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中学1年、入学式後2週間の事件簿

こんにちは、といです。
中学1年生のクラス担任と、1学年主任をしております。

入学式から2週間経ち、やっと落ち着き始めた1年生のクラス。しかし!ここまでの2週間には、様々な事件が起こっていたのです…!

というわけで、今回は新入生の巻き起こした、小さなかわいい数々の事件をご紹介します。

1.入学式に現れない生徒が2人!

私が受け持つ予定のクラスには、1型糖尿病を患っているAさんという生徒がいます。
学校生活の中で、血糖値の測定や糖分の摂取、給食前の注射などを行わなければならず、
入学式当日も、受付後にまず保健室に行ってから入学式へ…という段取りになっていました。
前日に、生徒とお母さんと打ち合わせをし、受付にきてもらう時間を決めました。

で、入学式当日。
約束の時間に、Aさんととお母さんが現れません。
…んー?どうしたかな?
と思っていたら、職員室に電話が入りました。
「先生、今日、高校生のお兄ちゃんも入学式で、そっちを車で送ってから行くから、ちょっと遅れます」
えー、昨日言ってー!
ま、お兄ちゃんを送ってから来てもらってもまだ式には間に合う時間だったので、OKとお返事し、その旨を受付に伝えに向かいました。

受付の先生に「ウチのクラス、一人遅れる子がいるので…」と声をかけたところ、
「あ、さっき、3年生のお姉ちゃんが、『ウチの妹は欠席です』って言いに来ましたよ」と言うのです。

えっ?Aさんには3年生のお姉ちゃんはいないはずですが…。どういうこと?

よくよく聞いたら、欠席なのはAさんとは別のBさんという生徒でした。

バタバタした数分間、しかも受付終了まで5分くらいという時間に起こった出来事だったので、一瞬パニックになりそうでしたが、
何のことはない、遅刻と欠席の連絡の話でしたとさ。


2.給食、なぜ片手で運ぶ?

さて。入学式翌日から、早速給食が始まります。
中学校の配膳に慣れていない1年生。
食べる時間を確保するため、給食当番でない方の班の生徒にもお皿を配ってもらうことにしました。

順調に配られていくお皿達。よしよし、これならいただきますの時間に間に合うな、と思ったら、異変が起こりました。

生徒たちが、みんな両手を使わず片手で一皿だけ運んでいくのです。
そして、お皿を受け取るための長蛇の列。何この効率の悪さ!

「ねえねえみんな、両手でお皿持っていってくれない?」と声をかけると、
「あ、おかずはもうあるんで…」とのお返事。

んー?どういうこと?

あ、そうか!
みんなのお皿を配膳しているという意識なんじゃなくて、
自分の分だけを取りにきているという意識なのね?
自分のおかずはもう取りに来たから,今度は汁物だけを取りに来たのね?

こちらとしては「誰のでもいいから、とにかく両手で急いで運んで!」というつもりだったのですが…。
もしかしたら、小学校ではそういうシステムだったのかもしれませんね。コロナもあったし。

ということで、そこからはみんなに両手で運んでもらい、何とかいただきますの時間を迎えたとさ。めでたしめでたし。


3.チャイムよ鳴らないで!掃除が終わりません!


掃除の時間は、小学校では15分だったようです。
ところがうちの学校では、今年度から10分間で掃除することになりました。
小学校より広い校舎を移動して、慣れない場所でのお掃除なので、
正直いってどの場所も掃除は行き届いていません。

そして、一番行き届いていないのが、なぜか教室掃除!

小学校の時と同じでしょうよ!しかも移動もないでしょうよ!

と思うのですが、たまたまのんびり屋さん達が教室掃除の担当になってしまったのか、終わりのチャイムが鳴っても掃除は終わっておらす、「あー、チャイムなっちゃったあ、あはは!」みたいな感じです。

これはまずい。時間内にも終わってないし、クオリティも低いぞ!

ということで、
・掃除は教室の後方、右側から
・ほうき部隊が右側の床を掃き始めたらすぐに、雑巾部隊は並んで雑巾がけスタート
・ほうき部隊は左側に到達したら、一人はちりとりでごみ回収。もう一人は右側から机を運び始める
・雑巾部隊も机運びに合流。とにかく右から運ぶ
・雑巾部隊が机を運び始めたら、ほうき部隊は前方右側からスタート

…というふうに、とにかく無駄な時間がないように声をかけ続け、
彼らにタイミングを覚えてもらい、
最後のチャイムが鳴っている30秒間には倍速で動くことを仕込み、というトレーニングを続けた結果、
私が手伝わなくても時間内に教室掃除が終わるようになりました。やったー!

頑張ったわ、私…。(えっ?)

4.靴事件①靴が…ない⁈

1年生の仮入部期間が始まりました。
見学は2日間、体験入部は3日間です。
体験入部1日目に、その事件は起こりました。

卓球部の体験を終えて帰ろうとした生徒が、昇降口で「オレの靴がない!」と探しています。
靴箱を見ると、確かに彼の外靴がありません。
他の生徒の外靴もあまり残っておらず、誰かが間違えて履いて帰ってしまったのかも…と思われました。
万が一のことも考え、近くにいた生徒と靴を探していると、隣の小学校でバレー部の体験をしていた生徒達が戻ってきました。

すると、「あー!あいつ、オレの靴履いてる!」

なんと、バレー部に行った生徒が、卓球部に行った彼の靴を履いて隣の小学校に行っていたのでした。
そして、間違えた生徒は指摘されるまで間違いに気付いていませんでした。
(「えっマジで?ごめーん!」みたいなリアクション…)
そんなことあります?人の靴って、履いちゃうとすぐにモヤモヤしません?
確かに、同じメーカーの同じデザインの靴なのですが、気付かなかったバレー部(仮)の生徒の大物感たるや。ま、彼、うちのクラスなんですけどね。

ちなみに、この二人は違うクラスで、靴箱の位置は3メートルくらい離れています。
バレー部(仮)くん、靴のデザインしか見てなかったのね。
靴箱の位置も見て下さいね。

ま、すぐ見つかって良かったねー、な事件でした。

5.靴事件②靴が…ある⁈

またまた靴事件。

下校時刻が過ぎ、もう校内には生徒はだれもいないはずの午後6時。
日直の先生が私のところに来て、
「とい先生のクラスのNくん、靴箱に靴がありますけど…。校内にいます?」と聞くではありませんか。
いません!いるはずありません!

一応、教室とトイレを確認しましたが、やっぱりNくんはいません。
なんで靴あるんじゃー。

Nくんが帰宅しているかどうか、Nくんのお家に電話してみました。
すぐにお母さんが電話に出てくれました。

「あっ先生ー!すいません、今うちの子怒ってたところで!
 なんか、上履き履いて帰って来ちゃったんですよー!」

…やっぱりそうですか。
なんでも、友達と話をしながら帰ってきたので、靴を履き替えるのを忘れた、とのことなのですが、そんなことありますー?
他の子は履き替えてたでしょ?
帰り道で他の子に「おまえ、上履き履いてるよ!」と指摘されたけれど、
もう学校より家の方が近い場所まで来ていたそうで、そのまま帰宅したとか。

いやー、なかなかの逸材です。
うちのクラス、靴の履き替えが苦手な生徒が少なくとも2名いることが判明しました。


というわけで、小さなかわいい事件に振り回された最初の2週間。
でもそれが楽しいんですよね。
忙しいながらも充実した時間と笑いをもらっています。
明日はどんな事件が起こるのか、楽しみです。



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