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売上倍増計画をプロデュースするヒット商品サポーター 中小企業診断士の足立早恵子です。
読んで頂いてありがとうございます。

昨日に引き続き、「響け!ユーフォニアム3」の話題を引っ張ります。
それほどにいろいろ読み取れる作品だったので、アニメだと軽く見ずぜひともご覧頂けたらと思います。

今回のシリーズでは主人公が精神的に大人になる過程が丁寧に描かれていたと思います。
もともとこだわりがあるわけではない、将来やりたいこともはっきりしていないという主人公。
しかし、第1シリーズで将来はプロになると決めて覚悟を持って音楽と向き合っている同級生と親友になり、彼女からの刺激を受けて音楽と真剣に向き合って来ました。
そこで、全国大会で金賞を取ることを目標と定め、そのためには実力主義を徹底すると覚悟を決めています。
例え周囲の反発を受けても、どこまでも真っ直ぐにストイックに自らが信じた道を突き進む親友と肩を並べることを目指し頑張って来たわけです。

一方、そんな彼女に立ちはだかるラスボスのような立ち位置の転校生は人の「お気持ち」を重視している人物に描かれています。
転校生の度重なる「辞退した方がいい?」という問いは、大きく感情を揺さぶられながらも一貫して信念を貫いている主人公への苛立ちを感じさせる部分もありました。
高校最後のコンクール、その親友が吹くトランペットとともに演奏するユーフォのソリ。
転校生は「それを吹きたいのがあなたの本心でしょう」と迫ります。
「もっと素直になった方が楽だよ」
転校生の方にはそんな思いがあったように見えます。
しかし、1年生の時の親友との誓いがある主人公はそれを突っぱねる。そして、そんな自分に誇りを持っていると言い放つのです。
たぶん、ここでソリを譲ってもらったら、主人公はこの先胸を張って生きて行けなくなることをわかっていたのでしょう。
どうあろうとここでソリを吹ければ確かに一時の満足感は得られるものの、正々堂々と勝ち取ったものではないソリは逆に心の傷になるはず。
だから、最後のオーディションの前に「実力で勝ち取る」と宣言するのです。
そして、劇中の結果として、音楽の質を優先した親友の投票が決定打となりソリを逃してしまいます。
しかし、自らの矜持を守り、その悔しさも誇りたいという彼女は「仲良しごっこ」でソリを吹くよりも大きなものを手にしたのだと感じます。

思えば、昨今は「お気持ち」が優先されがちですが、それを押し通すことからは何も生まれません。
世の中、どうにもならないことがある。しかし、それをどう乗り越えて行くのか、本当に大切にしなければならないことは何なのかが重要なんですよね。
原作小説とは違う展開だということですが、このような展開を丁寧に描いた今作はとても良質な作品だと思いました。
アニメ作品一つとってもいろいろ勉強になると改めて感じます。


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