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自慢話すんな(パフォーマー向)

オーストラリアで大活躍中のマジシャンのサリトです。
本日もよろしくお願いします。

今回はパフォーマンスをしている時の、精神的な姿勢というか、心構え的な事をについて少し語ります。

誰もが自慢話ってしたくなります。喧嘩で10人相手に勝っただとか・・・芸能人と知り合いだとか・・・。くだらない自慢から本当に自慢になる話まで。
でも自慢話って基本的に聞いてても楽しくない話ですよね。

少しでも読者を獲得しようという考えで、何か引っかかるような言葉をと思い、タイトルをこれにしました。
偉そうなこと言って申し訳ないです・・。


サリトの職業であるマジシャンはマジックを演じる際に、演者の態度というのは、非常に重要です。マジックに限らず他のショーをする様々なパフォーマー全て同じだと思います。
マジシャンではないパフォーマーの方もマジックをご自分のパフォーマンスに置き換えて読んでみて下さい。
皆様のパフォーマンス向上のきっかけになれば幸いです。

演者の態度として、とても大事なのは『自慢しない』です。

パフォーマンスを自慢するかの如くやってしまう人がたくさん居ます。
パフォーマンスと言うものは結局の所、ただの「オチのある自慢話」と変わらないと思います。

「このマジックのタネわからないでしょー?」
「俺はこんな技できるんだぜ!凄いでしょー?」
「私はこんな事も見せれまっせ!」

みたいに思われてしまうような表現は危険だと思います。

基本的に人間は「自慢話」が嫌いで、「聴きたくない3大話」の1つです。(あと2つは「愚痴」と「説教」です。確か・・・)

「なんか自慢してるだけやん」と見ているお客様が受け止めてしまった時点で敵対関係になってしまい、ウケるモノも当然ウケません。

例えば、具体的にどのよーになってしまうかと言うと・・・
マジシャン『俺、マジック出来るんだぜ!すげーマジック!見ろよ!』
こんな事を言われたなら、誰しもが
「やってみろや。見破ってやるで!」
となってしまい、敵対関係が出来上がります。さらに、
『いいぞ、見てろよ。これをこーしただけで、ほら!な?凄いだろ!?』
「うん。でも、なんか怪しい動きがあったよねぇ」
と、友人とはすでに敵対関係ができてしまっているので、マジックの評価をするよりもほんの少しの怪しい動きにも違和感を覚え指摘するでしょう。
『じゃあ、どーやったと思う?』
「それは、解らないけど・・・」
『な?解らないだろ!?俺のマジック凄いだろ!?』
「ん・・・うん。」

はい。ここで、問題です。
この会話の中で一番楽しんでるのは、誰でしょう?

マジックを自慢し、友人を打ち負かしたマジシャンの方です。

観客を楽しませる為のマジックが、ただの自己満になってしまっています。本来の目的とは見事に真逆になってしまいます。お客様と敵対関係になるなんて問題外です。

そもそも人間は反発をする生き物です。売られた挑戦に勝とうとするのが、人間の性分です。マジックを自慢されたら、「そのマジックを見破った!」と自慢で対抗、反発したくなるのが人間の深層心理です。

どんなマジックが出来たとしても、誰にも真似できない技を持ってるとしても、絶対的なパフォーマンスが見せれても、決して偉くはありません。
凄いパフォーマーは決して偉い訳ではありません。
常に「観てもらっている」という気持ちが大事だと思います。

そもそも、人間は自己満でしか生きれません。例え世の為人の為だ、子供達に夢を見せたいからだ、みんなに笑顔になって欲しいからだ、ボランティアだ、と言った所で、それをやる事で自己を満足させたいからやっているに過ぎません。

ボランティアをする事で自己満足を得ている。だからやれるし、やりたいと思うのです。なので、どうしても自慢しているようにしか見えなくなってしまう事もあるでしょう。

ただ、そういう事を知っていると知らないでは大きく違います。

知っているだけで「凄いでしょ?」「タネわかる?」などの言葉は使わなくなりますし、そう思われてしまいそうな見せ方はしなくなるはずです。

お客様にパフォーマンスを自慢をする事で自己を満足させないようにしましょう。

ちなみにこの読者の皆様の中にはマジシャン見習いの方もいると思うので、そういう方がマジックを見せる時の最初のセリフは、
『最近覚えたマジックがあるんだけど、練習に付き合ってくれないかな?』
これです!

この言葉を言うだけで見る側の人は優しい気持ちで見れます。

相手が練習に付き合う事を承諾した時点で、敵対関係ではなく、和平条約を結んだ状態となり、二人の目的が一緒になるのです。なので、相手は優しい気持ちで見れるし、凄いと感じやすくなります。

何事にも言えるのですが、
『どんな気持ちで演じるか』というのは非常に大事ですが、
『どんな気持ちで演じているように見えるか』の方が100倍大事です。

パフォーマンスを自慢したり、勝負や言い争いをするようになったり、挑戦的な態度は、辞めましょう。


と、まぁ
パフォーマーとして仕事をしている人であれば当たり前の話をしましたが、まだ記事を書き始めてたばかりという事で、超基本の話をしてしまいました。

順を追ってじょんじょんと本格的な深い話にしようと思います。

ワーワー言っていますが、お時間です。

今日はこのへんで!
でわ、また!

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