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【和食マナー】うつわの蓋はお小皿代わりにできます。(あす6月23日放送の「逃げ恥」第6話でチェック!)

手皿はいけません。
手皿は。

上品な仕草と誤解されて、今までしていなかったのに手皿をするようになった、という方も多いでしょう。
何を隠そう、私も以前はそうでした。

そっと左手を差し出す仕種はなんだか上品なように思えます。

ですが、実際の日本食のマナーでは手皿はよろしくありません。

上品そうだけれどマナーに沿っていない代表格、手皿

つい手皿をしてしまう時というのは、お箸で取った食べ物をお皿からおくちに運ぶまでの間に落としてしまいそうなときに無意識的にしてしまうことが多いです。

でも、では実際に本当にこぼしてしまったら?

左手で受け止めるのでしょうか?

きっと受け止めますよね。

そして受け止めた後のそのおててはどうされるのでしょうか?
受け止めたあとの食べ物は?

お皿のすみっこに寄せて置いて、手はお手拭きで拭く...?

それもできなくはないですが、できれば避けたいのが実情。

ではどうするかは2択です。

解決策 1)御懐紙を持つ

御懐紙とは、特に茶道などで必須となるアイテムですね。
お茶席では基本的に絵柄の無い真っ白なものを利用いたしますが、お食事会であればこうしたかわいらしい絵柄のものもOK。お食事とのバランスがあるので、あまり派手すぎるものはいかがかと思いますが、季節の柄が入っているものなどを利用されるのも素敵ですね。
この御懐紙を左手に一枚、そっと持てばよいのです。
それによって万が一本当に食べ物をこぼしてしまった時も、素手でキャッチするのではなく、御懐紙がキャッチいたします。
キャッチしたあとはすっと折りたたんでお持ち帰りください。
それによってこぼしたものをお皿に戻したり、こぼしたもので手を汚したりということが回避できます。

お持ち歩きの際は御懐紙入れをご利用くださいね。

最近はこうしたカジュアルでかわいらしい商品も増え、ぐっと御懐紙が身近になったようにおもいます。

持ち帰るに際して、どうやって?!
バッグやポケットの中が汚れてしまうじゃない?
という方はごくごく小さいファスナー付きプラスチック・バッグや袖落としなどをご利用になられると良いでしょう。

御懐紙はハンカチのようにも、ティッシュのようにも使える便利アイテムでありながら、お食事のシーンでは大活躍致します。
ぜひお試しください。

解決策 2)うつわの蓋をお小皿代わりにする

そうです。
タイトルのまんまですね、うつわの蓋をお小皿代わりにするという実にシンプルな方法。

元来、日本食はうつわを持ち上げる文化。
お茶碗やお椀など、手で持てるサイズや重さのものはお食事の際に持ち上げて頂きます。テーブルに置いたままでご自身が近づき、うつむき加減に食べることは「犬食い」などとも言われ、忌み嫌われるものです。

うつわを持ち上げていれば、こぼすということは稀です。
お箸を使い始めたばかりの幼児はともかく、おとなならばまずないでしょう。
ということは、うつわを持ち上げて食べる際は手皿は自然としません。

つまり、大きなお皿、持ち上げられないタイプのうつわが出たときにだけ、お皿からご自分のおくちまでの距離ができて、「こぼすかも...」という懸念が出てくるのです。

ここで「うつわの蓋をひっくり返してお小皿代わりに使う」という手法を取ります。

例えば会席のお店などに行きますと、炊き合わせのうつわなどは冷めないようにという配慮からうつわが熱々に温められて登場します。
そして多くの場合、そのうつわはどっしりと重たいもの。
手で持ち上げて食べるのは難しい。
炊き合わせなので汁気も多い。
お皿からくちに入れるまで距離があってこぼしてしまいそうで不安。
そんな時はうつわの蓋を反転させて、お小皿代わりにして食べてOK!

ただし、気を付けて頂きたいのは蓋の種類。

瀬戸物の類は基本的に問題ありませんが、漆塗りの椀物の場合、蓋の内側にうつくしい装飾が施されていることがあり、たいていそこには金箔などが使われています。
むやみに蓋をひっくり返し、そのうつくしい細工の上に食べ物を乗せ箸でつつくと傷をつけてしまう恐れが...。そんな怖いことは流石にできないですよね。ですので、ぜひ蓋の内側がどうなっているか、確認は怠らないでください。

そしてそして!
これはもう2016年の初回放送時から私が勝手にひとりで感心していたのですけれど、現在TBSさんで再放送中の『逃げるは恥だが役に立つ』第6話で、温泉旅館でおいしいお料理に舌鼓を打つみくりちゃんこと新垣結衣さんは、この「蓋をお小皿代わりに利用する」をされています。
百聞は一見に如かず!
どれほど文字を重ねるよりも、このシーンをご覧いただく方が分かりやすいと思いますので、ぜひこのチャンスをお見逃しなく。

和食のマナー、もっと知ってみたい!
御懐紙の他の使い方は?
などなど、和のお作法や心構えに興味をお持ちいただけましたらぜひストアカさんで開催中のこちらの講座もご確認いただければと思います。

感染症対策も兼ねて、当面は全国どこからでもお気軽にご受講いただけるオンラインレッスンを開催しております。

でもやっぱり対面よね!
という方はこのスペシャルな2020年の秋分の日から対面も再開予定ですのでこちらをご確認いただけましたら嬉しく存じます。

◆◆◆ ライター/講師紹介 ◆◆◆
美作 静(みまさか しずか)
開運マナー講師/コンサルタント

マナーの根幹にある「愛」と「おもいやり」に感動し、愛と豊かさが循環する美しい世界を広げたいと望み、自らも講師となる。
マナーの根幹にあるマインドが人生を輝かせ、好転させるチャンスを多く生み出す開運にも繋がることから、カタチだけでなく考え方の基盤を大切にするレッスンを展開。
歴史も絡め「なぜ」に特化した講座は覚えやすく身に着くと好評。
「ひとりひとりが星のように輝きを放つ存在の一助となるように」という思いを込めてサロン・ド・レトワールを主催。
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青山学院大学文学部史学科卒業
キリスト教文化、神道への興味関心があり、
美術・音楽など文芸を好む。
海外旅行業にも従事し、訪問国は10か国以上。
ビジネスでの欧州訪問、子ども時代の豪州生活を経て異文化理解と交流を深める。
【マナー記事監修】
じゃらんnet
「銀座カラー」会報誌 
 など
【ラジオ出演】
渋谷クロスFM【鳥羽明美のミラクル☆クルクル】
2019.08.21放送分ゲスト出演

いただいたサポートはより分かり易く、お子さまにも楽しんでいただけるような教材づくりに役立たせていただきます。