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脳出血で倒れた日〜手術

夫には娘が2人いる。

病院に到着して、入院の手続きやらなんやらを終えて
ひとまず落ち着いた4:40の時点で、
実は、大阪に住んでいる娘たちには電話をかけている。

でも、出なかった。

27歳と21歳。
上の子は和菓子屋さんの店長をしており、
下の子は高校を卒業して市役所に勤めている。
2人とも、一度寝たら朝まで起きないタイプなので、
もしも夫が大阪で倒れていたら
誰にも気付かれずにそのまま亡くなっていたと思う。

〝わたしの隣で寝ていた〟

夫は、それだけでもう ✨強運✨だったのだと思う。

看護師さんと、ドクターから
『お子さんは何人? すぐに呼んで!』と再度促され
娘たちに何度も電話をかけて、
やっと連絡が取れたのが6:50。

わたしの息子は 2人を最寄駅で拾って病院に連れてくる係りなので
2人が到着するまでは病院に来ない。

そして、わたしの娘は 早朝に起こされたことにより片頭痛が出てしまい吐き気をもよおして
車の運転も出来ない状態…
〝必要なものを持ってくる係り〟に任命していたのに使い物にならなくなってしまった。
(塾の先生をしているので夜が遅い。娘にとっては朝はまだ夜。さらに生まれつきの病気のため体が弱い。)

どれだけ急かされてもみんな
来ない、来られない。

だれも来ないまま、夫はオペ室へ。
わたしは夫に
待ってるからね、戻って来てや!と声をかけた。

オペ室隣りの家族の控え室へ案内されて待つ。

その間、また涙が溢れてきて
夫にもっと優しくしてあげればよかったな…とか
何日か前に、少し強く言いすぎてしまった件など反省したりしていたら、涙がまた止まらなくなり

さらに、
昨夜 夫が寝る前に
オレはあけちゃんに出会えてほんまに幸せやで
最高の奥さんや
と言ってくれたことなど思い出しては泣いて泣いて泣きまくっていた。


8時に、オペ室の看護師さんがお話ししに来てくださる。

『私は夜勤なので、日勤の看護師と交代して今から帰るのですが、
ご主人様の手術はもう始まっていますからね、大丈夫ですからね、奥様が倒れてしまっては大変なので、ちゃんと水分を摂って、
喉を通らないかもしれないけど 食事も摂ってくださいね。大丈夫だからね。』

と、優しく肩を抱いて励ましてくださった。

優しく可愛らしい看護師さん、30代後半くらいかなぁ?
涙が止まらないわたしに 何度も大丈夫!と…『大丈夫、絶対奥様のところに戻ってくるから!』と 励ましてくださった。

大丈夫…が有り難く、
何の根拠もないが、希望の光が差し込んできたように思えた。
そして
しっかりしないといけない、メソメソしていてはいけない!
と気合いが入った。

わたしの娘は23年間、
先天性の病気の治療のため
オペや入院で大学病院にお世話になったけれど
こんなに優しい看護師さんはいなかったなぁ…

オペの看護師さんから言われたので、自販機でお茶を買いパンを少し食べた。

8:50に 息子と大阪の娘2人が病院に到着。

オペは3時間ほどかかる…と聞いていたので
その間に 関係各所に連絡を済ませる。

わたしはストレスでお腹が弱るタイプなので、
夫のオペを待っている間、何度もトイレに通っていた。

正午を過ぎ、何度目かのトイレから戻ってくると、ちょうど主治医がもう1人ドクターを連れて控え室にいらっしゃった。

『手術前にご説明した通り、取り除ける血腫は全て取り除きました。
それにより、脳内の圧に変化が起きて
もしかすると 今よりも状態が悪くなるかもしれない。
新たな出血も起こらないとも限らない。
でも、良くなるという希望を前提に治療と管理をしていきます。48時間はICUに。その後問題がなければHCUに移り、その後はSCUに…』

などなど、ここにはざっくりとしか書かないが、とても丁寧に細かく説明をしていただき、
今後の経過は、面会ができるようになるまでは
定期的に主治医が電話で伝えてくださることになった。

この時、

この先生が手術をしてくださったのだから 夫は大丈夫。

と、なぜか確信が持てた。

とにかくオペは無事に終わり、
わたしたちは家に帰った。

息子が落ち着いていて、
わたしのことも大阪の娘たちのことも気遣ってくれた。

片頭痛で寝込んでいた娘も、復活していて
家のことをしてくれていて とても助かった。

わたしは、家に帰ってからも心がザワザワして
全く落ち着かず
この日から
眠れなくなってしまい、電気を消すことが出来なくなってしまった。

愛猫が亡くなった後も 鬱とパニックが出てしまってしばらくの間辛かったが、
今回は それがもっとひどかった。

5/6に夫が中之島のバラ園に連れて行ってくれた
親切なご婦人が、
『私も主人と一緒に来たかったわ〜
あなたたちが羨ましいわ!』と
わたしたちの写真をたくさん撮ってくれた。



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