【短編小説】夕焼けぼっちのレモンサワー
彼女が家を出て行ってから一週間が経った。
特に理由はないと言われたが、それすら言いたくないほど嫌気が指していることは表情から容易に読み取れた。
そんな顔を見ていたら何も言えなかった。
きっとこういうところも嫌いなんだろうな。
最後の一滴を飲もうとして、グラスにへばりついていたレモンが鼻についた。
あー、またやっちゃった。
バイトがない日に昼から酒を飲んでいる俺を見て彼女はそういうところだよと笑うのだろうか。
それとももう笑ってくれすらしないのだろうか。
カーテ