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シェアサロンではなく普通の美容室を経営したらどんな戦略を描くか?

原宿・表参道・池袋にシェアサロンを展開するSALOWIN代表の阿部です。また、美容室の稼働率を最大化させる「SALOWIN LINKS」というサービスも開始しました。

noteネタが尽きて参りましてTwitterにてネタ募集をしたところ、「シェアサロンの経営ではなく、教育型のサロンの社長をする場合、どんな経営戦略で勝ちにいくか知りたい。」とのコメントを頂きました!

ありがとうございます!

なかなか難しいお題なのですが、実はやりたいスキームがあります笑。それが、「持たない美容室」です。

ただ、質問の意図とズレてしまうかもしれません。

もし、”普通の美容室に限定する”という条件付きでしたら、「髪質改善」×「地方都市」は最高の組み合わせだと思う件で紹介したモデルをやります。ということを先にお伝えさせていただきます。

持たない美容室とは?

実店舗を持たずにInstagram上に架空のサロンを作ります。ハイライト部分でスタッフ紹介・メニュー・口コミを掲載。通常投稿では、スタイル画像(動画含む)を載せていきます。

じゃ、どこで施術するの?

という話ですが、シェアサロンとか既存の美容室を面貸しさせてもらい施術を行います。なので、自社で採用しているけど、スタッフが働く場所は第三者のサロン。ということになりますね。

でも、インスタ集客が広く定着しており、サロン名ではなく個人名で集客ができる今、自社店舗の必要性は限りなく低くなっていると思う訳です。

実はこれ、以前に「美容室を出店しなければむちゃくちゃ広告費に投下できると思う件」という記事を書いたんですよね。

でも、今のこの変化の波を考えると、絶対におすすめなスキームだと思うので、改めて詳細を書いてみたいと思います。

■今起きている変化
・コロナの影響もあり賃料や販促費が固定費として掛かるのがしんどい
・シェアサロンがぽんぽん増えている
・既存美容室の空席が目立つ

コロナの影響でバカみたいに高い賃料や販促費を払い続けるなんてナンセンス。。という考えが広く定着している。加えて、シェアサロンがぽんぽん出てきて、面貸しも増えて、空席だらけの美容室。というのが今の美容業界だと思います。

そのため、この状況下で普通のサロンを出店しようとは到底思えませんし、固定費を抱えずに急拡大するスキームが作れる絶好のチャンスだとも思っている次第ですね。

ちなみに、スタッフは正社員雇用で「固定+歩合」で給料設定します。賃料を変動費にできることから、正社員採用が進めやすいので、業務委託で先行きが見えない人を獲得するチャンスだと思っています。

そして、コロナが落ち着いたら、アシスタントを雇用します。その際、スタッフ教育のために、安いオフィスを借りて、1台だけシャンプー台をいれつつ、そこで練習やMTGなどを行います。

以降、より詳細にお伝えしたいと思います。

集客はInstagramに集中させる

出店時に発生する費用2000万円程度は、集客費用に割り当てるようにします。もちろん、全額一気に使う訳ではなく、毎月50万円くらいは赤字覚悟でInstagramの広告出稿に当てるようにします。

この、50万円はサロン全体のアカウントに使うイメージです。

これとは別に、スタイリストの収益の5%は、その個人のInstagramアカウントの広告出稿に使うようにします。

これによって、サロンと美容師双方のアカウントに広告を投下することが出来ますので、フォロワーが増加しストック型の集客システムが完成していくと考えています。

また、店舗数が増加しサロンアカウントのハイライトでは美容師が乗り切らないような場合は、親元のアカウントのハイライトで店舗アカウントを紹介して、店舗アカウントは別個で切り出して強化していく感じにします。

そして、Instagramのフォロワー数が一定以上となり次第、TikTokやyoutubeなどへチャネル分散を行います。プラットフォームにより多少打ち手は変わりますが、チャネル別に集中してハックすることで攻略は可能でしょう。

ちなみに、チャネルを分散させる理由は、1つのプラットフォームが廃れても他があるので大丈夫。という状態を構築していくためです。

サロンの特徴は来店サイクルが速く継続性が高いもの

サロンの特徴は、とにかく来店サイクルが速く継続性が高いものにします。

通常、顧客化するまでに必要な来店回数は3回と言われていますので、できるだけ早く3回来店してもらえる方が、顧客基盤を早期に作り上げることが可能になります。

また、想定よりも戻り(リピート率)が悪いのではあれば、技術ないしサービス面での課題があるかもしれません。これも来店周期が早ければ、問題を早期に発見できるメリットがあります。

上記より、大本命はやはり「メンズ」ですね。あとは、「ボブ・ショート」「髪質改善」あたりが理想的です。

この専門領域以外の施術はやらない。くらいの気持ちで特化させていきます。

売れ筋の構築と徹底した分解による育成スピードの向上

領域を絞ったら次は、売れ筋商品(スタイル)を作ります。仮にボブに強いサロンでもボブに種類が存在するように、その中での売れ筋商品というものが存在しているはずです。

売れ筋の抽出方法としては、売上の80%を構築する人気のスタイル画像。という軸で複数枚選択する感じですね。

その上で、この売れ筋スタイルの工程を徹底的に分解します。

分解のGOALは、完全思考停止でマニュアルを見るだけで作れてしまうレベルです。徹底的に落とし込みをすることで、最低限のレベルまで早期に育成することが可能になるだけでなく、社内でニュアンスが混じるコミュニケーションを排除させる。という意図もあります。

感覚でものを言われても分からないですからね。

あと、アシスタント個人の感性とかは全て無視です。言われたことを出来るようにします。なぜなら全ては基本があってこそだからです。基本がない人の意見は全て無視です。

ただ、期日を決めます。

一生その人の感性を無視するのではなく、あくまで基礎期間まで。3ヶ月程度で売れ筋スタイルだけでも出来るようになれば、そこから自然とアレンジが生まれてくるでしょう。というか、お客様がアシスタントを育ててくれます。

そーゆうものです。

結局現場が一番人を育てます。なので、出せるレベルまで早期に育てて、失敗させながら経験を積ませることを優先すると思います。

売れ筋しかできないアシスタントにも広告を投下する

売れ筋まで出来るようになったアシスタントには、Instagramの広告を投下して早期にファンを付けさせます。

通常は、シャンプーやカラーのフォローに入りながら徐々に成長させていくと思いますが、”持たない美容室”の場合は、席を大量に契約できる訳ではないので、アシスタントを2~3人抱えて施術を行うなどは出来ません。

そのため、アシスタントにもさっさとファンを付けさせて、固定給を回収しながらも、空いている時間は練習させた方が効率が良い。という訳です。

また、ここまで来たら既存のアシスタントは赤字人材では無くなるので、次のアシスタントを採用します。これを繰り返して行けば、新規のシェアサロンや面貸し先を次々に契約して規模拡大が可能になる。という訳ですね。

持たない美容室の収支

通常の美容室は売上に対する賃料負担率を10%程度に留めるべき。というのが基本的な考えです。一方、本モデルの場合、面貸し先に売上の30%程度を還元するべきだと考えています。

この理由は、以下のコストを全て賃料に内包しているためです。

・保証金・内装費等の費用(通常は減価償却としてPLに計上される)
・水道光熱費
・タオルクリーニング
・業務用のシャントリ
・施術に必要な消耗品
・借金の返済

費用だけでなくリスクも背負ってもらっている面貸し先な訳なので、調子が良い時は30%くらいは払っておく。というのが私の考えになります。

逆に、今回のコロナのようにやばい状況になれば給付金をもらいつつ、事業を完全停止させることで賃料負担は0円になります。

このバランスを保ちつつ双方win-winの仕組みを続けることが、このビジネスは重要になるでしょうね。

さて、これを前提に、スタイリスト、アシスタントの収支を計算すると以下のようになります。

■スタイリスト1名あたりの収支
売上:100万円
賃料:30万円(売上に対して30%)
原価:5万円(材料仕入/売上の5%)
販促費:5万円(売上の5%を販促費)*コロナなどがあれば0円にする
人件費:40万(固定給20万円+売上歩合20%)
営業利益:20万円

上記の通り、売上に応じて、賃料、原価、販促費、人件費(歩合)を変動する仕組みにすることで、赤字になりづらい設計にすることが可能だと言えます。

おおよそ、1名のスタイリストから20万円の営業利益が上げられると上出来かなと思います。(固定給30万円に上げるなどは採用状況踏まえて判断ですかね。)

10人いれば200万円の収益を立てらますので、そこから、役員報酬、オフィス代、サロン全体の販促費などを捻出する感じになります。

■アシスタント1名あたりの収支*売れ筋のみ入客可能
売上:40万円
賃料:12万円(売上に対して30%)
原価:2万円(材料仕入/売上の5%)
販促費:2万円(売上の5%を販促費)*コロナなどがあれば0円にする
人件費:20万(固定給20万円のみ)
営業利益:4万円

アシスタントはトントンくらいになれば良いので、賃料、原価、販促費を変動費にして管理します。売上40万円くらいあれば赤字にならないので、なるべく早くその水準まで持っていくことが大切だと思います。

キャリアプラン

スタイリストが育っていくと必ず必要になるのが、次のステップですね。想定できるキャリアプランを考えてみたいと思います。

■キャリアプランの種類
・エリアマネージャー:店舗が点在するので管理者が必要になる
・ECスタッフ:自社製品などを開発しECで売ると思うのでそこを担当
・教育スタッフ:アシスタントの育成(主婦時短正社員とかに依頼)
・薬剤スタッフ:本部で仕入れし配送するなどの運用を担当
・FCオーナー:ブランドを使って独立させる

会社の規模によりますが、順調に成長していれば上記のキャリアチェンジなどは可能になると思います。

FCオーナーの場合は、店舗が必要ありませんので、ロイヤリティーの徴収は0円で賃料30%以外は完全バックにしますかね。

その分、材料費(自社開発製品)を仕入れしてもらって、そこから利益を上げる仕組みにすると思います。

なぜこのビジネスモデルをやらないのか?

このモデルはリスクなく取り組みが出来るので本当におすすめです。

一方、当社は、「美容師の所得向上」、「労働環境改善」、「一生涯働ける場所の提供」をミッションに事業を推進していますので、何より環境整備に特化し、ソフト部分は得意な美容師さんに任せた方が効率的である。と考えています。

なので、もし、興味がある人がいれば、全力でバックアップしますので是非ご連絡ください!

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