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捨てない日々。

普通、ゴミ出しってどれくらいの頻度で行うものだろうか。

もちろん家族構成員の数とか住居の周りのゴミ出しルールによってだいぶ違うだろうけど。

うちは、10リットルの一般ゴミ(可燃ゴミ)袋をマンションの収拾場に出すまで、大体ひと月弱くらいかかる。なかなかいっぱいにならない。それが普通の二人暮らしの家庭と比べてどうなのかよくわからない。まあ比べる必要もないけど。

紙類、ペットボトル、ビニール類などはそれぞれ分別して出す。韓国で分別ゴミの出し方は、複数棟で構成されたマンション団地か、ヴィラと呼ばれる小さめの単独マンションか、一軒家かによってそれぞれ違うけど、居住者の多いマンション団地はたいてい大きなゴミ収集所が団地内にあって、曜日ごとにゴミ出しの日が決まっている。「資源ゴミ」として分別されない一般ゴミは、総量制袋という有料のビニール袋に入れて出さなければならない。

うちの団地がちょっと特殊なのは、資源ゴミを出す曜日が特に決まっておらず、カン・ビン・プラスチック・透明ペットボトル・ビニール・発砲スチロール…と分類されている大きな袋に「いつでも」入れていいという点。紙類は5メートル四方くらいの区画にぽいぽい放り込んでおく。

問題は、そのゴミ置き場がうちの棟の目の前にあるということだ。引っ越してきた当初は景観的にどうもな…と戸惑ったが、暮らしてしまえば便利なことこの上ない。エレベーターで降りていって10秒でゴミ出しができるから。

そんなわけで、うちではビール缶やペットボトルや段ボール類を毎日出る都度捨てている。だから、1週間にどれくらいゴミが出ているのかはっきりわからないが、たぶんかなり少ない方だと思う。

なんでこんなことが気になるかというと、ゴミはけっこう意識しているイシューだからだ。

ふだん、使いまわしのビニール袋を持ち歩いて、野菜を買うときはパッキングされていないバラ売りを買う。タンブラーを持ち歩いてコーヒーをテイクアウトするときは入れてもらう。ペットボトルの飲み物はなるべく買わない。家で煎れたコーヒー豆のかすと豆乳や牛乳のパックは貯めて、ゼロウェイストショップに持っていく。

私が好きなゼロウェイストショップの「アルメン商店」はかなり前衛的な活動をしていて、地元の商店街で使い捨てビニール袋をなくしたり、化粧品メーカーの会社前で「プラスチック容器を減らせ、出すなら責任もって回収せよ」というアタック活動をしたりと、プラゴミ撲滅運動を展開する勢いだ。ファッションぽくゼロウェイストを標榜する最近の流行りではない、そういう本気の姿勢が良いと思っている。

アルメン商店について書いたもの。
https://note.com/iroeum/n/n3cd622d53aaf

…ただ、そういった「本気のゴミなし運動」に接すると、私は中途半端だなあ、と思ってしまう。ゴミ、とくにプラスチックゴミを出さないようにしようと思うけれど、なにか一つでも買い物をすればかならず何らかのゴミが出る。スーパーで、パック入りの安売りの肉を買うか、ちょっと高くつくが肉屋でその場で切ってもらうかを散々迷うくせに、プラスチックケース入りの化粧品などは随時買っている。とにかく、何かを買えばかならずゴミが出る。半分くらいはゴミを買っているのだ。けっこう気を付けているウチでもこれだけゴミは出るのに、私の住む地域だけでも一日にどれくらいのゴミが出ているのだろう。

うちの団地の周りは繁華街で、飲食店や遊ぶところや飲み屋も多く、道路沿いに露店もずらっと並んでいる。そして、越してきたとき信じられなかったのだが、道行く人が道端にぽいぽいゴミを捨てるのだ。なので路肩はゴミだらけだ。それがすごく、すごく嫌だった。いまでも道に溜まっているゴミを見ると、悲しくなる。だからせめて自分はゴミを減らしたいと思っている。

でも、ゴミを出さないようにする買い物はすごーくめんどくさい。タンブラーを忘れて出かけた日などは、喉が渇いてカラカラなのに我慢するか、せめて紙パックの飲み物を買うか、それともえーい今日くらいは!と妥協してペットボトルを買うか、いちいち迷うのだ。

捨てない日々は難しい。