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概要タイトルのまま、ただ髪を切っているお話です。 小説情報文字数 :4,400文字程度 断髪レベル:★★★☆☆ キーワード:ベランダ、カットクロスなし、相互視点 項目の詳細はこちらをご覧下さい。 本文 「今から髪を切ろうか」 自然と口にしていた。仕事の忙しさからどこかへ出かける気も、かといって家で何をする気にもならず初音と部屋着のままダラダラ過ごしていた、ある休日の昼下がりのことだった。 最近の彼女は伸びてきた髪をゴムで一つにまとめ、前髪も目にかからない
あらすじ 小説情報本文 部屋の片付けがひと段落して、髪を一つに纏めていたシュシュを外すとふわりと背中に広がった。高校を卒業して上京したばかり、春から大学生だ。実家から持ってきた荷物や家具で簡単にこのワンルームの部屋を埋め尽くしていた。 東京駅から二つの路線を乗り継いで、降りた駅から十分ほどの歩いた場所にある学生街の変哲のないワンルーム。東京駅に着いてここに辿り着くまでずっと驚きの連続だった。歩く道はどこまでも舗装され高い建物ばかり、そしてどこを歩いても人がいて年齢も服装
あらすじ小説情報本文 紘斗 は気怠そうにベットに横たわっている 英里奈 を横目で見やる。 ――英里奈に坊主にしてもらうといつもこうなる。 夏の県大会予選で敗れ甲子園のない夏、三年が引退し、秋の大会に向け部活の練習は二年と一年の新チームが作られつつあった。 部活が終わり、その足でマンションの隣に住んでいる幼馴染の英里奈の家に立ち寄った。バリカンを持って「やってくれ」といつものようにお願いして、いつものように五分刈りにしてもらう。終わるとどちらからともなく求め、英里
あらすじ小説情報本文 「ただいま」 夫の亮介が帰ってきた。妻の紗英は今日はいつもより遅かったなと思い、出迎えるために玄関に向かう。 「おかえり」といつも通り声をかけた。ふと亮介を見ると、髪がスポーツ刈りまで短くなっていることに驚いた。「ずいぶん短いね」と聞くと、「暑いし、なんかスッキリしたくてな。さっばりしたよ」と頭に手をやりながら答える。 雰囲気がずいぶん変わった夫にドキドキしながら「ご飯できてるよ。」とリビングに向かった。 「夕飯は何?」 「生姜焼きだよ」
あらすじ小説情報本文 夫は自由だと思う。髪が伸びれば切る、それ自体は当たり前の事かもしれない。大多数は床屋に行くのだと思う。夫はその時の気分によって変わる。気になって仕方ないのか、突然自分で切ったりもするし、普通に床屋に行く日もある。 そして時には、妻である私に切らせたりもする。何ら技量がある訳ではないので、バリカンで坊主にするしかできない。 坊主になっても夫は文句一つ言わないし、いつもと変わらない態度だ。彼にとってはたかが髪なのだろう。その感覚が私とはまるで違うも
あらすじ小説情報本文 ジャーと蛇口から水を出しシンクで洗い物をする。今日は休日で夫の真也と二人でお昼を食べた後だった。妻の三佳と真也は結婚して三ヶ月が経つ。だいぶ二人での生活に慣れて来た頃だった。 「なぁ、髪はいつ短くするんだ?」 藪から棒に夫から聞かれた。 「え?あぁそうね。今度、美容院に予約するわね。」 そう言ってはぐらかす。三佳の髪は背中を覆うくらいの長い髪である。結婚式の為とはいえ、せっかく伸ばした髪を短くするのは、なかなか抵抗があった。三ヶ月間、何かと
あらすじ小説情報本文 明彦と遠距離恋愛となって三ヶ月が経った。人員補充の為と突然の地方転勤だった。期間は決められていない。 彼と私は学生時代から東京でずっと一緒だった。これからも変わらないと思っていた。急な話で仕事を辞める訳にもいかず、付いて行かなかった。 電話やメールで連絡は取っていた。最初こそ寂しかったが、時が経てば一人の生活にも慣れ、寂しいという気持ちはだんだんと薄れていった。 一方で明彦は会えなくて寂しそうに見えた。ただ休日が合わず、東京に来てもらうのも