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「不思議な薬箱を開く時」

こんにちは!
「不思議な薬箱を開く時」です。
回を重ねるごとに、不思議というよりは、
怖い薬箱になっていないか?というご意見が。
まあ、そこはそれ。
自分以外の服用であれば、
怖いことなんて、ありませんよ。
では、お薬箱を開けてみましょう。

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お薬番号・⑮

「宙に浮く薬」

マジシャン、ご用達ですかね。
服用すれば、身体が浮きます。
このお薬の存在を知らない人たちの前であれば、
まず、間違いなく、大マジシャン登場!となりますね。
それとも、超能力者?
実は、このお薬。
アラマンニ人の大盗賊、フランケスカが、
ライン川上流のある古城から盗み出した羊皮紙に、
金文字で記されていたとのこと。
フランケスカは、プラハの錬金術師に依頼して、
羊皮紙に書かれてある通りに、
薬を作らせました。
しかし、はじめは、何の薬なのか、
定かではなかったため、
手下の一人に、無理に飲ませてみたのです。
すると、どうでしょう!
手下の身体は、ふわふわと宙に浮き、
天井に張り付きました。
2時間ほどで、手下は、じわじわと降りてきました。
そこは、大盗賊のフランケスカ。
これを使わずにはいられませんね。
この薬を服用しては、大きな館や城の高い窓から入り込み、
ごっそり!と、お宝を頂いて回りましたそうな。
では、調剤料をご紹介しましょう。

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「宙に浮く薬」処方

ドクニンジン・・・・・・・・・50g
コロンバインの根汁・・・・・・30㏄
ベラドンナの花・・・・・・・・200g
ロックローズ・・・・・・・・・10g
鳩の胆石・・・・・・・・・・・5粒
燕の唾液・・・・・・・・・・・10㏄
蝙蝠のロヴィコストウィ石・・・1粒

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備考欄
調剤料の中で、一番、最終が難しいのは、
ロヴィコストウィの石でしょう。
これは、蝙蝠が、子供を育てる時に、
体内から出される石ですから、
蝙蝠が群れなす洞窟などに踏み入らなければいけません。
その上、子育て最中の母蝙蝠を相手に、
一戦交えなければならないというのも、
けっこうな苦労の上に、
蝙蝠は、狂犬病ウィルスを持っているかもしれないという、
生命の危険のおまけ付きです。
まあ、種も仕掛けもございませんで、
宙に浮いて見せれば、
一躍有名人ですし、かなりの稼ぎも期待できますが、
死亡率の高い病気になるかもしれない危険を冒して、
滅多に見つからないロヴィコストウィ石を探しに行くくらいなら、
真面目に働いた方が、安楽に儲かりそうですね。

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