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オリンパスはどこで間違ったのか〜本当はNo.1になれたかもしれない不遇なカメラメーカー

強力な手振れ補正、AFの正確性の技術を持っていながらカメラ競争に負けてしまったオリンパス。どこで間違った(かもしれない)のかをオリンパスユーザーの私がつぶやきます。

現在のカメラメーカーの利益は、高級機が利益率が高いと言います。オリンパスの高級機(OMシリーズ)について、お話ししたいと思います。


オリンパスカメラ事業が譲渡される

2020年6月、衝撃的なニュースが流れました。オリンパスがカメラ事業を譲渡することになったとのニュースです。カメラ事業の譲渡自体は珍しいものではなく、今一番勢いのあるSONYのカメラ事業も、元々は2006年にミノルタから譲渡された事業です。ですので、今のSONYがあるのはミノルタのおかげとも言えます。では、SONYはミノルタの譲渡で何が勝因になったのでしょうか。考えてみました。


ミノルタの譲渡で勝ったSONYの勝因

では、オリンパスが譲渡先でこれから躍進するのかと言えば、かなり疑問に感じています。と言うのは、2020年6月に事業売却発表、2021年1月にOMデジタルソリューションズへ事業譲渡が発表されましたが、2021年5月現在まで、なんら新たな開発発表などが無いからです。新機種の発表の噂さえも聞こえてきません。

ちなみにミノルタとSONYの時は、事業譲渡3ヶ月後に一眼レフカメラα100を発売しました。この機種はもともとミノルタのデジカメに搭載されていたボディー内手振れ補正が優秀で、どんなレンズをつけても手ぶれ補正が効くと言う、当時としては大変魅力的な機種でした。

後に業界初のフルサイズボディー内手ぶれ補正搭載のα900を発売することになり、私は迷わず購入しました。少々重方ですが、大変いいカメラでした。

そして2013年に現在の主流になった手振れ補正は現在のフルサイズミラーレスのα7発売になり、α9、α1シリーズと続くことになったわけです。当時こそプロはレフ機みたいな雰囲気があり、なかなかα7は売れませんでしたが、次第にそのコンパクトさ、AF追従性が向上したことで、現在ではNikon、Canonを凌いでフルサイズミラーレス市場で一人勝ちとなったのです。

その勝因といえば、時代が動画制作のためのカメラを必要としたことであると思います。ちょうどα7が登場したころ、Youtube視聴者が増加し始め、それに伴って動画制作者が増え始めました。気軽に高画質な映像が撮れるSONYのミラーレスカメラはそんなニーズに応えることができるカメラでした。その大きな理由は、スマホで撮影することができない画質、AFが俊敏であった点があると思います。


実はオリンパスはSONYと同じ勝因を持っていた

2012年発売のE-M5の動画

実は2013年当時、SONY飛躍の勝因であった高画質とAFの追従性能をオリンパスは持っていました。私は2012年に発売したE-M5を今でも所有していますが、このカメラは当時のスペックとしてはSONYに引けを取らない性能を持っていたと思います。宝の持ち腐れと言いますが、まさにそれがあらわれています。


動画に本腰を入れなかった

しかしながら、オリンパスはSONY、Panasonic以外のメーカー同様に、動画へのシフトに対して消極的でした。オリンパスが動画に本腰を入れようと思ったのは2020年秋にフラグシップ機のE-M1 Mark3にRAW動画対応すると発表した時だと思います。2020年秋には事業譲渡の話があったと思いますので、本当に末期状態での動画への本腰だったと思います。

ライバルであるPanasonicのマイクロフォーサーズ規格のカメラのホームページでの動画機能紹介の情報量があまりにも少なすぎることを見ても、動画に対して消極的であるのがわかると思います。サンプル動画もひどいものです。加えて、現在も4K60Pで撮影できるカメラが存在しません。

もちろん動画への機能強化が正義ではありませんが、売れるために何かしたかと言うと、カメラもレンズもそれほど革新的な製品は作っていなく、既存技術の正常進化にとどまりました。これはNikonもCanonにも同じことが言えると思います。ただし、NikonとCanonは写真だけではスマホに負けると言うことに、遅いながらもオリンパスよりは早い段階でシフトしたと思います。


最高の技術を持ちながら、カメラ事業譲渡に至った

簡単に言うと、最高の技術があったのに、それを生かすことができなかったのでは無いでしょうか。

私はオリンパスユーザーなので、Youtubeでオリンパスのカメラで撮影された動画を試聴しますが、良質な作品があまりにも少ない。ほとんど海外の動画製作者です。国内でオリンパスのカメラで動画を撮影している人は本当に少ないです。

OM-Logの対応は2019年9月、もう少し早ければ、ユーザーは残ったのでは無いでしょうか。私はOM-Log搭載のフラグシップ購入を考えていますが、どうもYoutubeで紹介している人がほとんどいないので、踏み切ることがでいません。


オリンパスカメラのネーミングセンスの悪さ

そもそもオリンパスのカメラはネーミングセンスが悪すぎです。例えばフラグシップ機の名前は。。。

OM-D E-M1 MarkIII

こりゃ覚えてもらえません。どこで区切るんですか?

OM-D1

とかじゃだめですか?

このように、ネーミングセンス1個取ってみてもツッコミどころがたくさんあります。

ジンバルメーカーから外される

https://cdn.shopify.com/s/files/1/0076/0918/8404/files/WEEBILL-S_Camera_Compatibility_List20210325.pdf?v=1616746306

動画を撮影する人のほとんどはカメラジンバルを購入されると思うのですが、ジンバルメーカーはオリンパスカメラをサポートしていません。ジンバルに載せることは可能ですが、ジンバルに接続してコントロールすることはできません。

上のリンクはWEEBILL-Sという売れているジンバルですが、取り扱いカメラ&レンズが80ページあるのにオリンパスカメラはありません。富士フイルムやブラックマジックポケットカメラさえあるのに、オリンパスはありません。


最後にオリンパス愛を語る

私も、私の友達も長くオリンパスユーザーですし、これからも手放す予定はありません。散々にオリンパスへの不満をぶちまけましたが、愛があってのことですので、ご容赦ください。

私の友達は航空写真を撮るので、E-M1シリーズをよく使っています。毎回フラグシップを買って、高い望遠レンズを買っていますので、オリンパスの売り上げには貢献していると思います。

私の次の購入予定はE-M5 Mark3です。本当はE-M1Mark3を買って、NINJYA-VをつけてRAW動画デビューしようと思いましたが、4:2:2(8bit)でやめました。せっかくRAW動画を撮るのに、10bitならまだマシですが、8bitなんて残念すぎです。それでしたらちょっと高くはなりますが、Panasonicフルサイズにお引っ越しをして、 S5の4K/60pの4:2:0 10bitで撮ります。

E-M5 Mark3にいようとした理由を以下に。。。

・手ぶれ補正がウルトラ強力
・AFがPanasonicより正確(SONYが一番だけど)
・ボディの小ささを追求したい
・4K30Pがとりあえず可能
・レンズが比較的安価
・ボディとレンズで結局軽い

と言うように、要はまだ他者と戦えるはずなのです。今後の検討をお祈りしてむすびの言葉に。。。。。

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