジャンの仕組みについて調べてみました。

まず、パリジャンのパリは文字通りパリ(paris)を指すのだろう。では、フランス語でジャンは何を意味するのかと調べたところ、ジャン(jean)は男性の名前でよく使われるということが分かった。英語で言うところのジョンみたいなもんだ。ん? じゃあ日本語で言ったら太郎みたいなもんなのか? そうすると、フランス語で「パリジャン」はパリで生まれ育った男性を意味するけど、これを日本語に置き換えて東京で育った男性を表す場合は「東京太郎」になるんだろうか。めちゃくちゃダサい・・・。東京太郎って・・・。東京太郎のせいで途端にパリジャンもダサく思えてきたほどのダサさ。

なんてことと思いきや、もっとちゃんと調べてみると、パリジャンはparis+jeanではなく、正しくは「パリの」という意味の形容詞paris+男性形のienでparisienであった。parisienという単語は、単独で「パリの男性」を意味することもあれば、男性名詞の前について「パリの」という意味の形容詞の役割を果たすこともあるようだ。つまり、パリジャンをパリ(paris)+ジャン(jean)と捉えてジャンで切るのはおかしいし、そもそもジャン(jean)じゃない。間違っていました、このノリ。パリジェンヌのほうも同じで、形容詞のparis+女性形のienneでparisienne。東京太郎も東京花子も最初からどこにもいなかったんだ。

がしかし、日本においてこの地名+ジェンヌのシステムが定着しているものが一つだけある。それはタカラジェンヌだ。語法としては正しくないにしても、やはりこのジェンヌからはただならぬ気品が感じられ、宝塚歌劇団のスターたちを呼ぶ名としては妙にしっくりくる。魅惑の言葉、ジェンヌ。そしてタカラジェンヌに魅入られしものたち、ヅカファン。ちょっとだけ言いたい。ヅカファンって、もうちょっとオシャレな呼称はなかったんでしょうか。タカラジェンヌからのヅカファンは、『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。』ぐらいガラッと変わった感がすごい。まあヅカファンの方たちがいいのであれば、別にいいんですけども。


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