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「カトリック学校における教育の宗教的次元 ―評価と刷新のためのガイドライン-」④上「第四部 授業における宗教教育と教育における宗教的次元」

こんにちは、Salt運営員会委員の小林由加です。今回はすばりカトリック学校の宗教教育の本質がテーマです。少し長いので前半と後半に分けて紹介します。
 
(一)宗教教育の本質
 教会の使命は福音宣教ですが、カトリック学校は若者への福音宣教を実践する場です。その特徴と最高の理念は、宗教教育が教育全体に取り入れられていることでしょう。しかし、宗教教育は要理教育ではありません。要理教育の目的は人間を霊的・典礼的・秘跡的・使徒的に成熟させることです。一方、宗教教育の目的はキリスト教の本質を理解すること、キリスト者がキリスト者として生きようと努力していることを伝達します。
 学校は生徒が個人として統合することを目的としますから、宗教教育は現代にふさわしい目的と基準に融合されると同時に、固有の特徴を持たねばなりません。宗教教育が時間割の中に置かれる、独自のシラバスが作成される、最善の教育方法を活用することなどが求められます。つまり、カトリック学校は文化と福音の両方を融合させながら伝達する大切な役割を担っているのだと言えます。
 
(二)宗教教育に関するいくつかの基本的前提
 ではどのようにすれば、宗教教育をより良く行うことができるのでしょうか。まず教師は優しさと理解をもって、生徒が宗教に懐疑や無関心であることも受け入れます。その上で、教師は喜びと平和の源である福音のメッセージを、一緒に求めて発見できるよう、親しみのある方法で生徒に働きかけること。それは、農夫が土を耕すように、自らの霊的生活と生徒のための祈りを込めて、耕すことに似ています。
 生徒との信頼は、彼らに話しかけて、彼らが語ることに耳を傾けることによって形成されます。すると、生徒はキリスト教信仰について、色々と質問をして来るようになりますが、機会を逃さずに忍耐強く解き明かし、有無を言わせぬ断言は避けなくてはなりません。
 
 生徒との信頼を築くためには、生徒を受け入れること、話しかけて、よく聞くこと、質問に丁寧に答えることにあるというのは本当ですね。一方通行にならずに、根気よくコミュニケーションを取りたいと思います。

参考文献
・「カトリック学校における教育の宗教的次元―評価と刷新のためのガイドライン-」(1988年公布カトリック教育省文書)解説・翻訳 浦善考、『神学ダイジェクト113号』上智大学神学会神学ダイジェスト編集委員会、2011年。
・『キリスト教的教育に関する宣言』(『第2バチカン公会議公文書全集』)サンパウロ、2001年。

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