マツリカ中谷氏が吠える!セールスイネーブルメントをはじめたければこれを読め!!
こんにちは。イノベーションの池上です。今回は、株式会社マツリカの中谷真史さんに『セールスイネーブルメントのはじめ方』について聞いてみました。
中谷真史さんの紹介
セールスイネーブルメントをはじめる前に気を付けたいこと
みなさん、セールスイネーブルメントをはじめる前に「セールスイネーブルメントとは」などでWeb検索されるのではないでしょうか。
もちろん、それが自然な行為だと思います。
その何たるかを知らなければ、取り組むことはできません。
そんなときに気を付けてほしいことがあります。
残念ながら、サービス提供者等がポジショントークをしたいがため、自社に有利な偏った情報だけを発信していることをよく目にします。
まずは正しい情報を得ることが大切です。
僕から言えることは一つです。
セールスイネーブルメントとは『教育です』『資料共有です』『コンテンツ管理です』って言ってる情報を鵜呑みにしてはいけません!!
セールスイネーブルメントとはそんな狭い概念じゃないんです。営業組織をスケールするもっと広く、強い概念なのです。
ポジショントークなしの「セールスイネーブルメントとは何か」を知りたい方は、日米から計10の書籍やレポート(論文)等の文献から、共通して言われているポイントをまとめた記事がありますので、ぜひご覧ください。
それでも、ポジショントーク入ってるでしょ?と思う方は記事下の参考文献に飛んでいただければ大丈夫です!
今回の記事を読み進めるために必要なポイントだけこちらにまとめておきます。
セールスイネーブルメントのはじめ方
さて、セールスイネーブルメントが何かを知ることができたら、はじめてみたいと思う方いらっしゃいますよね。
その前にやることがあります。営業活動の可視化はできていますか?
具体的に言うと、SFA(CRM)を使いこなせていますか?
断言します。
SFAすら使いこなせない営業組織にセールスイネーブルメントは無理!!
セールスイネーブルメントはデータを検証して、新しい施策を考えることが大前提になります。
そもそもSFAを使いこなせていないと、まともに検証できるデータが収集できないので、セールスイネーブルメントをはじめる前提に立てないんです。
ということを踏まえて、セールスイネーブルメントのはじめ方を解説していきます。
Step1|セールスイネーブルメント推進者を決める
セールスイネーブルメントが語られるとき、専任者が必要かどうかがよく議論されます。私としては、セールスイネーブルメント推進者は専任者もしくは、マネジメントに専任できている(いわゆるプレイングマネージャーではない)営業マネージャーを据えた方がよいと考えています。
経営者は10年後を、投資家は5年後を、マネージャー職は1~3年後を見て生きているとよく言われますが、営業パーソンは最も”現在”を生きている人種と言えるでしょう。そして、営業組織は”現在価値”主導型の組織です。
セールスイネーブルメントを進めるためには、営業活動全体を客観的に俯瞰することが必要となります。”現在”の成果を追いかける現場の営業パーソンやプレイングマネージャーがその役割も果たすのは、かなり難易度が高いと感じます。
そのため、セールスイネーブルメントのファーストステップとして、つぎのような特徴の人材を推進者に任命することをお勧めします。
Step2|営業プロセスの「型」をつくる
セールスイネーブルメントで一番重要なことは、顧客の購買行動に合わせた営業プロセスの「型」をつくることです。
つぎの図のように顧客の購買行動に合わせた営業プロセスを再構築し、具体的にどの営業フェーズ(アポ獲得、初回商談、2回目商談、クロージングなど)で何を伝え、何を把握し、何をアクションするかを決めて、「型」をつくりましょう。
※ここでは営業プロセスの話をする際、敢えてイメージしやすいよう営業から見たプロセス(初回商談、提案、など)でお伝えします
「型」のつくり方を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
Step3|仮説を立て、データを収集する
営業プロセスの「型」ができたら、その定義された「型」の中でボトルネックになっている要因がどのプロセスにあるのか仮説を立てます。その上で仮説検証ができるよう、データを収集します。
例えば、以下の案件進捗において、提案率がボトルネックになっていると仮説を立てた場合、初回商談前~提案までの営業活動を検証できるようにデータを収集します。
Step4|データを分析し、課題を特定する
収集したデータを分析し、課題を特定します。
例えば、提案率にボトルネックがあるという仮説の場合、以下のような分析と課題特定が考えられます。
Step5|施策を立案し、実行する
課題が特定できたら、課題に対する施策を立案し、実行します。
例えば、初回商談時ネクストアクション設定率が課題の場合、以下のような施策が考えられます。
Step6|Step4とStep5を繰り返す
とにかくデータに基づき、PDCA繰り返すことに尽きます。
セールスイネーブルメントを成功させるポイント
セールスイネーブルメントでよくつまずくポイントがありますので、事前に把握しておきましょう。
ツールを使えばなんとかなると思っている
とりあえずCRMやSFAを導入した。だからなんとかなるだろうと思っているとうまくいきません。ツールは手段なので、使う目的とルールを決める必要があります。
厳しいことを言います。
仮説のないデータに価値はない!それはゴミだ!!
集めたデータを活かすためには、まずは「型」と「仮説」が必要です。つまり、特定の「型」に当てはまった状態で、データを集める必要があるのです。
「型」によって「データ」を有効化するということを肝に銘じる必要があります。
集めたいデータがちゃんと集まらない
営業活動のデータを集めるためには、営業パーソンにデータを集める目的ときちんと納得してもらい、行動してもらう必要があります。
集めたいデータがちゃんと集まらない、営業パーソンがSFAにデータを入力してくれないといった状態になったら、つぎのことをもう一度見直しましょう。
もう一度言います。
SFAすら使いこなせない営業組織にセールスイネーブルメントは無理!!
肝に銘じてください。
やろうと思ったけど優先順位が上がらない
セールスイネーブルメントをはじめよう!じゃあ営業マネージャーお願いね。となった時、営業マネージャーがプライヤーもする、マネージャーもする、イネーブルメントもするっていうのは、普通に考えてムリです。
なので、本気でセールスイネーブルメントをやろうと思うなら、専任を置きましょう。専任が難しければ、イネーブルメント業務の時間を確保できるように、まずはリソースの分配を実施しましょう。
言いたくないけど、言います。
「セールスイネーブルメントをはじめたい。」それ本気ですか?何のためにはじめますか?じゃあどうやりますか?本気でコミットできますか?
取組むと決めたのなら、本気でやる覚悟なしでは、頓挫しますよ!!
セールスイネーブルメントの可能性
僕はセールスイネーブルメント、セールステックの業界に並々ならぬ熱い想いがあって、少々尖った発言をしたりしてしまいます。
今回もちょっと吠えちゃいましたが、良心に従って正しい情報を発信したいという想いからだということをご理解ください。
そして、セールスイネーブルメントは今後さらに可能性が広がっていくと思います。
セールスイネーブルメントは営業パーソンひとりの成果だけではなく、営業組織の成果を上げ続ける仕組みです。
すごくスケーラビリティがある、拡張性が高いものです。
自分が1行ったことに対して、成果が10になって返ってくる…そんなスキームが作れたら、すごくないですか?
そんな売れる仕組みを作り上げ、テクノロジーの力を駆使して効率的に成果を上げていくことができる営業パーソンは、市場価値が高まっていくと考えています。
最後に言っておきたいことがあります。
セールスイネーブルメントとは、顧客のニーズに応え続けるために経営努力として必要な取組みなのです!!
営業はものを売るだけの仕事ではありません、顧客の課題を解決することがミッションです。顧客のニーズが変化していく時代だからこそ、変化に対応できる仕組みづくりをしていきましょう。
この記事のまとめ
今回、中谷真史さんに伺ったポイントをまとめます。
資料を活用する営業プロセスのイネーブルメントを支援するセールステック『Sales Doc(セールスドック)』をご存じでしょうか。お客さまが営業資料を見ているのか、どこを見ているのかを分析し、顧客ニーズに沿った営業活動を実現したい方はこちらをご覧ください。