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懺悔【アダルトチルドレン】

私は悲劇のヒロインだと思っていた。

心には穴が開いていた。でも、客観的に見れば、経済的にも教育的にも満たされていた。

「なのに、どうしてこんなに生きづらいんだ」

これが私の一番の悩みだった。
その時は、それで良かった。支配的な家庭だという自覚もなく、自己否定に苛まれる私は、"悲劇のヒロイン"で丁度良かった。

最近、目まぐるしく感情に襲われ、私は生きづらさを手放した。
これも、幸運だったと言えるし、私がやるべきことをやってきて、そのご縁をしっかり握ったとも言える。

私から見える世界は、少しずつ、少しずつ、グラデーションをつけて変わっていった。

今の私が見える世界は、私は悲劇のヒロインなんかではなくって、人はそれぞれ何かしら辛い思いを抱えていて、その中でも思いやりを渡し合ってより良い世界を作り上げようとしていた。

私は、その輪に入ることもせずに、なにも渡すこともせずに、はしっこに体育座りで座り込み、じっとしていただけ。
自分の中身をじっと見つめて、与えられるものを吸収しながら、最終的には私は私で自分を救い上げた。

私は少しずつ歩き出した。
「何か渡せるものはないだろうか」と。

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