#Reverb 24 未来を見据えている大先輩からの囁き。

時の流れは誰にも止められない。だからその時を超えてきた大先輩の声に耳を傾けます。

現在、noteの更新が滞っています。申し訳ないです。それには理由があります。それは新しいHibikiのセッティングが佳境を迎えているからです。


時はものすごい勢いで流れます。驚くほどに。そして予定は本当に予定通りに進まないのがここ、マレーシアです。毎日冷や汗をかきながら進捗を見守っています。


新型コロナウイルスの関係でマレーシア中のあらゆる工事が遅れています。流通の乱れはいつものことですが、それにしても乱れすぎでは?と思うくらい乱れています。それは国境が解放されたことにより移動が活発化、その活発化に人が対応しきれていない感じです。同時に移動が増えてきたことにより感染の可能性が劇的に増加しているからでもあります。(これはマレーシアに限ったことではなく、世界中で起きてる混乱でもあります)。


毎日ドキドキです。


その中で私の心を整えてくれる大先輩が来て下さいました。それが「扉」です。


今回のNew Hibikiでは扉に「実際に使われていた蔵の扉」を採用しました。蔵、最近の若い方はご存知ない方も多いと思います。


ちなみに一般の方が「蔵」と呼ぶ建造物は正式には「土蔵(どぞう)」と呼ばれます。白い壁の重厚な建物の写真を見れば「ああ、あれか」と思う方も多いのではないでしょうか。



土蔵は保管にとても優れています。あの真っ白な壁は漆喰(しっくい)です。漆喰とは水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とした建材です。実は漆喰とは「石灰」の中国語読みです。

石灰って何か聞いたことがある。。と思う方も多いと思います。そう、運動会などで校庭に引く白いライン。あれが石灰です。


漆喰は耐水性と耐火性に優れており、土台となる土壁は調湿性を保ちます。相乗効果により大切な品をしまう蔵に多用されてきました。例えば日本酒。土蔵に保管された日本酒は本当にまろやかな味を保ちます。

土蔵は江戸時代に建造物として大流行したと言われています。それは江戸時代には火事が多発しました。火事で大事なものを失わないように保管庫として土蔵は重要な役割を果たしました。


今回の蔵の扉は越後の蔵戸のものです。欅の一枚板で作られています。明治から大正あたりに作成されたと伺っています。明治、大正前後に作成されたということは100年以上の年月が経っています。

戦争も、震災もこの扉は超えてきました。


そして感染症に左右される世界を超えて、今、海を超えてマレーシアにやってきました。


つまり、土蔵の扉は大事なものを守り続けてきた大先輩なのです。何百年という時の流れの中、何世代の人の大事なものを守り続けてきました。そしてこの度ご縁があって海を渡り、これからNew Hibikiという「私たちの大事な晴れの場」を守ることになりました。蔵の扉を見つめていると

「ああこの扉は数多くの試練を見つめてきたのだなあ」


と想いが巡ります。この扉は100年以上、世界を見つめています。この扉は私が生きてきた年月より多くの年月を生き、多くの出来事を見つめてきました。



扉を見つめ続けているとそ扉からの声が聞こえてきます。扉は私に話しかけます。


「今までも色々大変だったしょう。そして大変なことは今も続いてます。そしてこれからも様々な困難が起こるでしょう。でも大丈夫です。人は生き続けます。私はずっとみてきました。大丈夫ですよ。」


大先輩に見守ってもらっている実感は人に自信を与えてくれます。

これから新しいHibikiでお客様を迎えて下さるこの扉。この扉の歴史に支えられて未来を見つめてこうと気持ちを奮い立たせます。

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