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売上倍増計画をプロデュースするヒット商品サポーター 中小企業診断士の足立早恵子です。
読んで頂いてありがとうございます。

ビジネスの勉強をしていると一度は聞く話に石工の話があります。
石を積んでいる現場で作業をしている石工に何をしているをしているのかを聞くのですが、一人目は「見てわからないのか? 石を積んでいるだ」という。
二人目に聞いてみると「家族を養うために石を積んでいる」と答えた。
そして、三人目に尋ねると「歴史に残る大聖堂を作っているんだ」と誇らしげに答えたという話です。
従業員という立場で働いている人のほとんどが自分の仕事について一人目か二人目のように答えるのではないかと思います。
それでは、仕事はつまらない。つまらないぐらいならまだマシで苦行でしかないでしょう。

では、経営者はどうか?
正直、経営者の多くも二人目のように答える人が大多数なのではないかと思います。
特に、大企業で新入社員から出世して今の地位にあるサラリーマン社長はなおさらでしょう。
しかし、それでは良い仕事ができるとは思えない。日本企業の凋落の一因はそういうマインドにあるのではないかと感じます。

そんなことを考えていて、ホンダの創始者である本田宗一郎氏の逸話を思い出しました。
「社会のために技術がある」を信条としていた本田氏。
しかし、1972年に発表した低公害エンジンCVCCが世界的に評価され、「世界のホンダ」と呼ばれるようになった時期、本田氏は社員をさらに鼓舞しようと「ビッグ3と並ぶ絶好のチャンスだ」と言ってしまったそうです。
それに対して、若手の社員から出て来たのは「自分たちは会社のためではなく、社会のためにやっている」と言葉だったという話です。
その言葉に自分がいつの間にか企業本位に陥っていたことを反省するとともに、自分の意志を継ぐ若者が社内に育っていることに喜びを感じた本田氏は65歳という若さで社長を辞任したとのことです。

話は戻って「歴史に残る大聖堂を作っているんだ」と従業員が自らの仕事に誇りを持つためには、そもそも経営者が「歴史に残る大聖堂を作る」ような事業をしなければなりません。
ただ自社の売上や利益を追うのではなく、社会から必要とされる事業を行う。
そして、その意味や意義を従業員に伝えることが何よりも大事であり、そうすれば後進は育つということがホンダの事例が読み取れます。
社会人にとって、一番長い時間を費やすのは働いている時間です。
その時間が楽しくなければ、人生幸せではない。
となると、従業員に「楽しい時間」を提供するのも経営者の仕事だと感じます。
コンサルの立場としては、そんな経営者のお手伝いができたら一番幸せだったりします。

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