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必要のない仕事(パフォーマー向)

サリトは今、新潟で凱旋ライブ、レクチャーなど数件やってきまして、東京に帰る途中です。

サリトの仕事はマジシャン。主にショーをする事でお金を稼いでいます。ですが、このようなエンターテイメントというのは、人間にとって必要不可欠な存在ではありません。

サリトの仕事は、非常に悲しい事ですが、時折必要でなくなります。少なくともサリトは新型ウィルスの影響で何ヶ月もの間、マジシャンとしてはほぼ無収入でした。

例えば、911テロ、大震災、戦争などのような事が起きてしまえば、人によってはサリトの仕事なんて不謹慎と思われる事もあると思います。災害復旧で苦しんでいる方がどこかにいるにも関わらず、こちらは人を楽しませる事ばかり考えなくてはいけない。「戦争が起こっているのに・・・」などと考えると、勝手に辛くなる事もあります。

「災害復旧に笑顔は必要だ」と言う意見もあるでしょう。それは十分にわかります。
ただ、それは復興がある程度進んでからの話です。復興も何も出来ていない状態で、「みんなを笑顔に!!」「頑張ろう日本!!」「夢を与えにきました!」なんて言っても正直腹立たしいだけです。災害に遭われた方々が一番求められているのは、そんな言葉やエンターテイメントではなく「普通の生活」なのです。

コロナが流行り出した頃、そんなパフォーマーをたくさん見かけました。そういう人を見ると、はっきり言ってサリトは吐き気がします。「頑張ろう日本」だの「離れていても心は一つ」だの。綺麗事言ってるだけの奴、大嫌いなんです。

あ、申し訳ありません。話が少しそれてしまいました。戻します。

人間はその「普通の生活」、要するに「衣食住」さえ揃えば、無人島でも最悪生きていけます。エンターテイメントというものは衣食住が揃ってからの、娯楽の一環でしかありません。残念な事に、マジックはもちろんの事、コンサート、演劇、芸能関係などのエンターテイメントは、普通に生きるだけで良いのであれば、必要がないのです。

なので、エンターテイメントは遊ぶ余裕がある人向けであり、この世に存在していなくても人間は生きていけるのです。

「え〜!エンターテイメントがないとストレスで生きていけない〜!!」

と、思う方もいるかと思いますが、それはエンターテイメントを知っているからです。知っているから見たいと思う。見たいと思うから、見れない現実にストレスを感じる。そもそも知らなければそのストレスは感じないはずです。

マジックを見なくても、金さえ稼げれば、飯を食えます。なので、死にはしません。エンターテイメントを体感しなくても、酸素さえあれば息はできます。なので、死にません。コロナで仕事がなくなるというのはそういう事です。人類にとって必要不可欠な仕事ではありません。

サリト自身、時折このような事態に悩まされる事もあります。
それでも目の前の人を楽しませなくてはいけない過酷な職業です。

どうしても腹が減ってる時なら、大して美味しく無い物でも食べれます。

どうしても眠い時は路上でも眠れます。

ただ、どうしてもエンターテイメントを見たい時は、
完成度が高くないと満足度は得られません。

なのでどうしてもこういったマジシャンのような職業は完成度が求められます。エンターテイメントは人の生活に直結していない物です。
だから完成度が求められ、プロフェッショナルさを求められています。


これらの事実を知っていると知っていないでは、大きく違います。

「だから何?」と思われる方もいるかと思います。
「そんな事言われなくても完成度高めてるし」と思われる方もいるでしょう。
ですが、これを知っているか知らないかではパフォーマンスは必ず変わります。

結構、パフォーマーの気持ちや心構えはお客様に見えます。わざわざ口には出しませんが、必ず感じています。口に出さないのは言葉では表現できないだけだったり、大人の対応をしているだけだったりなだけで、一般人の方は必ず感じています。

人間は、そのなんとなく感じた事から、好き嫌いが出てくるのだと思います。

お客様全員ではないでしょうが、パフォーマンスを見れば、
「あ、この人は命を賭けて仕事してるな」と感じてくれますし、
「ふざけたキャラだけど実は真面目なんじゃないか?」と思われますし、
「綺麗事を並べてるだけだ」ってバレるのだと思います。

わーわー言っておりますが、お時間です

でわ、またっ!!


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