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崩した方がうつくしいこともある - かさばるパンケーキやハンバーガーの食べ方

みなさまごきげんよう。

朝です。

エアコン無しでの就寝を試みた結果、午前3時に暑くて目が覚め、眠れなくなりました(笑)無理はよろしくありませんね。

さて、そうなのです、無理はよろしくないのです。

先日、吉貯金をしにある駅ビル内のカフェでランチを頂いておりましたところ、隣のかわいい推定女子大生(高校生のようにも見えたのですが、メイクの感じから女子大生かな...と。とにかくお若くてかわいらしいお嬢様お二人でした)が、そのお店の自慢のメニューらしい三段重ねのパンケーキを注文されておりました。

いくら美味しくても過ぎたるは猶及ばざるが如しの言葉にもあるように、一枚ごとの厚みがあるパンケーキの三段重ねは量が多いらしく、途中でお腹がいっぱいになられて食べ進めるのに難儀されていらっしゃいました...。この辺りはインスタ映え狙いもいいですが、お店側にも一考いただきたいですよね。
残すのは申し訳ない、けれど食べ進めるのには限界。
しかも、三段重ねのパンケーキは彼女たちにとって「どうやってナイフを入れたらこの美しさを保ったまま食べられるの?!」ということも難関だった様子。

お二人のうちお一人は抹茶クリームがかかっていたことから「私のは抹茶だから余計にお皿の上がなんだか汚い感じになってしまって悲しい」という趣旨のことをお友だちにお話されていました。「これがデートじゃなくて良かった」とも。彼女にとって三段重ねのパンケーキはデートでは注文するのが憚れるメニューになったようです。

さて、こうした三段重ねのパンケーキもですが、ホテルなどで提供されるボリュームたっぷりのハンバーガーやナポレオンケーキともいわれるミルフィーユなど、「食べ難い」という感想を持ってしまうものがいくつかあります。

提供する側が「映え」を狙って豪勢にすればするほど、食べる側は難易度が増すと感じることもあります。このあたりは「食べやすく、かつ美しい(映える)」というところを狙ってくれるのが本当に利用者のことを思ってくれている良いレストランだと個人的には思いますが、個人の感想はさておきまして、それらの食べ方です。

ミルフィーユなどのパリッとサクッとした生地を使ったケーキの場合、最初から横倒しにしてしまってフォークとナイフでいただくのが定番です。
お店によってはショーケースからお皿に盛りつける際に予め倒してくださっていたりもします。
予め倒してあってもパイ生地部分は切るのが難しいことがありますが、ナイフを入れるときにケーキに対して水平にするのではなく、少し縦よりの斜めにして切るようにすると良いでしょう。一種のてこの原理です。
これはミルフィーユだけでなく、概ねどんな食材に対しても言えることなので、気に留めてみてくださいね。

そしてくだんのパンケーキです。
この場合、最初の一刀は映えも狙って三段重ねの一番上から下まですっとナイフを下ろしてしまってもいいと思いますが、食べ進めるうちに必ず崩れます。ですので、崩れるのがあたりまえ、むしろ崩して食べるのだ!と割り切って一番上のパンケーキを少しずらします。
特に最初の一刀分を食べたあとはお皿に空きスペースができますので、その空きスペースへ一番上のパンケーキを移動させてしまってください。そしてパンケーキをひとくち大に切って、ソースやクリームをたっぷり絡めておくちに運ぶ、という動作を繰り返すとソースやクリームもきれいにいただけるようになります。

ではハンバーガーの場合は?

これも上のバンズと下のバンズ、それぞれに具を乗せてしまう...いわゆるサンドイッチ状態を諦めて解除してからひとくち大に切っていくパターンと、上のバンズもしっかり乗せてから軽く押しつぶすようにして食べるパターンとがあります。見極めポイントのひとつはハンバーガーのバンズがそもそもトップに乗っていないか、それとも具がバンズできちんとサンドされて一番上にピック(つまようじ)が刺さっているかどうか、です。
前者の場合は具の比率のことはちょっと無視して、それぞれのバンズの上に具を乗せて、その上でフォークとナイフでひとくち大に切っていただきましょう。
ハンバーガーの様相を保ったまま提供され、かつ、ピックが刺さっている場合はピックが具を固定させる役割を担っていますので、これを刺したままでフォークとナイフで食べることで中の具がずれていくことを防いでいます。
このピックは食べ進めるときに切りたい分量の目安になるところへ刺し直して最後まで使います。
最初にピックを外してしまってからやおらフォークとナイフでハンバーガーを切ろうとすると中のハンバーグがするりんとずれてバンズからはみ出す元凶になりますので、気を付けてくださいね。

特に西洋のテーブルマナー、フォークとナイフを使うシーンなどになると「音を立ててはならない!」と過度に緊張してしまう方がおられますが、
そもそもカトラリーもお皿も硬質なもの同士なので、お食事すればカチャリと音がするのはごく自然なことです。
日本のお箸のように木製であればそうそう音がすることはありませんが、まったくの無音でフォークナイフを完璧に繰るというのはなかなか容易ではありません。過度に音がするのはNGですし、もちろんガチャガチャと耳障りなほどの音がするような扱い方は困りますが、多少は音がするものです。

同じように、なるべく提供されたときの見た目を維持して食べるのがベストですが、物理的にそれが不可能に近いくらい困難な場合もあります。
こうした時には初めから崩すことによって逆にうつくしさをキープできる場合もあるのです。
どうぞ、そうした時に「予め崩す」ことを必要以上に怖がらないでくださいね。


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