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「不思議な薬箱を開く時」

こんにちは!
「不思議な薬箱を開く時」です。
ちょっと常識はずれかもしれませんが、
考えようによっては、便利かもしれない。
そんなお薬が、揃っていますよ。
では、お薬箱を開けてみましょう。

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お薬番号・⑰

「水の上を歩ける薬」

水の上を歩かなくてはならない事態。
それを想定するのは、なかなか滑稽ですが、
この薬は、ヴェネツィア王国の時代、
1638年に、ヴェネツィアの司令官、
マリノ・カッペロが、密かに錬金術師に研究させ、
開発したものとされています。
実際、彼は、当時、最盛期を誇っていた、
バルバリア海賊の拠点を攻撃、敵線を次々に捕獲し、
3600人もの奴隷を解放したとのこと。
この功績は、夜間に、水の上を歩ける薬を服用した兵士たちが、
海の上を行き、敵に奇襲をかけたことが勝因であったのです。
海の上を走るなんて、まさに奇想天外!
海賊たちも、隙を突かれてしまったに違いありません。
船が近づけない水域でも、
波の上を歩いていけば、攻撃可能ですからね。
では、調剤料をご紹介しましょう。

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「水の上を歩ける薬」処方

チャンタドゥーロ・・・・・・・・・・20g
海蝙蝠の乳・・・・・・・・・・・・・・10㏄
海亀の肉・・・・・・・・・・・・・・20g
真珠・・・・・・・・・・・・・・・・2個
グルアランの血・・・・・・・・・・・10㏄
フグの浮き袋・・・・・・・・・・・・2個
メリュジーヌの鱗・・・・・・・・・・5枚

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備考欄
これは、なかなか、難度の高い調剤料ですね。
海蝙蝠と、グルアランは、
新鮮な人間が大好物ですし、
メリュジーヌは、人頭蛇尾の怪物の上に、
大の人間嫌いときています。
あなたが、調剤料の採集のために、
調剤料から喰われてしまうかもしれない可能性が、
多々ありますね。
メリュジーヌは、過去に人間に裏切られたトラウマから、
滅多なことでは、人間を信用しないでしょう。
ましてや、鱗を5枚も剝ごうなんて。
いやいや、これは、薬箱始まって以来の、
大スペクタクルが繰り広げられますね。
神のご加護と、余りある幸運の元、
なんとか調剤料を手に入れられたとしても、
グルアランの血液は、猛毒ですから、
絶対に素手では触らないようにしてください。
海亀の肉だけが、この猛毒を中和することができるのです。
まあ、念のため、口の中に傷がないかどうかを
口腔外科で、検査してから、服用しましょう。

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