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アフタヌーンティーマナー パーフェクトガイド

みなさまごきげんよう。

しばらく「下書き」に入りっぱなしでしたこちらの記事、まだ未完成なんです(笑)。
未完成なんですけれど、ちょっと公開してしまいますね。
少しずつ完成させていきます。
そして、完成しましたら有料記事にする予定ですので、続きが気になる方は時々進捗具合を確かめにいらしてくださいね(笑)。
お待ちしております♪

尚、次回の対面講座は大人気!アガサ・クリスティーの世界が楽しめるスペシャルなアフタヌーンティーです。残枠2席。お申込みはお早めに♪

アフタヌーンティー誕生秘話

多くの女性たちの憧れ、アフタヌーンティー。
銀の三段トレイにサンドウィッチ、スコーン、焼き菓子が所狭しときらめく宝石のように盛り付けられ、たっぷりの紅茶と一緒におしゃべりを楽しむ。
午後のひとときを優雅に演出してくれる、英国式ティーセレモニーはどうして生まれたのでしょうか。

紐解く鍵は19世紀英国にありました。

19世紀前半の英国で、ある日第七代ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリア・ラッセルは空腹に襲われていました。
それもそのはずで、当時の英国貴族は朝の遅い時間にたっぷりの朝食を食べるものの、昼食は食べないか、食べる場合もごくごく軽く、僅かにいただくだけ。それなのに夕食は晩餐会が始まる20時までお預け。

あぁ、お腹が空く....!!!!

ということで、彼女はこの空腹を解決すべく自分の私室へサンドイッチなどの軽食と紅茶を用意させ、ひとりで小腹を満たしていました。

これは中々に良いアイディアで彼女は16時頃のお茶時間を習慣的に設けるように。最初は一人で楽しんでいたけれど、そこはやっぱり女性。

「この空腹感、きっと味わっているのは自分一人ではないはずよ...!」

ということで、この私的なお茶会にお友だちを招いてみることに。

これが女性たちの間で歓迎される習慣となり、私室で始まった小腹を満たすための個人的な行為は客人を招いて応接間で行われるようになりました。
ちょうどヴィクトリア女王統治の女性の時代ということもあり、アフタヌーンティーはたちまち貴族社会における女性同士の交流会の花形へ昇格。
招待状を送りあって社交の場としてお茶会を催す、「ティーセレモニー」の地位を獲得したのです。

一人の公爵夫人のアイディアはこうして世の中に浸透していきました。
因みにキリンビバレッジさんで人気の商品『午後の紅茶』はアフタヌーンティーをそのまま訳したもの。そしてあのご婦人のマークはこの習慣をつくったベッドフォード公爵夫人アンナ・マリア・ラッセルをモデルにしたものなのです。

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アフタヌーンティー(ロウティー)/ハイティー/クリームティーにロイヤルティー?!

◆アフタヌーン・ティー

日本では多くの飲食店でひとくくりに「アフタヌーンティー」と呼ばれているこのお茶会ですが、実はアフタヌーンティーの他にハイティー、クリームティーなどがあります。

アフタヌーンティーの基本構成はサンドイッチ・スコーン・生菓子・焼き菓子。

「小腹を満たす」という目的に叶った軽食のサンドイッチから、尽きないおしゃべりのお茶請けとしての焼き菓子までがワンセット。
目的は晩餐会までの空腹凌ぎ。
しかもサンドイッチの具の定番はきゅうり!
寒冷地の英国にあって、きゅうりは実は高級食材。
そんなきゅうりを惜しげもなくサンドイッチにして提供する、というの一種の「最高のおもてなし」。
そしてその高級食材をいかにうす~~~~~~~~~くスライスするかで館のお抱えシェフの技術を誇示することもでき、きゅうりという高級食材があることで財力も誇示することができ、きゅうりという極めてエネルギーの低いものを食べていても体力面でも問題にならない(労働を必要としていない)という体面の誇示でもあったのがきゅうり。

そんなことから「薄いきゅうりのスライスが挟まったサンドイッチ」が定番に。ですので、きゅうりのサンドイッチが提供されても「え...きゅうりだけ...?」とがっかりせず、優雅に召し上がってくださいね。

そしてもちろん美味しく淹れたお紅茶もスコーンと双肩をなす主役のひとり。この時サーブされるのはいわゆるウィークティー(weak tea)。
用意されているお茶請けなどに適した軽めの味わいの紅茶です。

これに対してしっかりと濃く淹れたストロング・ティと、軽食というよりお食事に近い内容のものが提供されるものを「ハイ・ティー」と呼びます。

◆ハイ・ティー

貴族を中心とした上流階級で流行り始めたアフタヌーン・ティーはロンドンのホテルでも提供されるようになってきました。

これに感化されたのが中流階級~労働者階級のみなさま。

なにあれ、素敵!
私たちも真似したい!

でもきゅうりしか挟まっていないサンドイッチを上流階級の貴婦人よろしく食べていてもまったく満たされないのが労働する者の性。
当然ですよね。
しっかり働くにはやっぱりしっかりとした食事が必要。

そして上流階級では「朝食から晩餐会までのあいだの、お昼ご飯の代用」のようなポジションだったアフタヌーン・ティーは、「お昼ご飯の後で、夕食代わりにいただくもの」に変化を遂げ、サンドイッチよりももっとしっかり食事に近い内容のものがサーブされるように。
疲れた身体の滋養強壮目的もあり、紅茶はしっかりと濃いものを。
そうして食事代わりに楽しまれるようになったハイ・ティーは、アフタヌーンティーが応接間によくあるソファと低めのテーブルで楽しまれていたのに対して、ダイニングテーブル(高いテーブル)で摂られることもあり「ハイ・ティー」と呼ばれるようになりました。
時間も、アフタヌーンティーが15時や16時に始まるのに対して、ハイティーは17時頃からが中心。

最近のホテルなどが中心となって展開している「アフタヌーンティー」はひとくち前菜やスープ、メインの代わりになりそうなお肉料理なんかも提供されたりするので、どちらかというとこのハイティーに近い内容になっていますね(笑)。

会席と懐石の違いがどんどん曖昧になっていっているのと同じように、アフタヌーンティーとハイティーもあまり区別がなされなくなっていくのかもしれません。

◆クリームティー

アフタヌーンティーにはサンドイッチとスコーン、それに紅茶が必須アイテムだったのに対してクリームティーはスコーンと紅茶だけの組み合わせです。

起源はアフタヌーンティーより古く、正確にいつごろからこうした習慣があったかは分からないものの、11世紀にはパンにクリームとジャムを塗って食べており、それが時代を経て20世紀初頭にはスコーンにクロテッドクリームとジャムをセットしたものと紅茶をいただくことを「クリームティー」と呼ぶようになりました。

このクリームティーはデヴォン・スタイルとコーンウォール・スタイルがありますが、それはまた後ほど、スコーンの食べ方で触れますね。

◆ロイヤルティー

では、ロイヤルティーとは何なのか。
名前からしてきらびやかな印象を持ちますが、実はアフタヌーンティーやハイティーなどの内容に、紅茶だけでなくシャンパンやスパークリングワインなどのアルコールも提供するものをロイヤルティーと言います。

昨今のハイグレードなホテルではアフタヌーンティーにスパークリングワインを追加提供するサービスを展開しているケースをよく見かけますが、これらは「ロイヤルティー」ということになります。
因みに正式名称は「ロイヤル・アフタヌーンティー」です。

アフタヌーンティーマナー パーフェクトガイド (1)

まずは紅茶を楽しむ

◆英国におけるミルクが先か、紅茶が先か、論争

英国の人々は議論好きなのか、後に改めて触れますが、スコーンも「クリームが先か、ジャムが先か」論争があります。

それはさておきまして、日本では一般的に紅茶が先にカップに注がれて、自分の好みでここにミルクを足す、というイメージかと思いますので、そもそもミルクが先か後かという発想自体が少なかったかと思います。
では英国では違うの?ということなのですが、英国ではその歴史的背景から、ミルクを先に淹れる習慣もあったのです。

今では一般的となったボーンチャイナ...いわゆる磁器ですが、この滑らかでうつくしく、良質な磁器というのは昔は貴族などの上流階級の人々にしか縁がありませんでした。一般的には陶器が多く、しかもそれらはあまり品質が良いとはいえず、熱いお湯を注ぐと割れたりヒビが入ったりという危険を伴ったため、ボーンチャイナを持っていない場合はまずミルクを注ぎ、それから熱いお紅茶を淹れることでそうしたリスクを回避していたのです。

それに紅茶そのものが嗜好品であり、もともとは高級品。
上流階級は上質な紅茶を楽しんでいたものの、一般向けには混ぜ物がある紅茶も多く出回っていました。そうした紅茶は渋みや苦みが強く、ミルクを入れることで味を調整することが多かったので、ミルクの量がちょっとばかり多くなってもむしろ好都合だったのです。

でも物資にあふれた現代社会において、お湯を入れるだけでヒビが入るような劣悪なカップというものはもう存在しません。
こうしたことから、まずは紅茶をそそぎ、次いでお好みに応じてミルクを足すのが正式となっています。

数年前にはエリザベス女王に仕える執事が「女王陛下は紅茶を先に注いでからミルクを入れる」とお話されたこともあり、この論争にも終止符が打たれたとか。

なお、あまりドボドボとミルクを入れるのはちょっと無粋なので、最初は少量を入れて味を確認してから更にミルクを足すかどうか、判断してくださいね。

◆ティースプーンのエレガンス

ティースプーンに限ったことではありませんが、ぐるぐるとカップやスープ皿の中でスプーンをかき回すのは実はNG。

ではどうするかというとカップやお皿の中でゆっくりと優雅に、前後にくゆらせるのです。そうしてくゆらせた後のスプーンを引き上げるときにカップの端にカンカンと当ててしずくを切るのもエレガントとは言えません。
カップに不必要な衝撃を与えるばかりか音が鳴ることで周囲の耳目を引くことになりますし、場合によっては周りの方に不快な思いをさせるかも。
スプーンを引き上げるときもあわてず騒がずゆっくりとしずくが落ちるのを待ってからソーサーの上、カップの後に置きます。

お砂糖をご利用になるときはトングで角砂糖をひとつまみしてそのままドボンとカップの上に落とすのではなく、いったんティースプーンの上に置きます。そしてそのお砂糖が乗ったティースプーンを静かにカップの中に沈めるのです。こうすることによって、湯気でトングの周りにお砂糖がくっつくことも、落としたお砂糖が紅茶のしぶきを上げることも防ぐことができます。

レモンティーとして楽しむ場合も、薄い輪切りのレモンをスプーンに乗せて、紅茶にさっとくぐらせたらそのまま引き上げてくださいね。レモンをねじって果汁を絞り出す必要はありません。レモンティーはあくまでレモンの香りづけをして楽しむのが流儀。せっかくなのでエレガントにいきましょう。

◆カップとソーサーの親密な関係

カップとソーサー(受け皿)はふたつでひとつ。切っても切り離せないラブラブカップルだと思ってください。
常にぴったりくっついている必要はありませんが、離れすぎるのを嫌がります。具体的には、ダイニングテーブルなどの高さのあるテーブルがある場合はソーサーはテーブルの上に置いたままで大丈夫ですが、ソファ席などに多いローテーブルのような低めのテーブルの場合は必ずソーサーも持ち上げます。

これは例えば、ブッフェ会場や立食パーティーなどでも同じこと。
面倒がってカップだけを持ってウロウロする方を時折お見掛けしますが、これはよろしくありません。必ずソーサーもご一緒にお持ちください。

そして愛し合っているふたりはお互いにお互いをやさしく受け止めます。そう、まるでぶつかり稽古のように無造作にガチャガチャと音を立ててカップをソーサーに戻すのはいけません。愛をこめてハグするように、やさしく、エレガントに、そっと置いてあげてください。

◆ティーカップの持ち方

ティーカップについている持ち手は、多くの場合繰り抜かれていて空間があります。そのため、そこに指を絡めて持ち手を握り締めるようにしてカップを持つ方もいらっしゃいますが、本来これはNG。

正式には、カップの持ち手部分をつまんで持ちます。

これにはカップの歴史が絡んでいます。カップは元々カフェボウルのような、取っ手部分のないうつわだったのです。日本のお茶碗のようなものですね。でも、入れているのは沸騰したお湯で淹れた熱々の紅茶です。それを取ってもないカフェボウルのようなうつわで持つというのは熱すぎてできなかったのです。そこで、最初は耳たぶのような取っ手がカップの持ち手として付けられるようになりました。現在のように穴が開いていたわけではないので、利用者はこれを指先でつまむようにして持ちました。

その後、技術の発達とともに耳たぶのような平べったい持ち手は飾りの様相を深め、デザインの一種として今のような空間のあるものになっていったのですが、持ち方の習慣は変わらなかったのですね。
現在でも、大きく空間を取っている持ち手もあれば、指が入る余地がまるでないほどちょっとした穴があるだけの持ち手のタイプもあります。

以前、レッスンにおいで下さった女性が「持ち手に指が入らないカップは失敗作品かと思っていました!」と、おっしゃったくらい、今では多くの方がカップの持ち手には指を絡めてしまうのですが、伝統的にはこれはつまんで持つものです。

慣れるまでは指先でつまむようにして持つとカップの重みで落としそうになってしまいうので気を付けてお持ちいただきたいのですが、一度慣れてしまえば簡単です。
コツは持ち手の下部に薬指をそっと添えること。たったこれだけですんなりと安定して持てるようになりますのでぜひ試しを。

...この続きはしばらくお待ちくださいませ♪



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