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法人営業が顧客解像度を高めるための10のアイデア

こんにちは。セールスリクエスト代表の原と申します。インサイドセールス代行を中心とした営業支援会社を経営しています。

本日は「# 営業アドベントカレンダー2021」の5日目担当として「法人営業における顧客解像度の高め方」をテーマに投稿させていただきます。

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はじめに

よく「法人営業は顧客理解が大事」と言われますが、実践するのは簡単ではありませんよね。顧客がどんな立場でどんな業務をしていて、何に悩んでいるのか。また、その悩みはどれくらい重要なのか。このあたりの解像度(本記事では「顧客解像度」と呼びます)を高めるために何に取り組めば良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

弊社のような営業支援会社では、この顧客解像度を最短で高めることが求められます。弊社としてまったく経験のない属性をターゲットとしているお客様から依頼を受けることもありますが、ご支援を開始するその日からお客様のお客様を深く理解し、同じ目線で会話し、成果を出さなければなりません。

こうした背景から、弊社ではプロジェクト開始後、一日でも早く顧客解像度を高めるために様々な取り組みを検証してきました。本記事ではこれまでの取り組みのうち、特に効果的だった手法をお伝えします。営業に携わるみなさんの参考になれば幸いです。

①既存顧客インタビュー

最も手っ取り早いのが既存顧客へのインタビューです。商材を実際に利用している既存顧客に「なぜこのサービスを選んだのか?」を聞くと、業務内容、サービス導入前の課題、サービスの探し方、選定軸などを一通り把握することができます。

既存顧客は自社と一定の関係性があるため、詳細を教えてもらえますし、新規顧客には質問しにくい点にも回答してくれます。この点も大きなメリットです。

各社の営業支援を行う際、若手の営業担当者に話を聞くと「既存顧客にじっくり話を聞いたことがない」という方がほとんどですが、自社サービスを選んだ顧客の話を聞かずに、新規顧客に対峙するのは非効率です。ぜひ既存顧客インタビューを試み、顧客の実際の選定プロセスを学んでみてください。新規顧客が商談で求めていることを想像しやすくなるはずです。

既存顧客へのインタビュー依頼が難しい場合、カスタマーサクセスと既存顧客の打ち合わせに同席させてもらったり、事例記事作成時の取材に同席させてもらうことなどでも代替できます。

②自社・競合の事例記事の読み込み

自社と競合の事例記事にすべて目を通すことも効果的な手段です。各社のサービスサイトに掲載されている事例記事を読めば、顧客が「何に困っていたのか」「どう解決策を探したのか」「なぜ選んだのか」を把握できます。

これを自社・競合含めてすべて読み込むと、数十件~100件以上の事例をインストールでき、一気に顧客の解像度が高まります

事例記事の読み込みは時間さえあれば誰にでも取り組めることです。ぜひ時間を作り、取り組んでみてください。自社・競合の事例を網羅的に読み込むことで、各社の特徴や強みについても理解を深めることができるので非常におすすめです。

③見込み顧客インタビュー

自社の商材のターゲットになり得る属性(見込み顧客)に行うインタビューも効果的です。これはビザスクなどの人材プラットフォームを使って対象者を募り、業務内容や業務上の課題、自社商材周りの検討状況について話を伺う手法です。

たとえば、経費精算システムの営業をする場合は、ターゲット属性である経理部の責任者を募集し、インタビューを実施します。30分5000円程度で大企業の責任者に話が聞けることも多く、コストパフォーマンスはかなり高いです。また、有償で依頼するため、インタビュー対象者も協力的で、得られる情報量が多い点もメリットです。

ビザスクを使えば、見込み顧客に簡単に出会える

費用はかかりますが、自分が営業時代にこの手段を知っていたら、自腹でも必ず取り組んでいたと思います。それくらい顧客理解が深まりますし、成果も出せるようになります。下手な研修に出るより圧倒的に学びがあります。

④顧客の業務・業界入門書の読み込み

顧客の業務内容を理解するのは難易度が高い印象がありますが、入門書を読めば基本的なことはわかります。私はAmazonで、業務名・業界名×「わかる」で出てくる本を買って読んでいます。どの本もよくまとまっていて「お客さんは日々こういう業務を推進しているのか」「お客さんが言っていたのはこのことか」などと具体的なイメージを掴めるようになります。

業務・業界カットの入門書は顧客理解の効率的な手段

基本的なことだと思われるかもしれませんが、顧客の業務・業界の入門書を読んでいる営業担当者はほんの一握り、というのが私の感覚値です。これだけで他の営業との差がかなりつくと思います。

⑤周辺サービスの閲覧

自分が販売したい商材の周辺サービスについて学習することも顧客解像度を高める手段として効果的です。先ほど例に出した経費精算システムであれば、会計システムや電子請求システム、経理業務のアウトソーシングなど、同じターゲットの別のニーズを満たしているサービスについて調べます。

経費精算に限らず、経理業務の全体像が見えてきますし、周辺業務と経費精算業務の繋がりが理解でき、より深く顧客の業務や課題を理解できるようになります。

業務領域特化の展示会

おすすめの手段は、特定の業務領域に特化した展示会に行き、さまざまなブースで説明を受けてみることです。例えば、会計・財務EXPOに行けば、各社のサービス説明を通じて一日で経理担当者のほとんどの悩みを見聞きすることができるでしょう。

⑥IR資料の読み込み

顧客の属性が特定の業界に絞られる場合、その業界を代表する企業のIR資料を読み込むことをおすすめします。その業界が置かれている状況やトレンドは、IR資料を読むことで効率的に把握でき、顧客が置かれている状況を想像するヒントが得られるためです。

ターゲット業界を代表する企業の決算説明資料でマクロ環境が把握できる

「IR資料って難しそう」という声もよく耳にしますが、上場企業の決算説明資料は視覚的にわかりやすくまとめられており、読みやすいものがほとんどです。無理をして財務諸表を読み解く必要はありません。まずは決算説明資料を読むところからチャレンジしてみてください。

⑦求人情報の読み込み

顧客属性に該当する職種の求人情報を読むことも、顧客解像度を高めてくれます。経理部、情報システム部、総務部、人事部など自社商材のターゲットに該当する部門名で求人を検索してみましょう。具体的な業務内容や評価制度、キャリアプランなどを知ることができ、見込み顧客がどのような環境で働いているのかの理解度が高まります

openworkでは部門・職種カットでクチコミを閲覧できる

私は求人内容にリアルな記載が多いWantedlyをよく閲覧します。また、openworkなどで特定部門・職種の社員クチコミを読むのも勉強になります。見込み顧客の属性が一従業員として何を望み、どんな点に悩んでいるのかをリアルに理解できるためです。

⑧BtoB購買の体験

ここまで主に顧客の業務理解や業界理解を深める手段をご紹介してきましたが、購買担当としての顧客を理解することも重要です。営業担当者(特に若手)の多くは、自分で購買活動をしたことがないにもかかわらず、顧客の購買を推進しようとしています。これでは購買担当者の置かれている状況や心理を理解できないため、顧客に寄り添った対応ができません。

営業である以上、一度でも良いのでBtoB購買のプロセスを体験してみることをおすすめします。他社の営業担当者から営業を受け、どのような軸で選定すべきか悩み、どのように稟議を通すか考えてみると、購買担当者としての顧客の気持ちが非常によく理解できるようになります。

とは言っても、一営業担当者がBtoB購買を経験するのは難しいですよね。現実的におすすめしたいのは、社内で購買に携わる人に商談同席をお願いしたり、商談録画をお願いすることです。「他社の営業から営業を受けてみる」という体験だけでも、購買担当者の気持ちはかなりよくわかるようになります。

⑨見込み顧客との模擬商談

顧客から自社や自社サービス、また自分自身の説明がどのように見られやすいのか?を理解することも顧客理解の一環です。商談を通じて顧客が持つ印象を想定できれば、例えネガティブな印象を持たれるとしても対策を打つことができます。

この観点でおすすめしたいのが、見込み顧客との模擬商談です。③の見込み顧客インタビューと同様、ビザスクなどで見込み顧客を募集し、自身のサービス紹介を聞いてもらい、率直な感想を回収します。サービスに対する印象、説明の順序や長さに対する感想、自分自身への印象などを聞くことで、顧客がどのような見方をするのかがリアルにわかります。部外者に対して実施しにくい場合、社内で最も顧客属性に近い人に依頼してみても良いでしょう。

「説明時間をもっと短縮して、相談や質疑応答の時間が欲しい」「強みの部分の説明がわかりにくかった」「よくあるサービスで特徴がわからなかった」など、実際の商談相手は口にしてくれない率直な意見や視点を得ることができます

⑩ユーザーアンケート

最後におすすめしたいのがユーザーアンケートです。既存顧客やハウスリストに対してアンケートを依頼し、顧客の関心事を把握する施策です。

直近の課題や関心のあるテーマ、営業に期待することなどの質問項目を設け、「顧客はどのような情報提供を求めているのか?」を想定するために用います。インタビューとは異なり、多くの回答を得やすいため、量的なデータで顧客属性の関心の傾向を把握することができます。

アンケート結果をコンテンツ化したり、アンケートの回答をもとに顧客アプローチの優先順位をつけるなど、マーケティング施策としての効用もあるので、是非マーケティング部門と一緒に企画してみてはいかがでしょうか。

まとめ

以上、顧客解像度を高める10の方法をご紹介しました。顧客理解は確かに難しいですが、ご覧いただいたとおりすぐに取り組めることはたくさんあります。商材に詳しくなることや営業テクニックの習得に取り組むことも重要ですが、まずは顧客理解に時間を割いてみてはいかがでしょうか。きっと顧客の悩みや営業に求めていることがわかるようになり、より顧客に喜ばれる営業活動ができるようになるはずです。

最後までご覧いただきありがとうございました。ひとつでもみなさんの参考になっていれば嬉しいです。Twitterもやっていますのでよろしければフォローをお願いします!



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