#Reverb 33 水田を実際に見て、感じて得た強い意志。


コンセプトはDiscover。本来の思考をを「はずす」。



さて、今回の出張のメイン。醸し人「久野九平治さん」に会ってきました。九平治さんとは、名古屋にある酒蔵の醸し人さんです。



1647年からお酒を造りが始めていているそうです。九平治と言う名は代々襲名され、久野さんで15代目だそうです。


Sushi Hibikiでは九平治さんのお酒、KUHEIJIブランドは大人気です。多くのお客様がオーダーしてくれています。九平治さんそのものは日本酒業界で異端児と言われ会うことも困難な方です。いろいろなご縁が連動してそんな九平次さんと濃密な2日間を過ごすことができました。


お酒を飲む方でも、飲まない方でもこんなふうに感じることは多いと思います。

「日本酒ってどうなの?」


日本人の持つ日本酒のイメージ、外国から見える日本酒のイメージも違います。日本酒とワイン、世界で見たら大分差があります。飲まれる人口、スタイル、価値。全然違います。


一部では世界では日本酒ブームとはいわれていますが、地域によってまだまだ差があります。



九平治さんは日本酒をワインのような、いやワインを超えた立場を得ることに挑戦してます。「コンセプトはDiscover」。Dis が否定なのでカバーをはずす。ここでの「Cover」はいろいろな規制や制御されたしきたりや考え方でしょうか。


九平治さんは、

「実は発見って何もないものから見つけ出すのではなくそこにあたりまえにあるもののカバーをはずすことだ」

とお話しして下さいました。まだワイングラスでお酒を飲むなんてことをしてなかった時からその魅力に気づいた人でもあります。


九平治さんがワインと酒の大きな違いに気付いたのは20年くらい前、「ワインでは原料となる葡萄の話に時間を割かれるのに対しお酒はその作る工程の話がメインとなること」に気が付かれたそうです。



なぜか。それはこのような理由では?と九平治さんはお話ししておられました。

日本人にとってお米というものが身近すぎてその価値、その知識に興味がない


米の価値を気づいてもらいたい。そこから始まるはずだ。その点に気づいた九平治さんは、兵庫県黒田庄でお米を作り始めます。


酒蔵さんが米を作ること、実はすごく稀です。初めは農家さんにも相手にされなかったらしいですが何年かすると、あれ?奴ら真剣だぞとだんだんと見方が変わっていったそうです。



九平治さんに導かれて兵庫の黒田庄の水田に伺うことができました。恥ずかしながら水田をまじまじと見たのは初めてです。日本人にとってお米もお酒も身近すぎて見えてないこと、知らないことがたくさんあるなあと思いました。


今回教えられたのは水田の稲の状態があまり良くない状態がたくさんあり、作業従事者の高齢化で途中で世話ができなくなってしまう水田がたくさんあるということです。このままで美味しい酒米もどんどんなくなってしまうそうです。


寿司を、日本料理を、日本文化を発信していきたい!と思っている私は米の未来についてもぜひ語りたいと思います。


九平治さんの目指すところについてもお話を伺いました。

世界でワインの価値と肩を並べるくらいに日本酒の地位を向上させたい
日本酒というと水田が一番先に思い浮かぶようにしたい


九平治さんは問いかけます。

酒造りというと何を思いだしますか?


この問いかけに対して日本人の人に、世界中の人に、具体的なことをどうやったらイメージしてもらえるか、そこに挑戦したいそうです。そして多くの人が具体的な持つことができれば尊厳が生まれます。そうすれば


米作りをしてる人、酒造りをしてる人が酒造りに専念できるようになる、より豊かになる、私はそういう環境を作りたい。


このようにお話をされていました。


今回、結果的に直撃されることはなかったのですが日本滞在中は台風の話題で持ちきりでした。マレーシア生活が長くなってきてすっかり忘れていましたが、そうです日本は天災大国でした。


天気は人間の力で変えることはできません。


米作り、酒造りを行いたくても、日本では多くのリスクが伴います。米作り、酒造りの難しさ、台風などの天災リスクの大きさ。


初期投資を考えると多くの人は気持ちはあっても尻込みしてしまうのが現実だそうす。


たくさんの難題を見せられました、それでもそこに強い意志をもって挑む九平次15代目久野九平治さんに1人の人間としてすごく惚れました。


私もぜひ強い意志を持って挑んでいきたいと思います。

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