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マスコットのユニフォームスポンサーになるメリットを考えてみた

スポーツチームのビジネス面を考えるときに、真っ先に頭に浮かぶのが「スポンサー」の存在です。どの競技、どの大会でもスポンサーがいないと成り立たないくらい、なくてはならないものになっています。

このスポンサーから得られる収入である、「スポンサー収入」はスポーツチームの売上の大きな割合を占めています。Jリーグが公開している2023年度のデータをみてみると、各クラブの売上高の4,5割(平均)を占めていることが分かります。
参考:https://aboutj.jleague.jp/corporate/assets/pdf/club_info/club_doc-2023.pdf

他の収入減はクラブによっても異なりますが、チケット収入、グッズ収入あたりが基本かと思います。

企業側がスポンサーをすることのメリットとしては、主に知名度向上・好感度アップ、従業員への福利厚生の提供などがあります。クラブによっては個人でのスポンサードも可能なところもあるので、興味のある方はチェックしてみてください。

スポンサーにも様々な種類がありますが、マスコットのユニフォームスポンサーというのもその一つです。
その点で思い当たるのがJリーグの2クラブ。
ヴァンフォーレ甲府のヴァンくん
V・ファーレン長崎のヴィヴィくん

2024 ヴァンくんにマスコットスポンサーにつく

2024シーズン開幕時にマスコットスポンサーがついたことを報告してくれたヴァンくん。

当日集まったサポーターを驚かせたのは、なんといってもパンツにスポンサーがついていたことでしょう。その情報は当日SNSで話題となり、以降のゲームには「ヴァンくんのパンツにスポンサーがついた」ことを見に行くために訪れるサポーターもいたそうです。

普段からユニフォームを脱ぎがちなヴァンくんですが、ここまでしてもらえるとヴァンくんの行動も熟知したスポンサードでファン側も嬉しいです。
ウインズ石和って、全国のウインズで唯一の源泉かけ流しの足湯があるらしいです。スポンサーを調べたことで覚えるプチ情報もありますね。

リーグ屈指のスポンサーの多さを誇るヴィヴィくん

人気・知名度・活動量から一クラブマスコットを超えて、長崎県を代表するようなマスコットのヴィヴィくん。そのユニフォームには多くのスポンサーがついています。

どんな企業がヴィヴィくんのスポンサーをしているのか興味のある方は、クラブ公式HPのマスコットページに紹介されているのでチェックしてみてください。

ヴィヴィくんは、スポンサーのイベントに出演することはもちろん、ホームタウン活動の一環として長崎の市町村に表敬訪問を実施しています。
普段から長崎県内の街中によく出没しているというヴィヴィくんなので、ヴィヴィくんが歩く広告塔になっていることは間違いないかと思います。

FC岐阜のギッフィーも、公式HPにユニフォームスポンサーがとても分かりやすく紹介されているのでオススメです。
https://www.fc-gifu.com/club/mascot/giffy/


なぜマスコットのスポンサーをするのか

実際にマスコットのスポンサーをしている企業のインタビュー記事があるので紹介します。
まずは、横浜F・マリノスのマスノスケ。

マリノスケは地域貢献活動の象徴、リーダー的存在だと考えています。その体の一部に会社のバッジをつけることで一体感が生まれる。マリノスケを中心として人が集まり、そこから活動の輪が広がっていくことで地域の活性化につながればと思っています。」

https://www.football-zone.net/archives/298703/2

企業の地域貢献への想いと、マリノスケの積極的な地域貢献活動がつながった形でこのようになったようです。

次に、FC町田ゼルビアのゼルビー。

目的は、地元の方々に対して、平野屋金物店というお店を知っていただくことです。例えば、全国区のテレビでの映像を通じて、「平野屋金物店」という名前が出ても、「なんだここは?」としかなりません。それよりも町田の若い方々や子どもたちの認知度を高めるためにはどうしたら良いか。そう考えると、小学校やお祭りなどのイベント訪問をしているゼルビーに宣伝してもらうことが、一番効果があるのではないか?ということで決めました。

https://partner.zelvia.co.jp/article/article12/

町田駅前の大通りをまっすぐ進むとあるこのお店。作業工具をメインに販売しているお店のため客層に偏りがありそうな中で、地域活動に積極的に参加しており、地元の方の目につく機会の多いゼルビーを選んだというのも納得です。
ゼルビーは活動内容によってユニフォームを着替えたりしています。試合日は選手と同じ、地域イベントのときはそれ用の、みたいな感じです。


Jリーグをお手本として絶賛発展中のBリーグは、ジャンボくん・ブレッキー等のユニフォームにはスポンサーがついていますが、他Bリーグを代表するようなクラブのマスコットであっても、マスコットのユニフォームにはスポンサーなしというケースは多くあります。

ジャンボくん
ブレッキー

また、Jリーグ・Bリーグともに選手と同じユニフォームを着ているマスコットも多くいます。
選手とマスコットの活動機会・場所の違いを考えてみると、その目的に応じて企業名掲載場所を決めてみるのも良いかもしれません。

選手ユニフォームに企業ロゴを掲載するのはかなり高額と聞いたことがある(Jだと1億~3億くらい?)ため、全国区の大企業は手を出せるけど、地元中小企業は厳しい、マスコットのユニフォームならできるというケースもあるのかなと勝手に思っています。

独自に考えてみたメリット

露出の機会が非試合日やオフシーズンにも可能

マスコットは試合以外でも様々なイベントに登場するため、試合日に限定されないプロモーションの機会があります。学校訪問やイベント(お祭り、企業イベント、ショッピングモールなどでの販促活動)など試合のない日、オフシーズンにも多様な場面で企業の名前が露出する機会があります。

より親しみ易い形での広告

マスコットは親しみやすさに重点を置いていることが多く、企業名を掲載することで、マスコットファンや地域の方に自然な形で企業を知ってもらうことができます。

地域密着のアピール効果

マスコットは地域イベント・学校訪問・幼稚園/保育園訪問などに積極的に参加することが多いため、その地域の人への宣伝効果があります。そのため、企業の地域密着への印象を強化でき、地域貢献活動としての認知度も高められます。特にファミリー層へのアプローチができるため、世代間にわたって認知度向上が期待できます。

SNSでの拡散効果
マスコットの写真や動画はSNSで拡散されることが多いため、企業名がマスコットのユニフォームに掲載されることで、オンライン上での認知度向上が期待できます。マスコットファンは、贔屓チーム以外のマスコットのことも気にかけている人も多いため、写真が拡散されることで全国へ企業名を広めることも可能です。

グッズ化の容易さ

マスコットは各チームの様々なグッズに使用されることが多いです。企業名が入ったグッズが販売されると、企業名の認知度をさらに高めることができます。また、企業サイドとしても自社の広告にマスコットの肖像を利用することで、マスコットを知っている人を自社の顧客として引き込む効果も見込めます。


スポンサードする側/される側の双方に良い状態となり、更にチーム・リーグ全体が発展していくことを期待しています。

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