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「もったいない」がもったいない。

みなさまごきげんよう。

数日前から少しずつ過ごしやすくなってまいりましたね。
とはいえ、日中は陽射しも厳しいことから熱中症対策はまだ必要そうです。

きのうは満月でしたが、みなさまは断捨離されましたか?

満月には不要になったモノや感情などを手離す絶好のチャンスといわれていますが、私は一日遅れて本日、そこそこの量のお洋服などを処分いたしました。

ただゴミとして廃棄するにはもったいなく、さりとて自分でリユースショップへ持っていくのは手間。

そんな中で、出張で引き取ってくださるというサービスを見つけましたので、申し込んでいたのです。

今回処分したものは主に「ドレス」などに分類されるような、ちょっとしたお洒落着。購入して20年近い歳月の中でたった2度しか袖を通さなかった深紅のチャイナドレスやカクテルドレスなどなど。パーティーシーンで何度か活躍してくれたものから、結局購入しただけで一度も袖を通さなかったものまでありました。

でね、思ったのです。

「もっとこうしたドレスに袖を通す機会を作ってあげればよかった」
「出し惜しみせずにもっと着ておけばよかった」と。

いわゆる一張羅って「大切にする」を履き違えて箪笥の肥やしにしてしまい勝ち。でもそれって本当に大切にしていることになるのでしょうか。

食べ物に賞味期限があるように、時として服にも賞味期限があります。
特に昨今のファッションは、昔と違い親から子へ受け継げるような流行り廃りに囚われないものが少ないのが実情ではないかと思いますし、私のように受け継がせる対象もいない、という方も少なくないでしょう。

となれば、使わなければもったいない! なのです。

既製品の多くは大量生産になったとはいえ、それでも大切な部分は人の手で縫製されているという商品もまだまだあるでしょう。
そうした職人さんたちは、この商品が使われることに喜びと誇りを持ってお仕事されているはずなので、購入したけれど使わないなぁ...というのは、とりもなおさずこうした方々の想いをないがしろにしているのにも近い行為なんですよね。

生み出されたモノは、使われてなんぼ!
なのです。

そして、使う時に丁寧に大切に接してあげる。

よく、「もったいなくて使えない」とおっしゃっる方が多いですが、逆です。「使わないともったいない」のです。そうして大切に使って使い込んで、更なる命を吹き込むのです。

例えば私は食器も好きでよく求めるのですが、漆塗りのお椀や、陶芸家さんの作品なども普段使いしています。
最初はおっかなびっくりでした。特に私の母はそれこそなんでも「もったいない」と言って仕舞い込むタイプ。実家には漆椀やクリスタルのグラス類、有名な海外磁器のお皿などありましたが、日常にそれらが出てきたことはありませんでした。結局、お正月やお客様がお見えになった時も、そのまま仕舞い込んで使ていないのです。ですので、自分で買い求めた漆の椀を日常で毎日使うなんて、そんな贅沢なことをしていいんだろうか、という思いが最初はありました。

けれど、買い求めたお椀を作られた漆芸作家の先生から「ぜひ毎日使ってくださいね。使うことで味わいが増すし、使ってもらうために作っているのですから」とおっしゃられたのですよね。
先日NHKの『世界は欲しいモノにあふれている』を拝見しておりましたら、ご逝去された三浦春馬さんが、やはりご自身の漆椀をスタジオで紹介しながらそうやって日常で使い込まれて味わいを深めていくそのお椀を「経年美化」と表現されておいででした。

お洋服ではこれがなかなかできないと思われると思いますが、本当に質のよいお洋服であれば、「仕立て直す」ことができます。

ちょっとデザインが古くなってきたかも。
ちょっと丈感が合わなくなってきたかも。

こうした時、良い生地を使っているお洋服なのであれば廃棄したりするよりは仕立て直して長く使ってあげらるようになると上級者。
残念ながら、きょう私が処分したお洋服たちはそこまでの品物ではなかったのと、丈に関してはどうにもしようがなさそうだったので「リユースしていただけるお店へ提供」という選択をしましたけれど(笑)。

ちなみに、「仕立て直す」までいかなくてもお洋服のイメージチェンジに大いに役立つのが大ぶりのブローチです。ひとつあるだけでお洋服の印象をガラっと変えてしまうこともあるくらい。そうしてアクセサリー類などの小物も存分に使って、良いものほど長く大切に着てあげられると素敵ですよね。

そして、「もったいない」と箪笥の肥やしにしてしまうことなく、大切なお洋服を着てお出かけになる機会もたくさん作ってくださいね。


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