#Harmony 4 はっこくの佐藤さんとEcho in the light Vol.15 を振り返る。

noteの新しい試みにチャレンジします。今回はゲスト登場です!


Sushi Hibiki が主催するEcho in the light Vol.15 コラボさせて頂いた銀座 はっこくの佐藤さんとのイベントは本当に素晴らしい体験になりました。


イベントを振り返って私が思うのは率直に言って「本当に楽しかった!」です。佐藤さんは寿司職人としての仕事のこだわりはもちろんですが、柔軟性があってフットワークの軽い方でした。海外でのイベントのお誘いにこんなにフットワーク軽く快諾して下さった方、なかなかいません。

そして私も、私たちのスタッフも佐藤さんと同じくらい、いや、もしかしたら佐藤さん以上にこのイベントを楽しみました。コロナ禍を経て、すべての行動にはリスクが生まれました。そのリスクと向き合いながら素晴らしいイベントができたと思います。この素晴らしい時間の価値のある瞬間、熱い思いは
これから先が見えない世の中、より輝くと思うのです。


イベント最終日にSushi Hibikiのプライベートルームで行いました対談を中心にこのイベントを振り返りたいと思います。

(編集:Seina Morisako)


1:出会ったきっかけ


『お二人が出会ったきっかけは何ですか?』

SAM:確か3年前の6月、共通のお客さんがいて、彼に銀座 はっこくさんに連れてってもらってそこで初めて会ったっていう感じでしょうですね、

佐藤:ね、懐かしい(笑顔)。「マレーシアから来ました」って言われて「え!マレーシアからですか!」って感じでした。

SAM:その時に、お店の中で感じた佐藤さんの雰囲気が、もしかしたらコラボレーションとか興味ありそうかもなって思ったんで、「マレーシアに来ませんか?」ってその場で言ったんですよね。そしたら佐藤さんがその場で即答で「いいですよ、いつにしましょう?」って言ってくれたんです。

佐藤:そんなそっけなかったですか(苦笑)

SAM:いいや、すごい簡単になんか「いいですよ」って感じで言ってくれて。それで驚いたのが「いつにしますか?」になったんですよ。ほとんどのコラボレーションはどのシェフに限らず持ち掛けても「連絡取りましょう」みたいな感じで終わってしまうんですね。なのに、いつにしましょうって言って。それで「4月の6、7、8日にしましょう」。そこで日付が決まったんですよね。

佐藤:決めないとやらないからですね。
みんなとりあえず返事だけするんですよね。

SAM:そう。いや僕半信半疑だったんすよ。4月の6、7、8日って日程が出たけど、うち(Sushi Hibiki)はいいけど、本当にそんなに簡単に決めちゃって大丈夫なのかなって思っていて。そしたらマレーシアのお客さんが、その後はっこくさんに行ったときに佐藤さんの口から「今度マレーシア行きますよ」って言ってたっていうメッセージをもらったんです。もう言ってるんだ。お客さんにも公表してるんだって。これは本当来るぞっていうのは始まりでしたね。

佐藤:そうですね。懐かしいな(笑顔)

SAM:あの時は本当にありがとうございます。


佐藤:そしてまさかのコロナです。いやなんか僕も海外に(仕事で)行き始めたのはここ二、三年なんです。 元々は自分の店をオープンする前に時間があったんで、何かしたいなと思って。それで国内をまわってもよかったんですけど、なんか海外行ってみて、知り合いづてに何か一緒にお寿司を握らせてもらって、地元のそのお店のお若い子たちと話をしたりとか、一緒に仕込みしたりとか、まかない食べたりとかして海外の子たち、特に若い子たちがどういうことをしてるのかなってすごい純粋に見たかったんですよ。
オーナーシェフだったりヘッドシェフは日本に来て、お魚見て食べに来たりとかしてくれるじゃないすか。でも若い子たちはさすがに時間的にも難しい。
それだったらこっちから行って何か一緒にできたらいいなと思って。仕事を教えるとかまではいかないですけど、何か楽しいことっていうか、お寿司を通じて何かできないかなっていうのがあったんです。そこでちょこちょこ海外に行かせてもらってる中で、斎藤さんが来ていただいて、(マレーシア来ませんか?)という話を頂いたので即OKしたんです。


2:自分の中での寿司職人としての哲学


『自分の中での寿司職人としての哲学を語ってもらえますか』

SAM:寿司を握っているというか、寿司を提供しているあの瞬間が僕は好きなんです。寿司屋の形式って世界でも珍しいと思うんです。最近はカウンターのお店って増えてきたと思うんですけど、目の前で話しながら直接提供する、そしてお客さまに食べてもらう。

その空間には人間関係がすごく関係してきて、味にも影響すると思うんです。そこの空間を楽しんでもらう、そこに寿司の魅力を感じ、楽しんでもらいたいと思ったのが僕が寿司に魅力を感じた最初のポイントかな。

佐藤:(カウンターでシェフとお客様が向き合って食べてもらうというスタイルは)なかなかないジャンルだと思うんですよね。僕の場合はまず、スタートがレストランのウェイター、つまりサービスマンがスタートだったんです。サービスをしてお客さんに喜んでもらうというのがとても心地よかったんです。

そして僕はきっと「人が好き」なんですね。人が好き、喜んでもらいたい、そう考えてみると「寿司屋って全部できるんじゃね?」と思って。手に職もつくし、サービスできるし、ダイレクトにお客さんの顔も見える。僕はそれが大好きなんです。
もちろん「美味しいものを出す」ってのは大事なんですけど「お客さんにトータル的に楽しんでもらう、喜んでもらう」というのは僕の中での一番の想いですね。


3:パンデミックを乗り越えてイベントを実行できたことを振り返って


『2020年パンデミックでイベントができなくなりました。その後2年経ち、今イベントが実行実施されたわけですが今のお気持ちを語ってもらえますか』

SAM:あの時は本当に驚きました。航空券、ホテル、全部取った後に「明日からロックダウンです」と政府発表があって「これは完全に中止だわ」。チケットソールドアウトでしたが全部返金、そして「このイベントはいつ実施できるのかな」とう事態になりました。

佐藤:本当に直前でしたもんね。。。

SAM:ちょうどイベントの2週間前に「ロックダウン開始」でした。

佐藤:きつかったなあ。。ショックでしたよ。。

SAM:世界があの瞬間変わりました。そしてマレーシアが2022年の5月から国境解放に向かうという事態になったので、すぐ佐藤さんに連絡したんです。そして「来れますか?」と聞いたら二つ返事で「行きます」と。そして再び「日付決めましょう」。そこで今回は実現できたわけです。今回は佐藤さんにとっても「コロナ開け初めての海外」に選んでいただいたことはとても光栄でした。


4:はっこく、佐藤さんが感じたSushi Hibiki


『(佐藤さんへ)Sushi Hibikiをどう思いますか?』

佐藤;(満面の笑顔)

SAM:直球質問ですね😅。コロナあけ、初めてマレーシアに夜に到着してこのSushi Hibikiに来た印象はどうでしたか?

佐藤;すごいですよね。海外の寿司屋って(語弊がありますが)日本からみると格下に見られるような風潮があると思うのです。特に10年、20年前のイメージとかだと「海外の寿司屋」となると、えって思われた時代もあったわけです。でも今は本当にそんなことなくなってますよね。むしろ日本よりも「よりいいものをより美味しくお客さまに出そうという研究がすごく強い」と感じます。海外の若いアシスタント達もシェフ達もみんなすごく頑張っていて、お寿司を勉強してますよね。(Sushi Hibikiは)こちらはすごく刺激をもらえる、すごく勉強になるすごいお寿司屋さんだと思います。

SAM:ありがとうございます。イベントでムービーとかしないですよね。オープニングムービーがあって、佐藤さんにバン!と照明が当たって、そこでスタート!っていう感じでね。

佐藤:そういう演出が好きなんでしょ?

SAM:SHOWみたいにしたかったんです。


5:イベントで印象に残ったこと


『今回のイベントで印象に残った点はなんですか?』

SAM:ハイライト。。Echo in the light はもう15回目なんですけど、日本人の日本料理のシェフは初めてなんですね。ありそうでなかった、しかも銀座から来てくれたということで、お客様の期待度は相当高かったんですね。

佐藤:お寿司だけだったんで、大丈夫かな?という思いは僕にはあったんですね。海外で使える魚、お客さんの舌(味の好み)なども日本とは違うだろうし、文化も違うわけです。でも、斉藤さんのひびきのお客さんがお寿司をわかってらっしゃる。メニューを出した時も「これでどうですか?」って聞いたらすんなり「これで行きましょう」になったのでとてもスムーズでした。

SAM:お客様も「こういうお寿司ね」とすんなり受け入れてくださいましたよね。

佐藤:お客様のレベルが高いですよね。

SAM:みなさん、日本の美味しい店いっぱい行ってますからね。だから銀座 はっこくさんを待ち焦がれていました。寿司一本でここまで勝負できたのもなかなかないと思います。海外でなかなかないです。

佐藤:ずっと握りだから大変でした😅

SAM:佐藤さんのカウンターは6人。今回12人でした。25貫を12人分握る、それを2時間で終わらすという状況でした。

佐藤:(斉藤さんと僕)二人で握ってましたが、大変でしたよね。


6:マレーシアのお客様、そしてマレーシアで寿司を提供することについて


『佐藤さんは多くの異なる国でお寿司を握ってきました。マレーシアの観客についてどう思いますか?』

佐藤:海外のお店に訪問すると、「東京の銀座の寿司職人が自分達がいつも行ってる店に来た」つまり自分達の地元に来たということで喜んで迎えてくださる。それがとても嬉しいです。そして地元のお寿司やさんと一緒にお客さんと一緒に盛り上がれるというこの状況がすごく好きです。そしてすごくありがたいことだと思っています。すごく楽しいです。

SAM:マレーシアならではだな!ってこと何かありましたか?

佐藤:お酒いっぱい飲みますね。。

SAM:そうですね。。一気飲みカルチャーがあるのでね。。

佐藤:そこは大変でしたね。。。でも楽しかったです。

SAM:楽しかったですね。


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その後、私の日本出張で再び銀座 はっこくさんへ伺い、佐藤さんと再会しきました。対談した動画、イベント全体をまとめてもらった動画を佐藤さんにも観ていただきました。感想を伺うと「こうやって映像になるとなんか照れますね」とのこと。そしてイベントから日付を考えてみるとわずか1ヶ月半。それほど日も経っていません。


コロナ禍前なら当たり前だった世界の行き来。それが閉ざされた2年半を経た今、再び行き来できる喜びと同時に「また閉ざされるかもしれない」という気持ちが常に隣にある今。だからこそ今こうやって会いにいけること、集えること、お客様と、素晴らしい仲間と共にハレの場を作れる喜びを感じることができました。


また、ぜひコラボレーションしたいです。私たちならそれはきっとすぐ現実になります。


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