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「思考との一体化を外す」

 都内のスタジオで演技講師をしております。演技講師の視点から、演技と人間、演技と生きることについて、時には心理学なども絡めつつマニアックなことを書き綴っております。

 さて、最近流行りの瞑想やマインドフルネスの効能として、思考との一体化に気づいて、思考と自分を離す「脱同一化」があります。生きている中での様々な苦しみは、思考と一体化して巻き込まれていることによるとも言われています。

 僕が普段教えている演技テクニックの一つであるマイズナーテクニックは、思考にエネルギー使わないようにするために、徹底的に相手へと意識を傾けるようにします。自分への意識が働いている時に、思考が働くからです。その訓練の始まりが、繰り返しの練習「レペテション」なのです。
 この「レペテション」を指導している時にいつも「思考を外せ」と言っていますが、厳密にはそんなことは不可能です。さらに、お互いに言語を使用して意思疎通を図る以上、「思考」を使わないのは不可能ですし、生きている間は「思考」が四六時中働いています。一説には、1日の内に自動的に数万回は「思考」が働いていると言われています。

では、「どうやって思考を外すのか?」

・・・・・・

「思考を外すって何? いや、そもそも思考って外れるの?」
 
・・・・・・

 難しいですね〜!

 少し分解してみましょう。

 ここで先程のマインドフルネスの登場です‼️「思考」が外れていない時は、「思考と一体化」しているということになります。つまり、思考に巻き込まれている状態なのです。それ故に、相手を感じることが出来ない。「思考」というのは、面白い性質を持っていて、「現在に存在できない」のです。過去や未来を思考することはできても、現在を思考することはできないのです。「思考」と逆にあるのが、「感じる」ことであり、現在を感じることはできても、過去や未来は感じることができない。この性質を使って、瞑想法には身体感覚を利用したものが多いのです。だからこそ、「相手を感じる」ことによって、思考から脱同一化する。「思考」という、作られた「偽りの自己」の「認識フィルター」を外すことで、「本来の自分」が持つ人間性を回復することも演技を通して可能だと思っています。

 続きます^ ^

 お休みなさいませ🌙💤

 

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